「水は濡れている」というのと同じくらい、そう、当たり前で意外性など全くないニュースをここでひとつお伝えしましょう。

2018年3月18日に投票が行われたロシア大統領選で、現職のウラジミール・プーチン氏が76.6%という過去最高の得票率で勝利を手にしました。この圧倒的な支持率が意味するのは、ロシアの現大統領であり、歩くオモチャの「アクション・フィギュア」でもあるプーチン氏は、あと6年間も大統領を続けるということになります。

プーチン氏が大統領に選ばれるのは、今回で4度目。これにより同氏は、30年近くにわたって旧ソ連の指導者を務めたヨシフ・スターリン氏についで、2番目に任期の長いロシアのリーダーになることが決まりました。なんとも安心できる話ではないでしょうか。

しかしプーチン氏は、当選後に行った記者会見の席上で、自らが5期目を務める可能性について「面白い…」と切り返し、記者団に対して「私が100歳まで大統領の座に座り続けるなどと、君たちは思っているのかね?」と尋ねました。

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プーチン氏が大統領に再選される前には、セルゲイ・スクリパリ氏というロシアの元情報将校で英国のスパイだった人物が英国内で神経剤で襲撃されるという事件が発生。しかしロシアは、同事件への関与を否定していました。

その出来事をプーチン氏は選挙戦の最中にもち出し、「ロシアが西側から攻撃されていること、この攻撃への反応としてロシア国民は団結する必要があること」をアピール。プーチン氏のこの件をうまく奏功したのですが、一方では、「不正な投票が広範に行われていた」とする報道も流れていました。

「大統領選の直前、そしてサッカーワールドカップの自国開催を控えたこの時期に、ロシア人が自分たちにこんなことをするのを許すと考えるのは、まったくクレイジーでナンセンス。思慮分別をもち合わせた人間なら、誰でもそのことを理解すると私は信じている」と、プーチン氏は大統領選勝利後の記者会見の中で、スクリパリ事件についてそう述べていました。

その件に関しては「水なのに濡れていない…」ように、まったく不可解としか言いようがないことです。

Source / ESQUIRE US
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。