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米社が新たな宇宙航空機を開発中!有人宇宙飛行用に設計

(空中発射ロケットによる宇宙輸送を業務とする)米国ストラトローンチ・システムズ社のデザインした巨大航空機は、人工衛星の空中発射でその実力を証明しました。次は、人間を乗せて宇宙を目指すとのこと。

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STRATOLAUNCH SYSTEMS

 「翼幅117メートルの巨大航空機が、空中発射式ロケットの打ち上げをする」と聞かされては、宇宙に対する人類の飽くなき情熱にいやでも感動させられてしまいます。

 社名と同じ「ストラトローンチ」という名で呼ばれる巨大航空機を完成(まだ完成とは大きな声では言えませんが…)させた「ストラトローンチ・システムズ」社が、いよいよそのロケット発射の実力を私たちに示す日が来たようです。 

 同社の航空機は、(ステージアップすべき)今後の人類の宇宙旅行の期待も無限に背負っています。

新たなる、空中輸送の王様

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Stratolaunch World's Largest Airplane Launching Dreams
Stratolaunch World's Largest Airplane Launching Dreams thumnail
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 Microsoft共同創業者のポール・アレン氏が携わる企業であるストラトローンチ社の設計したこの機体は、人工衛星の発射装置として完璧な実力を備えています。 

 地上から7、8000メートルから1万メートル前後までの高さを意味する高高度の上空から、衛星軌道に向けて人工衛星を打ち上げる空中発射システムによって燃料コストの削減も可能にしています。そしてさらに、お次は巨大ロケットに乗客を乗せて宇宙旅行を体験させようと言うのですから注目しないわけにはいきません。

人工衛星の打ち上げは、もっと身近なものになる

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Courtesy of STRATOLAUNCH SYSTEMS

 同社によれば、人工衛星の発射については4種類の異なる機体が使われるそうです。

 まずは2020年に初打ち上げが予定されている「ペガサス」ですが、その後には、さらに巨大化の計画が待っています。370キロのペイロード(有効荷重)を備える「ペガサス」の実力を遥かに凌ぐ、3400キロのペイロードを持つ中型の空中発射ロケットが、早ければ2022年に発表されると言うのです。さらに大型の機体も予定されているとのこと…。

 ロケットの巨大化が意味するのは、今後、ストラトローンチがより高価で重要度の高い人工衛星の打ち上げを可能にしてゆくということになります。「重量さサイズに関わらず人工衛星の打ち上げは、近い将来、空の旅のように身近なものになってゆくでしょう」と宣言するのは、ストラトローンチ・システムズ社のCEOジーン・フロイド氏です。

 同社は常々、有人宇宙飛行を目指していると発言してきましたが、ついにその日も近づいています。第4のロケットとなるスペースプレーンは人工衛星などの軌道投入能力に加え、乗客を宇宙へと案内する能力を持つことになるようです。

操縦士不要の旅客機

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Courtesy of STRATOLAUNCH SYSTEMS

 再使用可能な宇宙船は、非常用の輸送機として理想的な能力を備えています。代替となる人工衛星を軌道投入することも、また、自らが人工衛星としての役割を担うことも可能なのです。 

 ボーイング社の「無人スペースプレーンX-37B(USAF X-37B)」は既に衛星軌道上にあり、極秘任務を遂行中とのことです。 

 ストラトローンチ社は比較すると、極めてオープンな姿勢を示しています。衛星軌道上の物体の回収も可能とのことなのです。宇宙ステーションへの輸送機としての役目を果たし、そこでの研究成果を地球上の研究室に持ち帰ることも可能でしょう。 

 有人宇宙飛行を行うスペースプレーンは、パイロット不在のドローンとなる予定です。ストラトローンチ社は当初から有人宇宙飛行を目指して、このスペースプレーンの計画を進めてきました。同様に、スペースX社もまた同社の宇宙輸送カプセルを、先々の有人飛行を見据えたデザインにすることによって、開発期間の短縮を目指しています。 

 ストラトローンチ社の計画はその発足段階から、かなり野心的なものでした。 

 他の宇宙関連のプロジェクトと同じく、この計画も今後の変更、遅延、場合によっては中止の可能性も秘めています。しかし、競合となる他社による有人宇宙飛行の計画が発表されたことで、業界全体にさざ波のような静かな好影響が現れているようです。

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空白を埋める

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Courtesy of STRATOLAUNCH SYSTEMS

 上の写真は、アメリカ・フロリダ州ケープカナベラルのメリット島にあるアメリカ空軍施設で、アメリカ国防総省の宇宙ロケット打ち上げ基地としても大きな役割を担うケープカナベラル空軍基地。そのの敷地内に埋め込まれた、2011年に最後の打ち上げとなったスペースシャトルの着陸を記念する刻板です。 

 業界のさざ波は、大抵まずはフロリダへと伝播します。 

 ストラトローンチ・システムズ社は、「明日へと続く滑走路」とも呼ばれるケープカナベラル空軍基地の隣りに位置するケネディ宇宙センターで、長距離の特別滑走路を使用することになっています。滑走路は常に、その借り手となる契約相手を必要としています。離着陸をおこなうミッションの有無は、このセンターにとって死活的問題となるからです。

 ストラトローンチ社の巨大航空機は垂直発射用の設備を用いずに、大西洋上空へ向けて滑走路を使用します。ロケット発射施設を塞ぐことのない「ストラトローンチ」は、ケープカナベラル空軍基地との相性が最高なのです。 

 次から次へと新たな「スペースポート(商業用宇宙港)」がアメリカ各地に、そして世界中に誕生しており、「ストラトローンチ」はいくつもの母港を利用することができるようになりました。 

 まさについ先日、コロラドにあるフロントレンジ空港がアメリカ連邦航空局により11番目のスペースポートとして認定されたばかりです。それら認可を受けたスペースポートは、そこを利用するロケット会社の誘致に余念がありません。ですが、世界最大級の機体を持つ「ストラトローンチ」を受け入れるのは、そう簡単なことではないようです。

低コストな宇宙への飛行を可能に

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Courtesy of STRATOLAUNCH SYSTEMS

 しかしながら、「ストラトローンチ」の新型スペースプレーンの登場が、いくつかのスペースポートに対して有効活用の機会を生むことになるでしょう。

 ロケットとは異なり、「ストラトローンチ」はどこにでも着陸が可能となっているのです。例えば、「ストラトローンチ」が宇宙空間からコロラドのスペースポートに持ち帰った科学実験の成果物が、デンバーに拠点を置く組織の研究者の手元に届けられることになるのです。

 これらスペースプレーンの存在が、ストラトローンチ社の中心的事業になります。創業者であるポール・アレン氏は、2012年に「ストラトローンチ」について次のように語っています。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Stratolaunch Is Ready To Fly But Still Doesn't Have a Viable Rocket
Stratolaunch Is Ready To Fly But Still Doesn't Have a Viable Rocket thumnail
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「この新型航空機が、安全かつ便利であり、そして低コストな宇宙への飛行を可能にするのです」と…。どうやらストラトローンチ社は、その宣言の実現どおりに着実にゴールへと近づきつつあるようです。


From POPULAR MACHANICS
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。

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