【正しい呼吸法】トレーニングの効果を高める呼吸とリラックスしたいときの呼吸
ここで紹介するコツをマスターすれば、快適な気分で筋トレに取り組めるだけでなく、強靭な肉体を手に入れる手助けにもなるでしょう。
正しい呼吸法は、トレーニングの効果を高めるだけでなく、尿もれ・頻尿にも役立つというのです。本記事の後半から、皆さんの簡単に取り入れることのできる「呼吸法」の解説をしています。まずは、実際に「正しい呼吸法」のメリットに気付いた男性の物語をご紹介します。
◇正しい呼吸のメリットを見落としている人が多い
パワー・リフティング界でも屈指の名選手ブランソン・リリーさんは、「地球最強の人間」の一人として名をつらねています。彼はなんと380キロものバーベルをかついで屈伸を行うスクワットを成功させた、記録の持ち主でもあるのです。
ところが2014年のこと、膝(ひざ)のけがによってブランソンさんは試合に出場できなくなってしまいました。
彼は当時をふり返ってこう語ります。「自分の姿を鏡で見ずにはいられませんでした。元気いっぱいに見えること、自分に自信が持てるようになり強くなること…。パワー・リフティングに夢中になった理由はこれらがすべてでしたからね。でも、実際に向上したのは体の強さだけだったのです」と。
けが後の彼は、160キロ足らずのバーベルでスクワットをしただけで、トレーニング後にショッピングモールを歩いただけで息切れするほど体力が落ちてしまいました。「もし命の危険を感じたとしても、走って逃げることすらできなかったでしょう」と彼は振り返ります。
そうして膝のリハビリに取り組むことになったブランソンさん。このタイミングで、有名人やスポーツ選手、軍人などに正しい呼吸法を教えている臨床心理学者のベリッサ・ブラニック氏に出会うことになります。深呼吸には様々な効果があることは、すでに誰もが知るところでしょう。しかし、運動をする際のメリットについては、見落としている人が多く…ブランソンさんもその1人でした。