番組のクレイグ・メルヴィン特派員に、「20年前に告発されたときに、もし『#MeToo』のような動きが起こっていたら違う対処をしたか?」と問われたクリントン氏。

 すると彼は、「もし今日でも事実が同じだとしたら、私は方針を変えませんね」と返答。1998年、彼は当初は否定していたものの、当時ホワイトハウスのインターンだったモニカ・ルインスキーと性的な関係を結んでいたことを後に認めています。こうして不倫疑惑は長期にわたって調査され、最終的にはクリントン氏は弾劾された史上2人目の大統領になったのでした。

「問題になるとは思いませんね。なぜなら、人々は想像上の事実ではなく、事実を使うからです」と語るクリントン氏。多くの事実が、「うまく話が繋がるように都合よく削除された」と彼は付け加えています。

メルヴィン特派員との着席形式のインタビューでクリントン氏は、「ルインスキー本人を除く世界中のすべての人々に…」と自身の不適切な行動を詫びたと強く語っています。「私は公に対し、何度も申し訳なかったと謝罪をしました。私の謝罪は公のものでしたので、他とは全然違うものなのです」と…。

「辞任するよりも闘うことのほうが、正しいことだと思いました」 
これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Bill Clinton: ‘I Did The Right Thing’ During Monica Lewinsky Scandal | TODAY
Bill Clinton: ‘I Did The Right Thing’ During Monica Lewinsky Scandal | TODAY thumnail
Watch onWatch on YouTube

 
 NY選出の民主党議員キルスティン・ギリブランド氏が2017年、「New York Times」でのインタビューで「クリントンは大統領を辞任すべきだった」と語ってから約7カ月が経ってからの先日行われたこのインタビューになります。

 クリントン氏は、「辞任するよりも闘うことのほうが、正しいことだと思いました」と語り、メルヴィン特派員に対し「私は憲法を守ったのです」とも語っています。

 一方、現在はいじめをなくす運動の支援者として活動しているルインスキー。「#MeToo」や自身のPTSD(Post Traumatic Stress Disorder=心的外傷後ストレス障害)との闘いという“新しいレンズ”を通し、自身の不倫行為についての解釈を2018年発売された『Vanity Fair』誌のエッセイで以下のように記しています。

Hair, Smile, Black hair, Layered hair, Brown hair, Long hair, pinterest

「44歳になり、私(ルインスキー)は、大統領とホワイトハウスのインターンがもつ力には大きな違いがあり、それは何を意味するのかということを考え始めています。まだ、始めたばかりですが…。そうした状況のなかでの『同意』という考えは、『意味をなさないのではないか?』という見方を受け入れ始めています。力関係のアンバランス、そして、それを悪用する能力は、たとえ性行為が同意の上であっても存在するのではないか…」と。

 彼女は、自身とクリントンの関係は「性的暴行ではありませんでした」と語る一方で、「力のひどい悪用に相当したと思っています」とも話しています。

 また、クリントン氏は同じインタビューで、「不倫スキャンダルは、20年前に対処したもの。そして、アメリカ国民の3分の2が私を支持したのです。そしてそれ以降、私は仕事においても人生においても、最善を尽くそうと務めてきました。私に言えるのは、それだけです」と述べています。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 クリントン氏は、作家ジェイムズ・パターソンと共著の新刊『The President is Missing(原題)』のプロモーションのため、米NBCの『News Today』に出演したばかり。同書は架空のスパイ・スリラー小説で、発売されたばかりの話題作です。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。



From Esquire
Translation / Mitsuko Kanno
※この翻訳は抄訳です。