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スライムが海軍の秘密兵器に! 米海軍はヌタウナギをヒントに開発中

「ヌタウナギ」と言って、見た目はウナギのようですが…実はウナギとは別の生きもで、「円口類」に分類されます。背骨やあごがなく、皮膚は粘液に覆われているのが特徴。深海に住み、大型動物の死骸などを食べているそうです。そんな生物からヒントを得た「合成スライム」は、「敵船を水中で足止めをするための、強力な武器になる」と米海軍は言っています。

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Water, Hand, Finger, Glass,
U.S. NAVY

 米海軍は敵の船を停止させるための武器として、合成スライム兵器の開発を進めているのです。

 この兵器は、粘液によって捕食側の生物の口やえらを詰まらせる「ヌタウナギ」の習性にヒントを得たものであり、海水と接触すると元のサイズの1万倍にも膨張するというものなのです。

「研究者たちの間でヌタウナギの粘液は、自然界の生体材料の中でも最もユニークなものとされてきました」と話すのは、マテリアルエンジニアでこのスライム兵器の共同開発者であるライアン・キンサー氏です。

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Courtesy of U.S. NAVY / Ron Newsome

「戦略的な見地からも、『希釈濃度によって水の性質を変化させることができる物質』というのは、とても面白いものとなるでしょう」とキンサー氏は言います。

「ヌタウナギ」の粘液は、タンパク質をベースにした「繊維」と、動物の上皮細胞などから分泌される粘液の主成分として考えられてきた粘性物質「ムチン(mucin)」の2つの成分で構成されています。コイル状の繊維はバネのように機能し、水に接触したときにほどけるようになっており、クモの糸やケブラー(=米デュポン社が開発した特殊繊維。防護服やゴム製品などの強度を高めるために使用されている)にも似た性質を持っています。

「ヌタウナギ」が粘液を吐き出すと、「ムチン」が水と結合して「繊維」が周囲に分散されます。それによって、その周辺の水の流れを制限するわけです。

Hand, Event,
Courtesy of U.S. NAVY / Ron Newsome

 さらに、「繊維とムチン、海水の相互作用が3次元の粘弾性ネットワークを構成します。時間とともに繊維は自然に崩壊し始め、粘液はゆっくりと散っていきます」と、キンサー氏は説明します。

 キンサー氏と生化学者のジョシュ・コゴット氏は、この粘液を人工的に作成しています。そして、不審な船や敵船のスクリューに絡ませて停止させる兵器として利用できないか研究を繰り返しているのです。現在、海軍は空気圧で飛ばしたプラスチックロープをスクリューに絡めてボートを停止させているのですが、この方法はリスクもあり、また、非効率的なものと考えられているのです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
 thumnail
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コゴット氏は、「合成ヌタウナギ粘液は防弾や消火活動、汚損防止、ダイバー保護やサメ用スプレーなどに利用できる可能性があり、無限の可能性があるんです」と期待に胸膨らませ語ってくれました。


SOURCE : U.S. Navy
From POPULAR MACHANICS 
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。

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