メキシコの南にある中米の国、グアテマラにあるフエゴ火山で16時間以上も噴火が続き、62人もの人々が死亡したと報道されました。2018年6月3日(日)と4日(月)の朝(現地時間)、農村部の住宅に溶岩が流入。住宅や道路は灰の層で覆われたのです。
Courtesy of Youtube@PNCdeGuatemala
噴火が収まったのち、救助隊はグアテマラ・シティ周辺に住む人々を救うため、溶岩によって焦げてしまった道を歩いて救助に向かいました。すると、多くの人々が家の中に閉じ込められてしまっていたのです。
エル・ロデオ地区に住む男性は、地元メディアの『DCA(Diario de Centro America =ディアリオ・デ・. セントロアメリカ)』にこう語っています。
「灰によって、誰も外に出ることはできなかった。多くの人が(噴火によって)埋葬されしまったのです。私たちは溶岩が流れてくるのを見て、山の斜面まで走りました」と。
また『CNN』では、「私たちにできたことは家やもち物を捨て、ただ家族と走って逃げることだけでした。噴火が収まって危険ではないと判断されたあと、自分たちの家がどうなっているのかを見に行きました。なにもかもが、なくなっていました」と、複雑な心境を語っています。
グアテマラ国家科学分析協会(Guatemala's National Forensic Sciences Institute)によると、同年同月5日午後(現地時間)までの噴火による死亡者は62人で、そのうち13人は発見されたと発表しています。
今回噴火のあったフエゴ火山は標高12,346フィート(約3.8Km)で、中米で最も活発な火山の一つです。『AP通信』によれば、溶岩は同年同月の3日(日)に摂氏約1300度の温度に達したとのこと。また『CNN』によれば、灰が降った範囲は半径12マイルまで及んだとのことです。
そして被災したグアテマラからは、およそ3000人以上の人々が避難したのでした。
グアテマラの大統領ジミー・モラレス氏は、噴火による犠牲者のために、この3日間を喪に服す日と宣言しました。
『ロイター通信』によれば、同年同月4日(月)に火山から危険な岩片とガスが発生し、さらなる噴火が始まったとのこと。また、グアテマラの国立地震学研究所も火山学、気象学、水文学と様々な方面から見ても、「この火山によって、さらなる噴火が起こりうる可能性はまだまだある」と警告しています。
2018年5月上旬にもハワイのキラウエア火山が噴火したばかりで、噴火が相次いでいます。キラウエア火山とは、また違った噴火の様子。そして、現地の人々の様子をこちらでご覧いただけます。
そして、このたびの噴火で被害にあわれた皆さんに対して、ここで心からお悔やみを申し上げるとともに、「自分たちの身近で起こるかもしれない」という戒めとして心に留めておきましょう。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子01
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2018年6月4日
もっとも致命的であった噴火は2018年6月3日。その翌日であったこの日、灰流はフエゴ火山の側面を流れていきました。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子02
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2018年6月4日
San Miguel Los Lotes(サンミゲル・ロス・ロテス)村で、犠牲者を探す救助隊員たち。道は灰で覆われ、黒々としています。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子03
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2018年6月4日
San Miguel Los Lotes(サンミゲル・ロス・ロテス)村は、噴火により壊滅状態でした。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子04
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2018年6月4日
クルマさえも灰で覆われ、埋まっている状態と化したSan Miguel Los Lotes(サンミゲル・ロス・ロテス)村の様子。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子05
Getty Images
2018年6月4日
San Miguel Los Lotes(サンミゲル・ロス・ロテス)村で、1人の男性が屋根の上に立っています。この家のもち主なのでしょうか? 『CNN』によると、この村に住む1500万人のうち1700万人(およそ88%の方)が灰によって悪影響を受けているとのことです。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子06
Getty Images
2018年6月3日
3日にフエゴ火山から噴火が始まるとあたりの上空は灰の上昇によって、グレイの世界へと変容していったのでした。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子07
Getty Images
2018年6月3日
噴火があった数時間後、グアテマラの救助隊員は家に閉じ込められていた少女を救出しました。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子08
Getty Images
2018年6月3日
続いて、San Miguel Los Lotes(サンミゲル・ロス・ロテス)村で救助隊員により子犬も救出されました。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子09
Getty Images
2018年6月3日
El Porvenir(エル・ポルベニール)で、警官によって女性が救出されました。グアテマラ・シティの外にも、噴火の影響を受けた村はあったのです。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子10
Getty Images
2018年6月3日
この日、フエゴ火山が溶岩や灰を噴き出し始め、EL RODEO(エル・ロデオ)地区から人々が避難したのでした。最新情報として、2018年6月6日(水)のAFP通信などの報道によれば、これまでに少なくとも73人が死亡したとのことです。また、依然として192人の方が行方不明とのこと。
グアテマラ・フエゴ火山噴火の様子11
Courtesy of Youtube@PNCdeGuatemala
2018年6月4日
PNCdeGuatemala(グアテマラ国家文民警察)が公開したYoutube動画をご覧ください。
現在、避難者は3000人以上との発表がなされていますが、同年同月5日には再び新たな噴火が発生。避難地域はさらに拡大しているという情報も入っています。この被害拡大を受け、グアテマラ政府は海外各国に対して、救助部隊の派遣などを要請しているとのことです。
ここで亡くなられた方々、そして遺族の方々にお悔やみを申し上げるとともに、行方不明の方々が一刻も早く救出されること、そして、被災した方々に安らかな休息がいち早く訪れることを願ってやみません。
POPULARMECHANICS(原文:English)
By Kate Storey Jun 5, 2018Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Kaz OGAWA,Mirei UCHIHORI