365日アウトドアな男の物語ー「旅は人生」→「人生は旅」にした欲望の行き先

By エスクァイア編集部公開日:2018/07/30

男性なら、一度は憧れたことがあるかもしれません。スーツや人のしがらみから離れ、悠々とした自然のなかで暮らすことを…。ですが、いまの暮らしを一新する勇気を出すのは、なかなか難しいかもしれません。ですがジェイソン・ヒュンメルさんは、その生活を理想のままで終わらせませんでした。彼は物質的欲望を満たすのでなく、精神的欲望を満たすことを優先したのでしょうか。ここに、その理想を実現した男の物語をご紹介しましょう。

※この記事はジェイソン・ヒュンメル（Jason Hummel）さん本人による寄稿です。

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STEVE MAKOWSKI

　30歳のとき、私は人生の岐路に立っていました。

　右に行くと従来の生活のままです。左に行くと夢の道へ続くのです。それはまるで強い逆風で、2009年の大不況のようでした…。ですが、間違いなくそれは私を自由にするものだったのです。

　金融市場におけるキャリアから追われることと、親友ベンを失ったこととが相まって、私はある計画を策定したのです。ベンの死に敬意を表するためにも、私は彼のカメラを甦らせたかったのです。

　そして私は、フォトグラファ－としてのキャリアを始めました。大自然は私の財産となったのです。私の冒険（人生）は当然、浮き沈みしています。

　いまはどんな目的地でも、そこを立ち寄り先に決めたら、私の目はコンパスとなってRV（Recreational Vehicle）とともにそこへ行きます。道のりの様子は物理的な状況うんぬん以上に、人生そのもののだと感じているのです。フォトグラファーとしてのオフィスもそこです。基本的な住まいもそこになります。それが現状の私のライフスタイルなのです。

　山々から家に帰って、画像を処理することはもうありません。私の背丈より5cmほど小さく見える普通のクルマで寝ることもなく、遠くの登山口まで深夜にドライブをすることも必要なくなりました。いまの私は家とともに動き、冒険を終えたとしても、いつまでもそこにいることができるのです。