知って得するか損するかはあなた次第! グーグルはいま、個人の未来を予測しようとしています。

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Google's New AI System Knows When You're Going To Die

 ちょっと、サイコパス診断テストのような内容になりますが…私たち全員が、「殺人ロボットにいつか殺されたりはしないのか!?」なんて、不安を抱いている人はいませんか?

 でも、そんな心配はこの先、必要なくなるでしょう。これは「素晴らしい!」といえるハッピーな回答ではないかもしれません…なぜなら、私たちはもう少しすると「自分がいつ死ぬことになるか?」を、グーグルが教えてくれる日がすぐに訪れそうだからです。 
 このAIは、グーグルのメディカル・ブレインAIチームである「ニューラル・ネットワーク・ソフトウェア」が開発を推し進めているところです。このソフトウェアを使うと、たとえば特定の人物の健康記録に関する電子データをスキャンし、関連するさまざまな情報と組み合わせ、その人物が手術の必要な状況で生き残る確率を予測することが可能になっているそうなのです。

 また、ある患者の入院日数を予測したり、その患者が退院後に再び入院する確率を予測したりすることも可能であるとのことなのです。 

 こうした目的に使われているアルゴリズムというものは、実はすでに存在しています。

 ただし、そのソフトウェアの有用性を明らかにしたある研究においては、これらのアルゴリズムが患者の記録に含まれる特定の変数に対して、過剰に反応してしまい、そのため「担当医師が偽のアラートを受け取ったりすることで、結果的にアラート疲れしてしまうことも少なくない」との警告を出しています。 

 またグーグルは、自社のシステムが行う個々の予測や同システムが受け取るデータから学習する能力について、かなり優れたものであることを自負しています。これはつまり予測のたびごとに、予測の精度は高まっていくということになるのです。(次ページへつづく)

開発中のシステムは、医療分野で効率的に活用されるかもしれない

 グーグルは膨大なデータの処理し、それに基づいてたたき出した予想に関して、非常に有効なものであると言っています。

 同社のシステムでは、古いカルテに記された手書きの記録さえデータ処理し、それをもとに有用な予測を行うとのこと。同時に、このシステムでは医師や看護師などに対してデータの出所を示すことで、彼らにダブルチェックができるようにすることも可能であるということなのです。 
  

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 専門誌『Nature』に掲載されたこの研究論文の共同執筆者の一人である、スタンフォード大学のニガム・シャー准教授(バイオメディカル情報が専門)は、Bloombergに対して「(データを)キッチン・シンクの中に放り込むだけで、あとは(データについて)心配しなくていいよ」とコメントしています。 

 グーグルの研究はまだ極めて初期の段階にありますが、しかし、このシステムを機能させるのに十分なデータが同社の手元に集まったときには、同社がこのシステムをさまざまな医療機関にライセンス供与する可能性について検討することでしょう。

By Tom Nicholson on June 20, 2018
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ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊