皆さんの中に、このことに気づいた方がどれほどいるかは知りませんが…このところキャンプ・ラナマックで起こったいくつかの出来事は、インチキ大統領が現在運営しているインチキ政権によってかなり大規模に炎上していると言っていいでしょう。

ではここで、ウォルター・ウィンチェル氏(1900年代に活躍したゴシップ・コメンテーターであり、「ディスクジョッキー」という言葉の生みの親)の霊を呼び出して、一緒に何があったかを箇条書きにしてみましょう。

その1:

ニッキー・ヘイリー国連大使は、米国がロシアに対して新たな経済制裁を課す準備を進めていると国連で発言していました。それに対し、ラリー・クドロー国家経済会議委員長は、ヘイリー大使は「頭が混乱している」と国民の前で述べ、同大使に打撃を与えていました。大統領がこのやりとりをテレビで目にして、激怒したことは間違いありません。それに対して、ヘイリー大使は「勝手に混乱していろ、ケーブル・ボーイ」と応酬していました(クドロー氏はケーブルテレビ・チャネルCNBCに登場する経済コメンテーターとして有名)。この件について、「ニューヨーク・タイムズ」紙は次のように伝えています。 

<引用> 

ヘイリー氏が何か言うのをテレビで観たトランプ氏が、テレビに向かって叫んだことは過去にもあった。ただし、今回はふたりの食い違いが表沙汰になってしまった。この食い違いはロシアに対する、ふたつの拮抗し合う見解に加えて、政治的野心・嫉妬・恨み・忠誠心などについてのより大きな疑問から生じたものだった。ふたりの食い違いは、2018年4月17日(米国時間)にホワイトハウス関係者がヘイリー氏の制裁に関する声明を「一時的な混乱」と非難したことで、皆が知る対立へと発展した。これを受けて反撃に出たヘイリー氏は、自分は「混乱などしていない」と述べた。トランプ氏との意見の食い違いが表沙汰になったことで、ヘイリーは気まずい立場におかれた。そして、トランプ氏の外交方針に関する疑問や、誰がトランプ政権の意向を正しく代弁しているのかという疑問が今回の一件で改めて浮上した。

トランプ氏はそのうち、テレビ番組『フォックス・アンド・フレンズ』(Fox and Friends)で何かを観て、自分の内閣に核爆弾を落とすことでしょう。

ホワイトハウス関係者は氷の彫刻になりつつある

その2:

シリアに対する大規模な空爆は、わたしたちが聞いていたほど大したものではなかったようです。そしてまた、シリアに対する大規模な空爆は、大統領のパフォーマンスのためだけに行われたものだったようです。「ニューヨーク・タイムズ」紙では、次のように記しています。 

<引用> 

4月中旬に米国がシリアを空爆した件について、ジム・マティス国防長官はトランプ大統領に事前に議会の承認を得るよう促していたが、迅速かつ劇的な対応をしたがったトランプ氏はマティス氏の助言を聞き入れなかったと、軍や政権の複数の関係者らは語った。これらの関係者によると、トランプ氏は一連の好戦的なツィートを裏づける行動をとっているように見られたいと考えていたが、それに対して周囲からは、「あからさまに攻撃的な反応を起こすとロシア相手のより広範囲な戦争に発展しかねない」との警告が発せられていたと言う。
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<引用>

今月までマティス氏には、ハーバート・マクマスター(元国家安全保障問題担当大統領補佐官)という政権内の緩衝役がいた。陸軍中将のマクマスター氏は、やはり軍人出身で退役海兵隊大将のマティス氏の意見に従うことが多かった。マクマスター氏に代わって、ジョン・ボルトン氏が新たな国家安全保障問題担当補佐官に就任したことで、マティス氏は政権内の緩衝を失った。ボルトン氏が国防長官に遠慮するとは考えにくく、すでに共和党の外交関連の主流派に属するネオコン議員らは、マティス氏がシリアで、戦略的に重要な地域をイランやロシアに譲歩しているとの懸念を口にし始めていると、政権や議会の関係者らは語った。

「Mad Dog(狂犬)」の異名をもつマティス氏が、頭のおかしい人物として知られ、死のセイウチとも呼ばれるジョン・ボルトン氏に出し抜かれているですって? そんなことを聞いても、希望で満たされることはありません(4月18日には、マティスの広報担当官が両者の食い違いを伝えた報道を否定していました)。しかし、政権内の混乱と不和を伝えるこれらの話よりもさらに重要なのは、こうした話が外部にリークされているという事実です。

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ホワイトハウス関係者は現在、政界での自分の仕事に関する長期的な見通しを目にして、その結果氷の彫刻のようになりつつあります。

それで、彼らはつねに米国政治を動かし続ける階級の人々に信号を送り、自分たちが単なるピアノ弾きでしかないことを伝えようとしています。無能な大統領や、彼が手当たり次第に口にする愚かで危険な外交に関する考えにダメージを与えるというリークの目的が、倫理的に正しいかどうかという点については私よりも賢い人に判断を委ねましょう。

こうしたリークが助けを求める必至の叫びであると、私の心のソフトな部分が見なしていることを私は認めます。こうした瞬間はあっという間に過ぎていきます。こうした叫びを上げている人々は、良心の呵責と将来に対する恐れを感じながら、それでもまだある男のために進んで働いています。

今後もトランプ大統領が外交を通じて、アメリカ国民に何をもたらすのか注目してみましょう。

Source / ESQUIRE US
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。