皆さんの旅行への強い情熱を打ち消すようで申し訳ありませんが、これはお伝えすべきことなのです。

 旅行好きの皆さんですので、空港のセキュリティゲートで持ち物検査のときに使用するプラスチックのトレーはすぐにイメージできることでしょう。空港に行くたびにケータイや財布などの持ち物を取り出し、X線に通すために置くトレーのことです。これは実は、シャレでもなんでもなく、トイレよりもたくさんのバイ菌が付着していることが明らかとなりました。 

 学術誌「BMC Infectious Diseases」に掲載された新たな論文によれば、フィンランドにあるヘルシンキ・ヴァンター国際空港内でさまざまな設置物の表面から、よくある風邪やインフルエンザの菌など、さらには呼吸器系の病気の原因となるウィルスなどなど、なんと10種類も見つかったそうなのです。

 この論文をまとめた研究者らは、2015年から2016年にかけてインフルエンザがもっとも猛威を振るっていた時期に、何度か同空港に足を運びんで朝・昼・午後のラッシュ時の直後にそれぞれの病原菌のサンプルを採取したそうです。 

 その結果、セキュリティチェックのゲートで使っている持ち物検査用トレーに、もっともたくさんの病原菌がいることが明らかになったのです。 

 この調査で見つかったバイ菌の種類も、空港内にあるトイレの便器やエレベーターのボタン、自動チェックイン機などよりも、セキュリティゲートの持ち物検査用トレーのほうが多かったそうなのです。そこで見つかった病原菌は、風邪やインフルエンザ、気管支炎を引き起こす可能性があるものでした。もし旅先で病気が発症してしまったら、折角のバケーションが台無しとなりますので…。

セキュリティチェックで登場する荷物検査用トレーの様子

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Checkpoint security airport - Return automatic tray - ALFYMA
Checkpoint  security airport - Return automatic tray - ALFYMA thumnail
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 今回の論文によれば、持ち物検査用トレーにたくさん病原菌がいるのは、空港を利用するほぼ全員が触れるためであるようです。また、トイレとは違って、持ち物検査用トレーはめったに清掃されないということからだそうです…確かに。

 この点について空港側は、ハンド・サニタイザー(手指消毒液)を提供し、頻繁にトレーを除菌することで、病原菌の拡散を止められると研究者らは示唆しています。
 

Shoe, pinterest

Photograph / Getty Images  

 
 もちろん、これは特定の空港で行った調査で明らかになった結果に過ぎず、世界中のどの空港も同じような状態であるとは必ずしも言えません。ただし、考えてみてください。空港のセキュリティゲートのところで、手を消毒している人を皆さんは見かけたことがありますか? 今までにそんな場面に出くわしたことは、おそらくないことでしょう。 

 皆さんがどこに居ようと、ご自身の手を洗い、病気にかかる可能性を減らすということこそ最善の方法であることが確認できたことでしょう。今度、空港に行かれる予定がある方は、持ち物検査用トレーに触る前によく消毒した上で触れてみましょう。そして、触れたあとも消毒することをおすすめします。


From Esquire US 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。