エリザベス女王と対面する際、「握手は女王から」や「女王の前を歩いてはいけない」など、守らなくてはならないルールがいくつかあるのはご存知でしたか? 一般市民の我々なら失念してしまっていてもしょうがないことですが、一国の大統領…、知らなかったでは済まされないのです。

 トランプ大統領は、その決まりごとを既にいくつも破ってしまった模様…。最初にマナー違反をしたのは、対面してからわずか数秒後のことでした。女王が手を差し出してから握手を交わすところまでは良かったのですが、女王への敬意を表すためのお辞儀をし忘れてしまったのです。

 クルマから降りた時に、軽く会釈しているような動きも目撃されていますが、英紙「ミラー」は「お辞儀というよりはうなずき…」と非難。メラニア夫人も膝(ひざ)を曲げてお辞儀する様子はなかったと報じています。

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 英国王室の公式サイトによると、女王と対面する際、男性は頭を下げてお辞儀をしなければならないと記されています。しかし「その時、頭を下げるだけで、深々と腰から体を曲げる必要はない」とされています。そして女性は、膝を曲げてお辞儀。ただ例外もあるようで、王室専門家のマレーネ・ケーニヒさんは「アメリカ人は基本、外国の君主にお辞儀をしません」「カナダのジャスティン・トルドー首相は、エリザベス女王と対面した時に軽く頭を下げましたが、それは女王がカナダの国家元首であるからです」と説明しています。

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 それを裏付けるように、2011年にウィンザー城を訪問したバラク・オバマ前大統領も女王にお辞儀をしなかったと米『CNN』は報道しています。しかし「Your Majesty(陛下)」と正しい呼び方をしていたとのこと…。

 トランプ大統領は他の場面でもバッシングを受けています。

 それは女王と一緒に近衛軍楽隊の方に歩いて行く時のこと。大統領はどこに立てばいいのか分からず、オロオロした後に女王の前を歩いてしまったのだとか…。ロイヤルファミリーの元執事グラント・ハロルドさん曰く、女王の前を歩くのはご法度!

 一連の騒動に対しマレーネさんは「大統領は儀礼を破ったのではなく、エチケットを理解していませんでしたね」と見方。「女王は即位して60年以上経っているのですから、人の扱い方には慣れています。トランプ大統領はあまりにも無知だっただけなのです」とコメントしています。

 ちなみにトランプ大統領は会見後もエリザベス女王の前を歩いていました。女王と面会するにあたり、しっかりリハーサルもしくはイメージトレーニングをしておく時間はあったことでしょう。
 

From Harper’s BAZAAR
Translation / Reiko Kuwabara
※この翻訳は抄訳です。