2018.04.17

話題の人となってしまった、Facebook社のCEO

米上院公聴会に出席したマーク・ザッカーバーグ、「テック業界のビジョナリーから既得権益層へ」

米政治ブロガーのチャールズ・P・ピアース氏は、「ザッカーバーグも、資本主義社会の無謀な大富豪の一人に過ぎなかった」と語っています。

米上院公聴会に出席したマーク・ザッカーバーグ、「テック業界のビジョナリーから既得権益層へ」
Getty Images

 
Mark Zuckerberg Just Went
from Tech Visionary
to Coal-Baron-Whose-Mine-Blew-Up

 2018年4月10日(米国時間)、Facebook社のマーク・ザッカーバーグCEOが2016年の米大統領選におけるロシアの干渉疑惑に関しての米上院公聴会で謝罪しました。 
 
 その米上院公聴会の様子は偉大なる米国議会の歴史のなかでも、もっとも奇妙で理解し難いストーリーが展開する劇場とも言うべきものでした。 
 
 この公聴会の表向きのテーマは、「Facebookがケンブリッジ・アナリティカという企業の問題にどのように対処したか」ということでした。 
 
 ケンブリッジ・アナリティカは、保守派の献金者である大富豪のマーサー家とつながりがあり、つまりはトランプの選挙運動に関わっていました。しかし実際、この議会証言の様子をたとえるなら、「主に20世紀の白人男性たちが運営する18世紀の機関が、選挙において21世紀のテクノロジーを活用した不正に取り組む」とも言える内容だったのです。議員たちの多くに言えることは、「ザッカーバーグ氏への質問は、自分たちの孫に任せた方がまだ良かったのでは」ということになります。 
 
 ザッカーバーグ氏は証言のなかで、Facebookがケンブリッジ・アナリティカ、そしてロシアのサイバー工作に容易に出し抜かれてしまったことについて、長い時間をかけて謝罪しました。 
 
 「Facebook社を経営してきたなかでもっとも後悔していることの1つは、2016年にロシアによる情報操作に気づくのが遅れてしまったことです。私たちは調査を開始しており、何かが見つかることでしょう。ロシアには、われわれのシステムや他のインターネットシステムなどを自らの利益のために利用することを仕事にしている人々がいます。これは、進行中でもある軍拡競争なのです。世界中の選挙への干渉を仕事とするロシア人たちが存在する限り、現在はまさに紛争状態なんです」とザッカーバーグ氏。 
  
 個人的には、チャック・グラスリー氏やパトリック・リーヒ氏のようなテクノロジーをからっきし理解していない議員たちが、私の代わりにレベルの低い質問をしてくれたことには安心しました。 
 

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Photograph / Getty Images 
 
 もちろん、このような謝罪はザッカーバーグ氏にとっては造作もありません。米ニュースサイト「ヴォックス」が指摘するように彼は学生のころから、あらゆるプライバシー侵害に関する申し立てに対し、謝罪し続けてきたのですから…。 
 
 
以下、「ヴォックス」より引用: 
オンライン・ソーシャルネットワークは、明らかに新たな法規制上の問題をいくつも引き起こしています。とはいえ、より視野を広げれば、「企業にいかにして確実に責任を果たさせればいいか」、という問いは目新しいものではありません。 
  
 
 たとえば、ヘルスケアの提供に関わる企業には、道義的責任だけでなく、法的・経済的な責任があります(1996年に定められた「医療保険の携行性と責任に関する法律、Health Insurance Portability and Accountability Act、HIPPA」の条項の遵守が求められます)。 
 
 この法律によって、ヘルスケア業界でのあらゆるプライバシー侵害がなくなったわけではありません。ですが、違反があった場合には、企業は罰則を受けます。そして、この罰則があるからこそ、ヘルスケア業界の企業はこのような過失を避けようとするのです。 
 
 同様に、金融機関はグラム・リーチ・ブライリー法(Gramm-Leach-Bliley Act、GLBA)で定められたプライバシーのルールに従う必要があります。実際、GLBAコンプライアンスが定められて以来、専門の法律家や企業が登場し、ある意味うんざりするような小さな業界ができたほどです。 
 
 同じように、議会は米国社会におけるジャーナリズムの役割を昔から認識してきました。
 
 米国郵便公社は割引価格で、定期刊行物を届けます。連邦通信委員会のテレビ局ライセンス要件には曖昧ながら意義深い「公共の利益」に関する基準があり、これはローカルニュース番組の制作にも、主要な全国ニュースイベントの放映にも隔てなく適用されます。これらの基準に明らかに違反するテレビ局は、規制当局に対して法的・経済的な責任を果たさなければなりません。(次ページへつづく)

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By Charles P. Pierce on April 12, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
 
TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊

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