SUV特集でも取り上げているように、もはやクルマ選びの新基準となりつつあるSUV。近年販売を伸ばしているボルボでは、その傾向は強くなっているようです。と言うのも、2018年の販売実績の上位3台はXC40を筆頭に全てSUVで全体の約41%を占めているとのこと。そこまで明確なSUV人気にもかかわらず、主力車種のV60にクロスカントリー(CC)という、エステート(ワゴン)なのか? SUVなのか? と一見すると、どちらにも解釈できるこちらのモデルを追加してきたのには訳があります。
いまSUVに乗られている方の中に、実はCCを選んだほうが幸せなカーライフを過ごせる方が少なくないことから、ボルボはラインアップに追加してきたのです。それに当てはまるのはズバリ、多人数乗車で長距離を走る方、多人数乗車で山道を走る方です。その方々はこのCCに乗るとSUVでは味わえない体験ができ、アクティブな使用シーンで魅力を味わえるはずなのです。
走らずとも分かる魅力から伝えていきましょう。
まずは全高が、立体駐車場に入る1505mmに抑えられていること。また、後半でその詳細に触れていますが、性能の中でも要望順位が急激に上がりだしている、運転支援機能やその延長線上にある支援系安全装置が、世界を見渡してもトップレベルで充実しているのも見逃せません。
もちろんヘッドレストの大きさやシートバックの高さなども十分で、かつて3点式シートベルトを開発し、その特許をクルマ社会の安全のために無償解放したボルボらしい、すべての席での安全と快適が確保された本質追及の造りがあります。
こうした機能面の要素に加えて、デザインもとても魅力的です。ボディーパネルに鋭く入ったエッジサインが、伸びやかでボリューム感のあるフォルムにシャープな印象を持たせています。北欧神話をテーマにしたトールハンマー形状のヘッドライトや内装の質感の高いつくりなど、高級セダンのような内外装の仕上がりも好印象。ラフロードを走れるのに武骨感や泥臭さなどが漂わない、ボディー色によってはタキシードさえ着こなせる雰囲気を漂わせているのです。
そして極めつきは、ストレスフリーの走り。より正確に言うと、同乗者を含めたストレスフリーの走りの良さを持っています。
着座位置がSUVほど高くないので、ガードレールの奥にある景色こそ本格SUVほど楽しめないものの、最低地上高は並のSUV以上の210mmもあり、実用的な走破力はとても高いのです。それでいて全高が抑えられているため、カーブでもグラつくことがありません。そこに静かな仕上げが相まって、運転がしやすいだけでなく同乗者が快適に乗っていられるわけなのです。
さらにこのCCは、しっとりと走るツーリングシャシーの味つけ。乗り味からも上質さを感じられます。もちろん、エンジンの余裕の出力などは他の「V60」同様にあり、この走る道を選ばない万能的な高級車の世界に一度触れてしまうと、離れられなくなること間違いありません。
走りの世界を広げるロードクリアランスとAWD
本格SUVに匹敵するほど、高めに設定された210mmというロードクリアランスや大径ホイールを採用。路面の状態、走行状況に応じて4輪それぞれに適切な駆動力配分を行うAWDシステムの搭載によって、未舗装路でもクルマを意のままにコントロールできます。
さらに急斜面や滑りやすい路面の下り坂で、安全な走行をサポートする「ヒル・ディセント・コントロール」も標準装備され、どこへでも行けると思わせる卓越したオフロードパフォーマンスを発揮。道が荒れていて先に行けない…そんな弱気な行動を遠ざけてオトコらしさもアピールできます。
幅広いシーンをサポートする先進安全・運転支援機能
乗員はもちろん、歩行者など車外の人を守る、革新的な安全・運転支援機能である「インテリセーフ」を標準装備しています。16種類以上におよぶ機能を搭載することで、危険回避能力を高め、ドライビングを楽しめる運転環境をつくり出します。
●お問い合わせ先/
ボルボ・カスタマーセンター
TEL 0120-922-662
公式サイト
【PROFILE】
五味康隆(自動車ジャーナリスト)
自転車トライアル世界選手権、4輪レースの全日本F3でも活躍した、ジャーナリスト。優れた運転技術と理論に基づく分かりやすい解説に定評あり。先進技術にも詳しい。YouTube「E-CarLife」チャンネルにてクルマ情報を発信中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。