長年に渡って、アジサイの新品種育種に取り組んできた坂嵜潮さん。このたび、世界的に権威のある英国「チェルシー・フラワー・ショー」にて今までの努力がまさに実り、新たに育成したアジサイが「今年の花」に選ばれました。

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Courtesy of Instagram@the_rhs

  
RHS Chelsea Flower Show 2018

 毎年5月に開催される恒例の王立園芸協会(RHS)主催の「チェルシー・フラワー・ショー」が、2018年5月26日まで開催されていました。 

 100年以上の歴史をもち、英国で最も権威のあるガーデニング&フラワーのイベントで、世界の園芸トレンドを左右するとまで言われるこのショー。そこでなんと、滋賀県で新品種の育種に取り組む坂嵜 潮さんが交配した白い繊細なアジサイが、今年の最終選考に残ったほかの20品を破って最優秀賞にあたる「プラント・オブ・ザ・イヤー(今年の花)」を受賞したのです。今後、あちこちのガーデンで目にする人気の花になるでしょう。

 受賞したのは上の写真、「ランナウェイ・ブライド・スノー・ホワイト」と名付けられたハイブリッドのアジサイです。王立園芸協会によれば、この美しいアジサイは用途が広い種でもあるということ。 

「優雅に垂れ下がっていく習性があるため普通の花壇はもちろん、ハンギングバスケットやピラミッド、高さのある境界線の淵といった普通とは違う環境でも生育できる」と、サイトで解説しています。

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Hillier

 2位に選ばれたのは、「ブルー・ウェーブ」という名で知られる多年生植物のシーホリー(エリンジウム)。次いで、「サンビリーバブル・ブラウン・アイド・ガール」(Sunbelievable Brown Eyed Girl)というヒマワリが3位に入賞しました。

 そんななか注目を集めたのは、これらの花だけではありません。「チェルシー・フラワー・ショー」のファンによると、フォックスグローブ(キツネノテブクロ)やルピナス(ノボリフジ)も、ひときわ目立ったということです。
 

 フードライターのナイジェル・スレーターはインスタグラムに、「#rhschelseaで今年目立った花を一つあげるとすれば、フォックスグローブ。最高にハッピーだ」と書いています。
 

 園芸家のレイチェル・ド・テームは、ルピナスの見事なディスプレイを称賛。王立園芸協会アンバサダーのジェイミー・バターワースも、「ショーのスター」と絶賛しています。 

 
 では、受賞した花を自宅の庭で栽培することはできるのでしょうか?  

Horticulture Week』誌は「今年の花」の1位と3位に選ばれた花は、すでにガーデンセンター(園芸店)に入荷しているとレポートしています。現時点では数が限られているものの、Wyevale Nurseries(ワイヴェール・ナーサリーズ=園芸店)では2019年に育てる予定のアジサイの在庫を増やしているところだそうです。 

 自宅の庭に、「今年の花」をぜひ加えてみてはいかがですか。

From Good Housekeeping
Courtesy of Instagram@The Royal Horticultural Society, @Nigel Slater, @Rachel De Thame
Translation / Mitsuko Kanno