地上320kmの軌道を周回し、「世界初のラグジュアリースペースホテル」と銘打つオーロラステーションが、ついに予約を開始しました。

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The Aurora Station

A Luxury Space Hotel Is Taking Reservations for Anyone Who Wants to Get the Hell Off This Planet

 バケーションの旅先として、1日16回の日の出と日の入りが楽しめる場所があります。そこはは間違いなく、これまで観たことのないような最高の星空を体感させてくれるでしょう。さらには、その周囲数百キロメートルを見渡しても、その範囲にいる人間はほんのわずか数人なのですから…その喜びは格別であること間違いなしです。 

 そう、そんな史上最高の宿泊施設が、このオーロラステーションです。地上320kmの軌道を周回し、「世界初のラグジュアリースペースホテル」と銘打つこのホテルは、このたび予約を開始しました。 

 この旅行は「片手にダイキリを、もう一方の手に日焼けローションを」といった、月並みなビーチ旅行とはまったく異なります。

 こちらのステーションを運営するオリオンスパン社(以下、オリオン社)の創業者であるフランク・バンガー氏は、「これは宇宙飛行士になる体験なんです」と語ります。このステーションには、1回に6人までのゲストが12日間滞在でき、旅行参加者はプライベートジェットサイズのモジュールの部屋を予約する前に、3カ月間の集中的な宇宙飛行士訓練を受けなければなりません。この訓練は生き残るための離着陸のスキル、不測の事態が発生した場合のためのコンティンジェンシー・トレーニング(緊急時対応の訓練)など、かなり本格的です。 

 総合情報サービス会社「ブルームバーグ」によれば、オーロラステーションは2021年に宇宙に打ち上げられる予定となっており、ホテル事業は翌年から開始されると言います。ちなみに気になる価格ですが、1人につきデポジットが8万ドル(約850万円)で総額は950万ドル(約10億円)、一泊あたりに換算すれば79万2000(約8500万円)ドルになります。 

 ただしオリオン社によれば、この額は「かなりお値打ち」だそうです。というのも、このような宇宙の物件については多くの企業が将来的な運営を視野に入れており、この価格は業界の想定よりも実際低いそうなのです。 

 とはいえ、オーロラステーションの実現には、まだまだほど遠い段階ではあります。2022年に事業を開始するという野心的な計画はありますが、現時点でゲストをステーションまで運ぶための宇宙飛行企業とも契約していませんし、ステーションの建設もこれからなのです。とはいえ、実際にこのホテルに泊まれるようになれば、最後の辺境での冒険(あるいは休暇)も身近なものとなることでしょう。 

 そして、費やされるお金の額も比ではありませんが、旅行先として宇宙はラスベガスよりもはるかに格別、本当の意味のクールな世界は待っていますから…。

By Sarah Rense on April 10, 2018
Photos by The Aurora Station
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊