フェイスブック社は、ケンブリッジ・アナリティカ社をめぐる例のスキャンダルが明るみに出て以降、外部に対して謝罪に終始してきたという印象があります。そして、「そんな同社なら、過度にディストピア的なものをすべて避けようとするだろう…」と、皆さん思いますよね、批判の声が収まるまでの話だとしても…。

ところが、そうではありませんでした。

フェイスブックがテレビCMの中にこっそり仕込んだ信号を使って、皆さんの携帯電話に内蔵されたマイクロフォンを離れたところから起動させ、より精度の高い広告を表示できるようにする技術を開発されたことが、2018年6月14日に公表された同社の特許申請書類(2016年12月に提出されていたもの)から明らかとなりました。

「broadcast content view analysis based on ambient audio recording(環境音響記録に基づく放送コンテンツ視聴分析技術)」と題されたこの特許は、まったく無害なものに聞こえるかもしれません。

しかしながらこの中には、『人間が聞くことのできないデジタルサウンド』に反応して、自動的に起動するソフトウェアが含まれているのです。なお、このデジタルサウンドは『マシンによる認識が可能』なもので、フェイスブックの広告に埋め込まれるそうなのです。

一般人にもわかる言葉に言い換えてみましょう。

この装置(おそらくは皆さんの携帯電話)は、テレビやコンピュータに表示されたフェイスブック広告のバックグラウンドで流れる人間の耳ではわからないほど高い周波数の音を聴き取ると、ひそかに周囲の物音を録音しはじめ、そして集めたデータをフェイスブックに送信するというものなのです。

この仕組みの狙いは、「さまざまなユーザーがいろいろな広告にどう反応するかを把握し、個々のユーザーをターゲットにした広告をより効率的に表示できるようにする」というものになります。さらに薄気味悪いのは、この仕組みが「対応する個人とコンテンツ・アイテムが特定」されるというところです。

フェイスブックはこのデータを目にする度に、それが誰のことであるのか認識できる…ということになるのです。

いかがですが? 今回の話は、いつも以上に不気味な話ではないですか? これが許せるか許せないかは、皆さんの判断に任せますが…今後、さらなる注目が必要なことは間違いありません。

Source / ESQUIRE UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。