もしもあなたが幸運な部類の人であるなら、若いうちから欧州主要都市をいくつも訪れたことはあるでしょう。
ローマのコロッセオで皇帝気分を味わったり、パリのストリートを詩人になったつもりで歩いてみたり、ダブリンで思う存分飲み食いをしたかと思えば、アムステルダムではハイになり、そしてベルリンでは、歴史が残した爪痕に感傷な気分になる…などなど。
思いついたままにいくつもの旅を終えたとき、あなたは満足した自分を確認するためにも、こうつぶやくでしょう…「もうヨーロッパ大陸で訪れるべき場所はないな」と。ですが、それはどんな人生にもありがちな、思い込みの1つにしか過ぎません。
過去10年、欧州の小国たちは重要な観光地としての自国の魅力を強くアピールしてきました。そうして今日、クロアチアやポルトガル、チェコなどの各都市は、その豊かな文化や歴史、夜遊びの魅力といった点で、フランスやドイツ、イタリアなどの都市にも匹敵するほどの観光地として認識されるようになってきたのです。
そんな欧州の小国の中でも、このところ流行に敏感な若手旅行者たちから注目を集めているのが、間違いなくスロベニアなのです。インスタグラム上では、スロベニアの美しいブルーの湖や、みずみずしい山々の写真が続々と登場し始めています。アルプスとアドリア海に囲まれたこの国は、自然を求める人にもラグジュアリーな体験を求める人に魅力たっぷりなのです。
今回はスロベニアの首都リュブリャナと、人気リゾート地であるブレッドをご紹介いたしましょう。
首都リュブリャナの魅力
スロベニアを訪れるなら、最初の滞在地は首都のリュブリャナになることでしょう。
欧州で10番目に小さな首都であるリュブリャナは、人口28万人の都市です。この街は、2007年には旧市街を大気汚染から守るための新たなプログラムを実施して緑化を推進し、9年後の2016年には「欧州グリーン首都」賞を受賞しました。
活気あるリュブリャニツァ川沿いを歩いてみれば、まさに「クリーン&グリーン」という言葉が浮かんでくるような雰囲気で、リュブリャナがこの賞を受賞できた理由が容易にわかるでしょう。また、多くの素晴らしい都市と同じように、リュブリャナはユニークな橋の数々を大事にしており、旅行者はこの橋を渡って街をのんびりと行ったり来たりできます。
1つ訪れるべき場所を挙げるなら、この川を北に行ったところにあるメテルコバ シティです。ここは「自治に基づくリュブリャナの社会・文化センター」を称するエリアで、1993年から街のアーティストコミュニティーが共産主義時代の刑務所を不法占拠(スクワット)して活動しています。
ちょっと変わったものが見たい場合は、金曜日か土曜日の夜にビールを飲みに行くのがいいでしょう。あるいは、お昼に行って街歩きをし、素晴らしいストリートアートを楽しむのもオススメとなります。
リュブリャナのホテル&レストラン
ロケーションが抜群の5つ星ホテルなら、「インターコンチネンタル リュブリャナ」で決まりでしょう。
期待通りの設備が整った客室は当然ながら、このホテルには他に2つの大きな魅力があります。1つ目は18階の「Saruna Wellness」スパで、ここでは美しいアルプスの景色を楽しみながら泳ぐことが出来ます。2つ目は、ルーフトップテラスがついたレストラン/バー「B」です。食べ物も最高ですし、スタッフのサービスも記憶に残ることでしょう。
英国の法律には、「城がある都市に行って、これを訪れないようなことがあれば、帰り道に打ち首になる」というようなものがありますが、リュブリャナを旅する場合にも同じ、城を訪れないわけにはいきません。
実際、リュブリャナにあるのはヨーロッパでも最高の城の1つで、まさに「伝説の城」といった佇まいで大きな丘の上に立っています。
ここに入る「Restaurant Strelec」はこの街でも随一のレストランで、初めてスロベニア料理を味わうには理想的なお店です。スロベニア料理は、ザワークラウトのスープからイドリア風ダンプリング、「プリモリェ」イカ、オーブン焼きイワシまで、驚くほど多様で満足感が得られること間違いありません。王の要塞でこういったメニューを楽しめるというのはまさに格別でしょう。
ブレッド湖
ヨーロッパの隠れた人気避暑地と言えば、スロベニアが誇るブレッド湖なのです。ブレッド湖はリュブリャナから列車でしばらくの距離にあり、スロベニアを旅行する人が絶対に訪れるべき場所です。列車の窓越しに見える景色が素晴らしいので、できればバスでは行かないほうがいいでしょう。後悔することになります(船でもありません)。
ここでは荘厳な山々を背景に、完璧なターコイズブルーの湖が広がります。
長さ約2130メートルの湖は、泳いだりボートで渡ることもできますし、湖岸や木の桟橋、あるいは周囲に点在する並木の間の見晴らしのいい場所から景色を楽しむのもいいでしょう。そして、それだけではありません。この湖の中ほどには小さな島があり、ここには1655年に建てられたフォトジェニックなバロック様式の教会があります。ありえない絶景に、写真を撮りまくってしまうこと間違いなしです。
ブレッド湖近辺のホテル&レストラン
「グランド・ホテル・トプリッツェ」はその名の通り、クラシックな魅力のあるダイニングルームやラウンジを備えた高級ホテルです。
ブレッドの街には十分な数のホテルがありますが、リッツやサヴォイのような、ある程度ラグジュアリーなホテルを求めるなら、ここが唯一の選択肢と言えます。
このホテルはレストランの評判の高さで世界的に人気となっていますが、何より最高なのは、ボートを備えるプライベートスイミングエリアでいつでも湖に飛び込むことができることなのです。
ホテルからすぐ歩いたところには、木製のひさしが目印の「Caffe Peglez'n」があります。今にも壊れそうな古い建物ですが、一目見れば長年愛されてきた素晴らしいカフェだということがわかるでしょう。シーフードプレートやシンプルなパスタは絶品です。
…というわけで、スロベニアならではの美しい自然や急成長するラグジュアリーシーンの魅力が伝わったでしょうか? 夏休みの旅行先候補のひとつに、確実に入れるべきです!!
Source / ESQUIRE UK
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。