北極圏の気温が例年より、約10度も暖かくなっているということです…。

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北極の環境問題

 北極はとても寒い場所と思われていますが、2018年はそうでもないようです。 

 現在、北極点の温度は過去最高のレベルに達し、2月の平均気温は最高で摂氏1.7度を記録していました。が、摂氏1.7度というのは、ふつう同地域で夏の間に記録される気温よりも高いものではないですか!? 

 このデータは米国の地球天気予報システム(U.S. Global Forecast System)がはじき出したものであり、このシステムは地球の天気や気候に関するコンピュータ・モデルになっています。このモデルが、北極の気温について間違っている可能性もありますが、別の複数の観測でも北極の気温が摂氏0度前後になっていたことが確認されています。 

 これが意味するのは、北極が現在この時期としては例年よりも華氏で約50度(摂氏で約10度)も暖かいということになるのです。また、北極の氷がすでに溶け始めているということも意味します…。これはとりわけ憂慮すべきこと! 冬は北極で氷が増える時期でありのに、現在の北極の氷は記録的な薄さになっているのですから…。 
 

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

Tweet内コメント: 
 湿度と"暖かさ"の急激な上昇に対する反応として、北極の高緯度の地域で極めて異例な事態が進行している。 

 2018年の気温(上記図中の赤線)は、過去のそれ(細い白線)を大きく上回っている。図中の太い白線は平均気温を示したものです。 (http://sites.uci.edu/zlabe/arctic-temperatures/ …) 

 さて、この異常な温度上昇を引き起こしているのは、一体何なのでしょうか。

 科学者たちは、北極の海に浮かぶ氷の不足が少なくとも原因の一部であると考えています。1月は月中にできた氷が、記録的に少ない月となっていました。そして海の氷の不足は、海水の影響が大気に及びやすくなっていることを意味します。氷の断熱効果が薄れたことで(氷よりも温度が高い)海水によって大気の温度が温められ、それが2月の記録破りの暖かさにつながった可能性もあります。 

 また、海氷の減少が気温上昇につながり、それがさらに氷の形成を妨げるという悪循環が生じることから、この問題は今後加速度的に悪化していく可能性もあるのです。今年2月の記録は、来年の冬には破られる可能性が非常に高く、また、来年の冬は北極の海で氷が見られる最後の年となる可能性もなきにしもあらず…とも言えるのです。


By Avery Thompson on February 28, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE UK 原文(English)

TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。


編集者:山野井 俊