10年前に失敗に終わった「ローバー(自律型ロボット小惑星探査機)」が現在、面目躍如のストーリーを展開する運びとなりました。

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Courtesy of JAXA

 Japan's Space Agency Landed Bouncing Rovers on an Asteroid  

 成功しました。2018年9月22日の土曜日、日本の宇宙航空研究開発機構「JAXA」は、2機のローバーを小惑星「Ryugu(リュウグウ)」の地表へ投下することに成功したことをツイートしました。

 そしてその2機は、元気に跳ね回っている模様です。 
   

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ツイートのコメント引用:
お待たせいたしました! (ローバー=自律型ロボット小惑星探査機)である「MINERVA-II1」は、「ローバー1a」と「ローバー1b」の2機で構成されています。この2台ともに、小惑星「リュウグウ」の表面に上陸したことが確認されています。彼らは良好な状態で、写真 & データを送信しています。またわれわれは、彼らが表面に移動していることも確認しています。#asteroidlanding

 
 …とのこと。ひとまず、うれしい報告です。 

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 上の投稿に写る画像は、ローバーからの最初の景色です。さまざまな思いとともに、実に素晴らしい画像ではないでしょうか。

 2機の「ローバー」が撮影した映像は、それぞれ小惑星の表面や「はやぶさ2」の本体を捉えており、これまで「はやぶさ2」が上空から撮影したものとは異って、小惑星の様子の具体的な表面が明らかになっています。

 事前の懸念として、「小惑星の表面は帯電している可能性がある」という説もあり、「ローバーが地表と接触したときに火花が散って壊れる」という覚悟もあったとのこと。しかしながら2機ともに、その危険を無事にくぐり抜けたようです。

「ローバー1A」は、ホップして移動中の撮影にも成功しており、動きのある印象的な画像を送信してきました。

 これに関して「MINERVA-II1」の担当である吉光徹雄准教授は、「ローバーから届いた画像を最初に見たときに、ブレ画像でがっかりしました。ですが、『はやぶさ2』探査機が写っていたので、ロボットに仕込んだ通り撮像できてよかったです。また、小惑星表面でのホップ中の画像が届いたときには、小天体での移動メカニズムの有効性を確認することができて、長年の研究成果が実を結んだことを実感しました」と、コメントしています。

さらに、ローバーが撮影した画像を。

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Courtesy of JAXA

 
 ここで少し振り返ってみましょう。

「イトカワ」という名の小惑星は、JAXAにとっては思い出したくもない記憶かもしれません…いや、その逆だとわれわれは信じていいます。この「イトカワ」という名を合言葉に、さらに精進を繰り返しながら、今回の成功へと結びつけたに違いありません。

 2005年11月12日、地球上のコントロール室から「はやぶさ1」へ、「MINERVA」投下の指示がなされました。すると高度計算の失敗によって、十分な接近がなされないうちにローバーは投下されることに…。「MINERVA」を納めた地上探査機は、そのまま宇宙の彼方へと消え去ってしまったのです。

 そして今回の「はやぶさ2」のミッションはその続編とも呼ぶべきミッションです。「惑星探査機の降下準備が本日開始されます。降下開始は明日から…」と、JAXAがツイートしたのがこの水曜日、2018年9月19日でした。

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 小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星「リュウグウ」に到着したのは2018年6月27日になります。 

 そしてこの9月から、「はやぶさ2」本体の着陸と小惑星への全4機の着陸探査ロボット「ローバー」の投下ミッションを開始していたところです。

 八角形をした重さ1キロ強の小型ローバー、「MINERVA-II1」を2機をこの小惑星の地表めがけて投下し、それを成功させたのです。ちなみに「MINERVA」とは、「MIcro Nano Experimental Robot Vehicle for Asteroid=小惑星探査用超小型可動式ロボット」の頭文字になります。

「9月19日に投下準備のためのオペレーションを開始し、20日には探査機が「リュウグウ」に接近、そしてMINERVA-II1の投下は21日を予定しています」とJAXAはやぶさチームが事前にツイートどおりの運びと今回なったわけです。

 さらにちなみに、なぜ「MINERVA-II1」は地表を車輪やキャタピラで移動しないのか?  

 それはこの小惑星には、十分な引力がないためだそうです。そこで今回の「ローバー」は、その低い引力の地表でも移動できるよう、跳ね回りながら移動を行いよう開発したとのこと。15分間のジャンプ毎に、15メートルの移動を可能にするための動力を、この「ローバー」は自ら生み出すことが可能となっています。 

 そしてそれぞれの「ローバー」は各2台のカメラと温度計、そして速度計を装備。小惑星上の塵などの粒子を写すための紫外線LEDも搭載されているとのことです。

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 2018年10月3日には、フランス・ドイツが開発したもう1機の着陸探査機「MASCOT(マスコット)」が投下され、16時間の探査を行いました。

 そのため、該当の時間に「はやぶさ2」は「ローバー」との通信機能を「マスコット」用に切り替えることに。よって、「マスコット」探査の終了するまで通信は不能に。その後、新たに2機の「MINERVA-II1」と再び通信できるようになるそうです。

 この結果に興味ある皆様のために、JAXAのウェブサイトでは、リアルタイムの更新が続けられています。

From POPULAR MACHANICS
By Joe Pappalardo
Sep 24, 2018