ドナルド・トランプ大統領は世界中の人々の反発を買うだけでは飽き足らず、自らの悪名を宇宙にまで轟かせようとしているようです。
発表された計画によると、宇宙軍は「衛星利用測位システム(GPS)」からミサイル発射を検知するセンサーに至るまで、宇宙に関連する軍事能力を管轄することになるそう。
創設を指示したことが報道されたのは、さかのぼること2018年6月18日のこと。
トランプ大統領は米国防総省に、「宇宙軍」の創設を命じたことを発表しました。ネットフリックスのラインナップの最後に出てくるような、B級SF映画のタイトルかと思わせるようなアイデアですが、この時点で実際に米軍の第6の部門になる見込みだと豪語していたのです。
この驚くべき発表は、米国家宇宙委員会の会合のなかで行われたもの。トランプ氏は、「われわれの地球外での運命は国家のアイデンティティに関わる問題というだけでなく、国家の安全保障に関わる問題だ」と語っていました。
「宇宙軍」を創設するアイデアについて、トランプ大統領は2018年3月にも言及。カリフォルニア州の海兵隊基地で、その部隊を前に「地上や空、海と同じく、宇宙も戦争が行われる領域だ。米国は宇宙軍をもつ可能性もある」と語っていました。
トランプ大統領の「宇宙軍」構想は、「スターウォーズ計画」としても知られるロナルド・レーガン前大統領の戦略防衛構想を思い起こさせるものになります。
1983年に開始したこのプロジェクトは、ソ連の核兵器をレーザーや粒子ビーム兵器で迎撃するためのミサイル防衛システムを宇宙に築き、核兵器を時代遅れのものにすることを目指していました。ですが、当然ながら膨大な開発費の問題に直面し、ソ連崩壊後の90年代初頭に頓挫していたのです。
一方、地球では南部の米国・メキシコ国境において不法移民の親子を引き離すというトランプ政権の政策に、非難の声が殺到しています。この実態については、米税関・国境警備局の収容施設で泣きわめく子どもたちの写真や音声が公開されていました。この事態をいかに収束するのか、いま最も注目すべきところかもしれません。
その次に気になるのが、やはりこの「宇宙軍」の話になります。ペンス副大統領は国防総省での演説で、宇宙軍構想を「実現すべき時が来た」と強調しました。「はてしなく広がる宇宙で台頭する脅威に立ち向かう」と言及し、議会に宇宙軍創設の予算化を呼び掛けています。
2018年8月9日(木)にマイク・ペンス米副大統領は、米軍に「宇宙軍」を創設するという実に野心的な計画を発表しました。
これが議会での承認が得られれば、この「宇宙軍」は陸軍・空軍・海軍・海兵隊・沿岸警備隊に次いで6番目の軍ということになります。ペンス氏によれば統率者には4つ星階級の将官をあて、資金は2020会計年度予算で手当てするとのことです。
ペンス氏は国防総省で、同省幹部や司令官を前にして「宇宙に米国の支配を確立する必要がある」と語ったのでした。ここでの出席者の多くは、この新たな軍の創設に対して疑いを抱いていないのでしょうか!?
Source / ESQUIRE UK
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。