イーロン・マスク氏が手がけるスペースXは、新たな民間月旅行の計画について明かしました。
SpaceX
Elon Musk And SpaceX Want To Send You To The Moon On A ‘Big F***ing Rocket’
皆さん想像してみてください。
あなたがイーロン・マスク氏と宇宙船に乗り、星々の間を駆け巡りながら葉巻を回し吸いするところを…。夢のような体験だとは思いませんか?
とはいえ、実際マスク氏の航空宇宙企業であるスペースXの次なる野心的プロジェクトが実現すれば、この夢は現実になるかもしれません。…というのも、スペースXは2018年9月14日(米国時間)、自社の新ロケット「BFR」を使った民間人による月旅行を計画していることを発表したのです。
「BFR」は「Big Falcon Rocket(巨大なファルコンロケット)」の略ですが、スペースX社内では「Big Fucking Rocket(クソでかいロケット)」の略とも言われます。このロケットはまだ軌道に打ち上げられたことはなく、そのデザインや仕様についてはほとんど知られていません。ですが、この重量級ロケットは将来的に乗組員や貨物を月や火星に運ぶために利用される予定です。
以下がスペースXの発表です。
【スペースX社のツイート】
スペースXは、BFRロケットに乗って月を周回する世界初の民間旅行客と契約を結びました。これは宇宙旅行を夢見る一般の人々に、実際にアクセスを可能にするための重要な一歩です。旅行者の詳細については、9月17日に発表します。
また同社は、この発表に続き「歴史上月に行ったことがある人間は24人だけです。1972年の最後のミッションが終わってからは、誰も月を訪れたことはありません」とツイートしています。
世界初の民間旅行客は、ZOZOTOWNでお馴染みの前澤友作氏
スペースXは、このプロジェクトの具体的な日程については明かしていません。ですがマスク氏は、長年にわたって「月への周回旅行を実現する」と豪語してきました。2017年には、複数の民間人からアプローチを受けたことを明かしていましたが、その名前については公表していませんでした。
当時のマスク氏は、「彼らは本当に真剣に考えています」とし、「われわれはおそらく来年の第4四半期に計画を実行する予定です。『Dragon2』宇宙船と今夏に初の打ち上げを予定する『Falcon Heavy』ロケットを使う見込みです」と語っていました。
この数カ月、マスク氏は多くの論争に巻き込まれトラブル続きでしたから(ほとんどは身から出た錆とも言うべきトラブルでしたが)、今回のエキサイティングな発表はこういったトラブルから世間の目を反らしてくれるかもしれませんね。これまでの考えを改めて、新たな一歩を踏み出すべきタイミングなのかもしれません。
2018年9月17日(米国時間)にマスク氏は、「BFR」ロケットに乗って月を周回する世界初の民間旅行客を発表しました。
気になるその人物とは、なんと日本人実業家の前澤友作氏でした。前澤氏はオンラインアパレルショッピングサイトを運営する株式会社スタートトゥデイの社長として知名度があり、自家専用機や高級芸術品を購入したことのある億万長者です。
写真:マスク氏とがっちり握手を交わす前澤氏。Photograph / Getty Images
宇宙旅行の費用がいくらかかるのかはまだ明らかにされていませんが、一般人が払える額ではないことはたしかなことではないでしょうか。今回のプロジェクトを発表できたことを、マスク氏は心から喜んでいることでしょう。今後のスペースXの活動に引き続き注目してみましょう。
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By Nick Pope on September 14, 2018
Photos by SpaceX and Getty Images
ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊