それは海洋ドキュメンタリー『ブルー・プラネット2』や、イギリスの動物学者デイヴィッド・アッテンボロー氏の影響を受けたようです。

 Royal Family

 2017年末にイギリスのテレビチャンネル「BBC One」で放送され、話題となった海洋ドキュメンタリーシリーズ『ブルー・プラネット2』。その番組が視聴者だけでなく、王室や政治の世界にも大きな影響を与えていることが明らかになりました。 

 同番組では、海洋生物の生態以外にも地球温暖化や海洋汚染が引き起こす生物への影響などを紹介。番組のナレーションは、シーズン1に引き続きイギリスの動物学者デイヴィッド・アッテンボロー氏が担当し、「BBCニュース」によると、視聴率は人気オーディション番組『Xファクター』や『ストリクトリー・カム・ダンシング』を上回ったそうです。
   

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Photograph / Getty Images


 その番組に早くも影響を受けたのか、テリーザ・メイ英首相は先月発表した環境対策のなかで、「2042年までに不要なプラスチックゴミを撲滅する」と宣言。

 すると今度は、英国王室のエリザベス女王もプラスチックから脱却すべく、さまざまな対策を考えていると英「テレグラフ」紙は報じました。 

 同紙曰く、「女王は宮殿内に併設されたカフェでのプラスチックストローの使用を減らし、宮殿で働くスタッフたちのダイニングルームでも、ストローの使用を禁止する予定」なのだとか…。

 さらにはバッキンガム宮殿、ウィンザー城、エジンバラのホリールード宮殿のケータリングを担当する業者にも、地球に優しい陶器やガラス製品のうつわを使うようお願いし、テイクアウト用の容器は堆肥可能なもの、会議で使われるプラスチックコップは、リサイクルできる紙コップにチェンジする計画を立てているということです。 

 
 バッキンガム宮殿が発表した声明には、こう書かれています。

「英国王室では、環境への負担をできる限り減らしたいと考えています」「その一環で、プラスチックゴミの削減に向けた取り組みを行う予定です」


 現在、バッキンガム宮殿では、大規模な改修工事を行われていて、その費用は約3億6900万ポンド(約550億円)とも言われています。宮殿内の電気配線や水道管、暖房設備の交換を行い、屋根にはソーラーパネルを設置。10年後には、より経済的でエネルギー効率の良い宮殿に生まれ変わるようです。

 果たして、どれほどの変化が見られるのか? 完成が楽しみですね。

From Country Living
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Translation / Reiko Kuwabara 
編集者:小川和繁