今夏アメリカでは、ホットドッグを空輸するプロジェクトが実現化するようです。
Courtesy of Oscar Mayer
これまで、SF映画で語られてきたことの多くが実現化しています。
古くは、1902年にフランスのジョルジュ・メリエス氏が脚本・監督した『Le Voyage dans la Lune(月世界旅行)』のテーマ自体である「月旅行」、これは1961年から1972年にかけて実施された「アポロ計画」で実現されています(なかには、地球のスタジオで撮影したという説もありますが…)。さらには、1968年公開の『A Space Odyssey(2001年宇宙の旅)』に登場した「スマートタブレット」、1986年公開の『エイリアン』に登場した超人的能力を発揮する外骨格(人間が操縦するパワー増幅ロボット)、1990年公開の『Total Recall(トータル・リコール)』(1990年)に登場した「自動走行車」。これは法規制さえクリアすれば、もうすぐ実現する気配ですね。また、1997年公開の『The Fifth Element(フィフス・エレメント)』に登場した「スマートホームデバイス」も、もうすぐ実現することでしょう。
しかし、1982年に公開した『Blade Runner(ブレードランナー)』に登場したような、「空飛ぶ自動車」はいまだ実現には至っていません。1989年公開の『Back to the Future Part II(バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2)』に登場した「ドローン」の実現によって、それを応用したカタチで「空飛ぶクルマ」の開発は進められていること(日本は2012年に始動した有志団体「CARTIVATOR」が開発を行っています)は、さまざまな報道で流されているのでご存じかと思います。
が、まだ、その実現には時間がかかりそうです。
そんななかアメリカでは、「ジェットパック(ランドセルのように背負ったジェットの噴射によって推進する飛行器具)」を背負って、時速100マイル(約160キロメートル)で空を飛びまわるホットドッグの配達人が登場するようです…。
この計画は、ソーセージやベーコンの販売で知られるアメリカの食品会社「オスカー・マイヤー」によるもの。
同社のホットドッグの新製品を、できるだけ多くの米国人に届けるという狙いのもと、ホットドッグを届けるための空からのデリバリーを実現させるという途方もない計画が生まれたのでした。まさに、アメリカでよく使われる慣用句「Go big or go home(大物狙いでいくか、さもなければさっさと家へ帰れ)」という感じでしょうか。
Courtesy of Oscar Mayer
テスラ社のイーロン・マスクCEOのような特別なインテリジェンス&センスをもたない皆さんのために、ここで少し説明をさせていただきましょう。
オスカー・マイヤーは元祖「ウィンナーモービル(巨大なホットドッグの形をした自動車)」をはじめ、「ウィンナーミニ」、「ウィンナーローバー」、「ウィンナーサイクル(スクーター)」、それに「ウィンナードローン」といったデリバリー手段をこれまで数多く開発してきました。これらの車輌やドローンはいずれも、同社のフランクフルト・ソーセージからつくったホットドッグを米国中に無料で配るためにつくられたものです。
そして、この目的の進化形として登場したのが、ここで紹介する個人用飛行装置「JB10 JetPack」を用いた方法です。
こちらは、2018年の夏には投入されるとのこと。オスカー・マイヤーによれば、今夏ニューヨークとシカゴでこの「ジェットパック」のお披露目イベントを行い、2種類の新製品(100%ミートのチキンドッグとポークドッグ)を含むフードの無料配布を行う予定であることを発表しています。
「消費者の多くは、混じり気のない原材料を求めている」と、ブランドマネージャーのマット・リーツマン氏はコメントしています。「2種類の新製品は、そうした声に応えるものであり、味のほうもこの世界で未だ存在しないほどの美味しさだ」と続けて語りました。
はたして日本にも、このホットドッグ配達用ジェットパックは発売されるのか気になるところ…というよりは、ぜひとも、日本上陸をはたしてほしいところです。日本では現在、ハンバーガーブームが来ているだけに、ホットドッグブームならすぐのそのお膳立てすることができるでしょう(笑)。どなたかすぐさま、投資する方はいませんか?
異端児、オスカー・マイヤーの魅力01
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
オスカー・マイヤーの販売促進およびプロモーションのツールのひとつとして、開発さホットドッグの形をしたライトバンがこの「THE WEINERMOBILE」です。初代が登場したのは1936年で、オスカー・マイヤー社長の甥であるカール・G・マイヤーの発案によるものでした。以来、何度も形を変えながら現在もオスカー・マイヤー社で使用され、現在も長距離におよぶデリバリーのために、複数台の「ウィーナーモービル」が運航されています。そして、その運転手は「ホットドッガーズ」と呼ばれ、ときおり「THE WEINERMOBILE」の形をしたおもちゃの笛「WEINER WHISTLE」を配布しています。これが実に可愛くって、日本での登場が待ち遠しいくらいです。
この「THE WEINERMOBILE」で、遠くアラスカまでホットドッグを届けた動画もあるので、ご覧ください。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力02
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
2008年に登場した、MINIによるウィンナーモービル「THE WIENERMINI」。限られた地区にはなりますが、お急ぎのデリバリー時に大活躍します。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力03
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
【閑話休題】
犬用のウィンナーモービルの着ぐるみもあるようです。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力04
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
渋滞と複雑な道の組み合わせに効率よく対応できるのが、このホットドッグ・バイク便「THE WIENERCYCLE」です。ベスパタイプのスクーターがサイドカー形式に改造されています。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力05
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
こちらは、オフロードでの宅配のために開発された「THE WEINERROVER」です。リモコンによる操縦になります。なので、宅配範囲は限られているようです…。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力06
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
【閑話休題】
ウィンナーモービルの乗用おもちゃもあります。大きさの差はご覧のとおりです。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力07
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
そしてこちらは、2017年に都市型のデリバリーツールとして開発された「WIENERCYCLE」と同時に発表されたのが、この「 WIENERDZRONEZ」です。リモートロケーション配信用に設計された、最初の無人ホットドッグ搭載航空機になります。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力08
Courtesy of Youtube@oscarmayer
それでは「THE WEINERDROME」でのデリバリーの様子を、デモンストレーション動画でご覧ください。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力09
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
【閑話休題】
まさにホットドッグです。こちらは、オフィシャルに発売されているものかどうかはなぞです。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力10
Courtesy of Twitter@oscarmayer
そして2018年夏、6月8日のオスカー・マイヤーのTwitter公式アカウントになにやら怪しいティザー動画は登場したのです。最初は単に、自動車レースのスポンサーになったのかと思わせたのですが、オスカー・マイヤーはそんな単純な会社ではなりません。さらに6月18日、6月22日と立て続けに投稿されています。
と、Youtubeの公式チャンネルをチェックしてみれば、2018年6月8日にこちらの動画が公開されていました。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力11
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
そして、さらに2018年6月18日にはこちらのロングバージョンの動画が…。これで全容が理解できるでしょう。
異端児、オスカー・マイヤーの魅力12
Courtesy of Instgaram@oscarmayer
【閑話休題】
こちらが無料で配られる「WEINER WHISTLE」です。このようにオスカー・マイヤーは創業以来、われわれに美味しさと同時にワクワクする歓びを与え続ける異端児的会社なのです。日本上陸をぜひとも期待しております。
By Madison Flager on June 20, 2018
Photos by Courtesy of Oscar Mayer
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊