東京大学の研究チームが開発した新たなガラスは、「割れても常温で自己修復できるものだ」ということ。これでスマートフォン画面などへの活用が期待されています…。

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 割れても自然修復するガラスに注目!

「携帯電話を落として画面が割れた」というアクシデントは、多くの人が体験したことがあることでしょう。しかし、革新的な最新技術によって、こんな悩みも過去のものとなるかもしれません。 

 そんな革新的技術が、こちらの割れても大丈夫な「自己修復ガラス」です。開発したのは日本研究チームで、将来的には携帯電話のスクリーンにも採用できるということです。 

 このガラスは、「ポリエーテルチオ尿素(polyether-thioureas)」と呼ばれる素材でできています。軽量ポリマーからなるこの素材は、割れた場合も互いの割れ目を手で押し当てることによって再び貼りつくことができるのです。 

 こういった自己修復する素材は、ゴムやプラスチックでは目新しいものではなく、かなり以前から存在していますが、「ポリエーテルチオ尿素」がこういった素材とは異なって素晴らしい点があります。それは、この素材が元々は硬い物質であるということ。にも関わらず、常温で自己修復するのです。

 つまり、これが携帯電話に採用されれば、ユーザーは画面が割れても、手の体温を用いて温めるだけでけで元に戻すことできるという筋書きです。(次ページへつづく)

 持続可能な社会の実現に貢献!

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写真:良く見受けられる、スマホの画面の割れ方。東大研究チームによる、この素晴らしい開発に世界が注目しています。Photograph / Getty Images 

  
 今回の研究は、東京大学の相田卓三教授が率いたもので、その研究論文は先ごろ「サイエンス」誌に掲載されました。 

  
 この論文「mechanically robust, readily repairable polymers(頑丈な構造ながら、容易に修復できるポリマー)」の中で、同研究チームは自己修復ガラスについて「携帯電話のスクリーンなどに活用できる可能性があり、持続可能な社会の実現に貢献する」としています。 

 また、この素材については、「破断面を押し付けることで、容易にくっつけることができるもの」と説明しています。 

 ただし、携帯電話向けに自己修復する素材が開発されたのは、今回が初めてではありません。LGでは2015年、スマートフォン「G Flex 2」の背面カバーを自己修復素材でコーティングしています。これは引っかき傷程度の細かな傷なら、放っておけばなくなるという素材でした。 

 ですが、この新たなポリマーガラスは、これよりも大きなダメージにも対応し、修復できる見込みでいます。これでお酒に酔っているときなどでも、かなりリラックスして携帯電話がいじれるというものです…。


By Louise Mccreesh on December 19, 2017
Photos by Getty Images
ESQUIRE UK 原文(English)

TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。


編集者:山野井 俊