プライバシー情報を大量に流出させたり(Facebook)、スーパーカーを宇宙に打ち上げたり(テスラ)といったことで注目されがちなIT企業の人々。そんな彼らが大切にしていることは、「自分たちは気の利いた冗談の1つだって言える、謙虚な等身大の人間である」ということを、一般の人々にイメージしてもらうことのようです。

その一片を再確認させてくれたのが、2018年のエイプリールフールにおけるテスラCEOイーロン・マスク氏の発言です。「従業員は直接の上司でなくても、問題解決に最適な社内の人物との接触が必要なときは許可なく面会できる」という、非常にクールなルールを社内で定めていることが知られています。

そんな革新的なマスク氏ですが、「自分のジョークがつまらないときは、社内の誰もがツッコんで指摘できる」というルールは定めていなかったようです。このルールこそ、必須だったかもしれません。

2018年4月1日、マスク氏はエイプリルフールのジョークとして「テスラが完全に破産した」とツイートしたのです。

その後、自らの写真を「イーロンは、テスラの『モデル3』にもたれかかって意識を失っているところが発見された。周りには『テスラキーラ』のボトルが散乱しており、彼の頬には涙の跡が残っていた」という文章とともに投稿。このツイートで、テスラの株価は一時およそ12%も下落。これは時価にすれば総額25億ドル(約265億円)が吹っ飛んだ計算になるのです。

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なぜイーロン・マスク氏は 
嘘をついてしまったのか?

3月下旬にテスラは、「モデルX」が「オートパイロット」モードで走行中に衝突事故を起こして運転手が死亡する事故が発生しています。今回のツイートの影響は、そんな局面におけるまさに「泣きっ面に蜂」とも言えるものになります。

とはいえ、テスラは今回の事故について、責任をドライバー側に転嫁したいようですが、同社はブログ記事のなかで、「ドライバーは車線を外れて、コンクリート障壁が目に入ってから衝突するまでに150m、およそ5秒間の時間があったにも関わらず何の措置もとっていなかった」と説明しています。

2018年4月1日には、米国家運輸安全委員会はテスラからの調査情報の公開に不満を示していたところでした。

そんな状況でありながら彼は…。きっと、自らの笑えないユーモアから人々の目をそらせたかっただけかもしれません。マスク氏は2018年4月3日に、ロケットを発射したことをツイートしています。

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んんん…、やはりマスク氏は宇宙人なのでしょうか?

Source / ESQUIRE UK
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。