ジェームズ・ボンドが、映画『007 ゴールドフィンガー』および『007 サンダーボール作戦』で運転したものと同じ仕様に改造・整備されたアストンマーティン「DB5」が、このたびオークションに出品されます。落札予想額は、400万〜600万ドル(約4億3000万円〜6億5000万円)となっています。
 
 「映画やポップカルチャーの歴史の中で、アストンマーティン「DB5」ほど重要な役割をはたしてきたクルマはありません」と語るのは、競売会社RMサザビーズの自動車専門家であるバーニー・ルプレヒト氏。 
 
 RMサザビーズの説明によれば、この1965年型シルバーバーチ色の「DB5」は「本来つくられたとおりに機能するよう適切に整備されたもの」と記せられています。つまりこのモデルには、ボンドが気ままに使うあらゆる兵器やガジェットの数々も搭載されていうことになります。

 出品されるこのクルマは、もともと「007」映画の製作会社であるイーオン・プロダクションズが1965年の米国での宣伝イベントのために制作を依頼したものになります。そしてこのクルマ自体は、映画には登場することはありませんでした。が、これはボンドが『007 サンダーボール作戦』で運転したものとまったく同じものなのです。

An Original Aston Martin DB5 With James Bond's Gadgets Is Heading To Auction
(c)2019 Courtesy of RM Sotheby's

 つまりこのクルマには、イギリス情報局秘密情報部「MI6」の架空の研究開発であるQ課の最新技術が満載というわけなのです。『007 サンダーボール作戦』のボンドカーには全部で13の改造が施されていますが、このクルマではこれらすべてが忠実に再現されているというわけです。

 フロントウィンカーの後ろには、ブローニング30口径マシンガンを搭載。それに加え、格納式のタイヤスラッシャーに後方の防弾スクリーン、さらには回転式ナンバープレート、助手席の射出座席、オイル散布装置なども備わっています。とは言っても、オークションで落札後、「実際に敵を倒すために使いたい」という目的で購入しようと計画している方にはここでお伝えしておきましょう。それは無理です…。

 サザビーズが、本当に機能する機関銃が搭載されたクルマなど販売するわけはありませんから…。

An Original Aston Martin DB5 With James Bond's Gadgets Is Heading To Auction
(c) 2019 Courtesy of RM Sotheby's

 落札を検討している方への朗報としては、「DB5」のフロントシート下にある武器用の引き出がかなり使えるかもしれません。この引き出しは、本来は銃を格納するためのものですが、現代のドライバーであるなら、この素敵な引き出しにチュロス味の電子たばこを保管するのに好都合ではないでしょうか…。  

 

 
 

From Esquire UK 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。