東京大学大学院生が電気工学技術の観点から、ロボットの歩行の概念を覆すプロトタイプを製作したのでした…。
Courtesy of Azumi Maekawa(via YouTube)
This Walking Robot Cuts Corners By Just Flying
ロボットの研究は日進月歩、日々、その進化を止めることはありません。米国のロボットの研究開発を手掛ける大手企業ボストン・ダイナミクス社でも、2足歩行ロボットの後方宙返りの開発が進んでいるようです。
そんななか、2足歩行ロボットに別の観点からアプローチをかけた研究をしていたのが東京大学大学院の研究者・前田和純さん。
従来のロボットは、歩行や歩行による転倒が大きな難題でした。
しかし、前田さんはその問題を回避するため、上半身(頭)に4個の回転翼をもつクワッドコプターを搭載したのです。それにより、下半身でバランスをとる状況から解放され、2本足を自由に動かすことのできるロボットが開発されたのです。その名は「Aerial-Biped」となります。
「Aerial-Biped」は歩行を主要手段として、動く移動体ではなく、現在の2足歩行ロボットの範囲を超え、歩行を装った設計になっています。その結果、ロボットの歩行をサポートするのに十分ではない、歩いているようにみえる脚をつけたエンターテインメントロボット、または通常のロボットができる動きやダンスの範囲を超えた動きをするロボットが、ここに発明されているのです。
『IEEE Spectrum』のインタビューで研究者の前田さんは、アニマトロ二クス(ナチュラルな動きをする製作技術)の可能性について以下のように話しています。
「現在はプロトタイプの段階にありますが、将来はパフォーマンスやアニマトロ二クスなどのエンターテインメントアプリケーションを検討しています。歩行に加え、さまざまなジャンルのダンスを含む、思い通りの動作を示すことができる2足歩行ロボットの開発を目指しています」と。
「Aerial-Biped」の動きをご覧ください
この研究は世界から注目を浴びており、米国電気工学技術の学会誌『IEEE Spectrum(アイ・トリプルイー・スペクトラム)』に掲載されています。また、2018年6月8日~17日まで東京大学の生産技術研究所による「動きをうごかす展」にて展示され、実際の動きを見ることもできました。
この電気工学の新たな挑戦に、今後も期待を高めながら応援していきましょう。
POPULAR MECHANICS(原文:English)
By Eric Limer
Aug 17, 2018
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Kaz Ogawa