おそらく先史時代において、最も疑問視された(ときに馬鹿にされた)身体的特徴は、ティラノサウルスがもつあの小さな腕ではないでしょうか? 世にも恐ろしい肉食恐竜の唯一の弱点ともいえるあの小さな腕は、“使えない武器”として描写されることもしばしあります。

 しかし、新しい研究でT.レックスのその小さな武器こそが、実は重要な目的をもっていた可能性があることがわかってきたのです。それは彼らにとっての栄養補給、 獲物の"悪質な狩り"にぴったりなのです。

 T.レックスに対するこの腕に対する見解は、1874年に骨が発見されて以来、大きく変わってきているのは事実です。たとえば、進化のある時点まで羽根が生えていたとにも言われています。また、彼らは直立歩行者ではなく、捕食者でも腐食動物(スカベンジャー)でもあったと言われています。そして、強力な頚部筋肉をもった彼らには、狩猟の際に長い腕は必要ではありませんでした…。

 ハワイ大学マノア校のスティーブン・スタンレー教授はこう言います、

「武器として可能な機能かの提案はほとんど問題ではありません。 もともとティラノサウルスの祖先は、獲物を掴む上で最適な長い腕をもっていたのです」

ひっかくためには、長い腕は必要なかった…。
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 しかしスタンレー教授は、T.レックスの上向きの腕には、武器のレパートリーとしての重要な6つの理由があると考えています。
 

「彼らの短い腕は、切り払う際に役に立ちます」と、スタンレー教授は力強くおっしゃります。

 長所は、T.レックスの肩と上腕二頭筋をつなぐ烏口突起。彼らのサイズをわかりやすく説明すると、6フィート(約182cm)のバスケットボール選手の少し長い脚を想像してみてください、胴囲も同じくらいです。  

 T.レックスの指は2本指でしたが、それぞれに強い力を加えることができたと推測しています。そしてスタンレー教授は、「ひっかくために幅広い範囲まで移動することができるよう、球関節になっている」ということを指摘しています。

 そして最終的に、スタンレー教授は「巨大な(約8-10cmの)鎌状の爪が、深い傷を作っただろう」と述べています。

 
 スタンレー氏は、彼らが物理的にひっかくような行為をしなかったと推測する理由はないと言います。肉食恐竜であるT. レックスは共食いもしますし、食べたくなった獲物を探しては、それを丁寧に食べていたと推測もしています。

 この動物たちがどこでテロを起こしたか(狩りをし、食べていたか)を知りたい場合は、地球上で発見されたすべての恐竜の場所を示した特別な地図もありますので、ぜひご覧ください。

From POPULAR MECHANICS(原文:English)
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。