どうやらテスラのイーロン・マスクCEOは、ある種、陰謀論者的な発想で排ガスについて考えているようです。その事実を、彼がテスラの従業員に宛てた電子メールから確認することができたとき、彼が少々パラノイア(偏執症)的であることが確認できるでしょう。

その電子メールはCNNが入手したものですが、その中でマスク氏は、「昇進を見送られたテスラのある従業員が、同社の車輌製造用システムのコードを改ざんした」ということ、さらに、その従業員が、「大量の機密情報を第三者に送信していた」ということが発覚したと主張しているのです。

マスク氏はこの行為を、「われわれの業務に損害を与える妨害行為」と呼んでいます。

さらにこれが、「ウォールストリートのショートセラー(問題企業を探し出し、その会社の株を売って儲ける「究極の財務分析者」というべき人々、いわゆる「カラ売り屋」)」、そして「石油会社」あるいは「ガソリン/ディーゼル駆動の自動車を販売する複数の大手自動車メーカー」によって仕組まれた陰謀ではないか? と思っているようです。

「彼らは、排ガスについて多くのことを誤魔化しているのだから、彼らおそらく、ほかのさまざまなことだってインチキをしようとするに決まっている!?」と、マスク氏は記しています。実際、そうのたまう彼の部屋には、自分に対して陰謀を企てるさまざまな人々がピンで壁に打たれ、それぞれを赤い糸で結んだ巨大なピンボードが置かれているかもしれません。

またマスク氏は、テスラの工場で起こった「もうひとつの不可思議な出来事」について話をしています。「もうひとつの不可思議な出来事」とは、彼が命名した事件です。実はこれはちょっとした火災のことで、テスラの工場で火災が発生するのは別にめずらしいことではありません(CNNの報道によると、テスラの塗装部門では過去4年間に少なくとも4件の火事が発生していたそうです)。それでもマスク氏の目には、自分の周囲で4Dのチェスの試合が行われていると映っているようなのです。

「(データ流出や火災は)偶然の出来事かもしれないが、(インテル元CEO)アンディ・グルーブが口にしていたように『パラノイド(偏執症者)だけが生き残る』ということもある」と、マスク氏は電子メールに記し、その後で従業員に対して、「我が社の最善の利益ではないどんな事柄」にも注意するよう求めています。

テスラのデータを盗んだのは誰なのかは特定していません。本当にデータは盗まれているのでしょうか、近々発覚することを、マスク氏は望んでいることでしょう。

Source / ESQUIRE UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。