約50年近く政治界で活躍し続けている新大統領には、変わらないスタイルの軸がありました。それは、政治家としての模範的で洗練されたスタイルです。
ペンシルバニア出身の元弁護士であるジョー・バイデン新大統領が、ホワイトハウスの新しい入居者になるまでの道のりには、周知のとおり波乱万丈な物語がありました。1987年と2008年に大統領選へ立候補するも破れ、3度目に挑戦した2020年大統領選で当選します。しかし、2020年11月に行われた大統領選挙で、投票記録を破り7400万票以上を獲得し、現職の大統領に勝っても、その戦いは就任直前の2週間前まで長引いたのです。
バイデン大統領の政治家としての人生は、1970年にデラウェア州のニューキャッスル郡議会議員に選出されたことから始まります。1972年にはデラウェア州の上院議員に当選し、アメリカ史上5番目に若い上院議員(当時わずか29歳)となりました。それから約50年にわたり政治に生涯をささげ、歴代最高齢(2021年1月現在で78歳)の大統領に就任したわけです。オバマ政権時代に副大統領を務めたことで民主党員としての基盤を固め、その軌道をこれから進もうとしています。そんな新大統領のキャリアの歴史は、2020年11年に一度振り返っています。
そんなバイデン大統領は、記念すべき就任式に「ラルフ ローレン」のスーツを選びました。歴代大統領と比べると、ちょっと異彩を放つ選択です。このことから、彼のスタイルに関心を持った方も少なくないでしょう。そこで今回は、バイデン氏の政治家としてのファッションがどのようなものであったのか? ここで1度振り返ってみましょう。
70年代ファッションは2021年の現代でもリバイバルしたり、振り返れば、メンズファッションの輝かしい時代でもありました。1973年に撮影された登院したばかりの頃のバイデン氏は、良いお手本と言えます。
大きなラペルつきのタイトフィットなジャケット、ロングカラーのシャツ、特大のネクタイ、当時のトレンドをよく知っていたかを示しています。
公式ポートレートの撮影にストライプシャツとポルカドットネクタイを組み合わせています。この写真が撮影されたのは1978年で、バイデン大統領が36歳のときです。
実は1987年にバイデン氏は、翌年の大統領選挙民主党予備選挙への出馬を表明していました。彼の人柄や知名度によって有力候補と見なされていました。ですが、同年9月に問題が発覚し、大統領候補指名予備選挙が始まる前に立候補を取りやめています。
その翌1988年には、脳血栓手術を受け一時危篤状態に陥るなど、波乱な80年代を過ごしていたのです。
写真は1983年に撮影されたもので、大きなラペルが特徴のベージュのジャケットにストライプのボタンダウンシャツ、無地のネクタイを合わせたスタイルです。そして、少し青ひげも残っているところがフレッシュな印象です。
残念ながら、就任式の恒例行事である舞踏会は、パンデミックにより開催されませんでした。なので、残念ながらバイデン氏のタキシードスタイルが確認できなかったので、過去の写真から振り返りましょう。
ご覧ください、1987年のガラディナーで完璧な正装スタイルを披露しています。非常に模範的です。再びこのスタイルを再現できる日が来るまで、待ち遠しいですね。
俳優のハンフリー・ボガードのように、コートを完璧に着こなす人はそうそういません。ですがバイデン大統領も、完璧と言えるでしょう。何の変哲もないステンカラーコートですが、実にハマって見えます。
就任式に選んだコートは、ラルフ ローレンのウール製でしたが、このコートはわれわれにより一層親近感をわかせるシンプルなもの。そんな定番のコートをここまでスタイリッシュに着こなしていたバイデン氏。これからも、その着こなしは見逃せません。
上院議員としての記者会見の数分前に撮影されたこの写真では、クラシックなスーツスタイルのバイデン氏がこちらに笑顔をむけています。
ストライプと水玉模様を組み合わせるのは、バイデン氏のお気に入りのようです。ここではネクタイでストライプを、靴下で水玉模様を見せています。
シンプルなスタイルの中に、ちょっとした遊び心を取り入れるバイデン氏のスタイル。その際に彼が頼りにしているブランドのひとつが、「ラルフ ローレン」です。
新型コロナウイルス感染症のワクチンを公開摂取する際に着用していたポロシャツは、実に印象的でした。
お似合いのサングラスを持っていない歴代大統領は、未だかつていない…と言っていいでしょう。ジョン・F・ケネディ氏のウェイファーラー、バラク・オバマ氏のクラブ・マイスターなど歴代大統領にはアイコニックなサングラスが必ずありました。
バイデン大統領は、レイバンのアビエイターがお気に入りのようです。
パンデミックの影響によって、形式的な式典やパーティー会場に参加するバイデン大統領が見られるのは、ずっと先になるでしょう。
その代わりにこの写真のように、チノパンと青と白のストライプシャツを組み合わせたシンプルかつリスクのないスタイルを見る機会のほうが多いことでしょう。
前任の大統領の失敗を繰り返さないためにも、バイデン大統領はSNSアカウントを新設しています。
アカウントは、@potus でPresident of the United Statesの頭文字を取っています。最高齢の大統領とは言え、SNSの運用やアップルウォッチなどの新しいガジェットも積極的に活用しているのです。
ウール混の3つボタンのジャケットに、黒いブレーカー、ブルーのシャツ、お気に入りのアビエイターグラス、そして手には「VOTE」とプリントされたマスクを持っています。
カーディガンではなく、ジップ付きのブレーカーを組み合わせることで、カジュアルなアビエイターグラスとマッチしています。
ダウンコートとジャケットは、全ての人が持つべき必須アイテムです。
2020年12月5日、生まれ故郷のデラウェアにある教会へと足を運んだバイデン大統領は、オフの日にも関わらず、スリムダウンでスタイリッシュで身軽なスタイルでした。
2021年1月20日(水)、ジョー・バイデン大統領は歴史上最も珍しい式典で、第46代大統領に就任しました。
パレードはなく、ゲストの数も少ない、縮小されたイベントでしたが、バイデン大統領が着用していたスーツは、「ラルフ ローレン」の実に偉大なスーツでした。
Source / ESQUIRE ES
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