皆さんの中には、宅配で注文したハンバーガーを冷めないうちに届けようと、薄給でありながらもその約束を守ろうと自動車の海を身を挺しながら泳ぎ抜いてくるデリバリースタッフに対し、倫理的に「申し訳ないなぁ!」と幾ばくかの罪悪感を抱きながら到着を待つ人もいることでしょう。

 そして、そんな罪悪感を一掃する解決策を、Uber(ウーバー)は用意しているようです。

 同社はドローンによるデリバリーを実現することで、人手を使うデリバリーに関する懸念をなくそうとしています。ですが、ドローン・デリバリーが実現すれば、また別の種類の倫理的な問題が生じることになりそうです。

 ウーバーのCEOダラ・コズロウシャヒ氏によれば、同社が運営するアプリで注文するとできたてのメニューを配達するというサービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」では、ドローンデリバリーの実験を米サンディエゴで実施する予定であり、政府当局からの承認もすでに得ているそうです。

 このサービスでは、ユーザーは「ボタンを押すだけで、注文した食べ物を玄関先まで届けて貰うことが可能になる」と、コズロウシャヒ氏は2018年5月8日から2日間にわたり開催された、「Uber Elevate」カンファレンスで語っていました。

 コズロウシャヒ氏によれば、「このサービスが実現した場合は、ドローンによって“5分以内”にデリバリーできるようになる可能性がある」とのことです。

空飛ぶハンバーガーは実現されるのか?

 トランプ政権のもとで、米運輸省は数多くのドローンの商用利用実験に許可を与えてきています。これらの実験のなかには、フェデックスやインテルなど複数の企業が全米各地で実施するものが含まれています。

 たとえばフロリダ州リー群で行われる予定の実験では、害虫駆除のために重さ680キログラムのドローンが使われることになっています。

 「都市部での交通問題を解決する鍵は、ハンバーガーの空輸にあると私個人は考えている。われわれには空飛ぶハンバーガーが必要だ」と、コズロウシャヒ氏は述べています。

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 ウーバーの空飛ぶ自動車をテーマにしたカンファレンスに話を戻すと、同社では他の企業のほかNASAや米軍とも提携しながら、2020年を目処に空飛ぶ自動車の実験を実施したい考えであるそうです。

 ウーバーの自動運転車の実験がうまく言っていないことを考えると、この「2020年実施」という目標はかなり楽観的と言えます。同社では2018年3月には、アリゾナ州テンピで実験走行中の自動運転車が歩行者を死亡させてしまうという事故がありました。それ以来、自動運転車の走行実験を全面的に停止しています。

 人々の生活を合理的なものにしてくれるも、さまざまな問題も山積みとなっているウーバーの取り組み…今後もAランクで注目すべき項目です。

Source / ESQUIRE UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。