◇「EV化に向かう」という選択
「フィアット500」の小型2気筒エンジンから出る排ガスを、これ以上削減できなかったとしたら…この先どうなるでしょうか? その答えは恐らく簡単かもしません、「EV化に向かう」という選択をすればいいのです。
そんな名解答を示してくれたのが、旧いクルマのレストモッドを得意とするアイコン社CEOのジョナサン・ワード氏とスタッフたち。彼らは電気自動車(EV)の専門家であるステルスEV社の協力を得て、1966年型のフィアット「500 ジャルディネッタ(ジャルディニエラ)」をとっても素敵なEV車へと変身させたのでした。
この「500ジャルディニエラ」には6つのテスラ・バッテリーと電動モーターを搭載し、可愛いらしい置物にも近い存在であったクラッシックカーをお洒落な日常車へと転換させたのです。なんと素晴しいことでしょう。
ですが…(ちょっと前の私も含めて)、これまでクラシックカーのEV化に対し、冷ややかな視線を向けてた方も多いのではなかったでしょうか。
◇フェラーリ「308」やジャガー「E」タイプのEV化の場合は?
フェラーリ「308」やジャガー「E」タイプのEV化の場合は、個性でもある彼らのエンジンを取り除いてしまったことは、「誤りである」ときっぱりと思えました。が、しかし、このフィアット「500」の場合は、元々からこのオリジナルの2気筒エンジンにはある意味、それほど特別な価値を見い出すことはできないままだったわけです…しかも、アメリカの道路においてはちよっとパワー不足でもあったわけで…。
今回のEV化への転換は、フィアット「500」のキャラクターをも変える機会となるでしょう。ここで紹介する動画でジョナサン・ワード氏が語っているように、「正真正銘、私たちが日常的に使えるクルマとなるでしょう。馬力が3倍になっているのですから…」なわけです。
販売となるこのフィアット「500」は、機能を向上させながらも本来のクルマの美しさを維持する豪華なアップデートがされています。
バッテリーチャージの残量やスピードを確認するメーターを、本来の「500」に搭載されているヴェリア(Veglia)製のそれに似たものにしているところが心憎いところ…私としては感動のポイントでもあります。特に素晴しい仕上がりになっています。
ジョナサン・ワード氏が運営するアイコン社は、もう乗れなくなったクラシックカーを「レストモッド(レストア+モディファイ:オリジナルをそのままレストアするのではなく、現代の技術も取り入れて改造しつつ創り上げること)」することで有名です。
そんな見地から見ても、このフィアット「500 ジャルディネッタ」は成功すること間違いなしでしょう。映像をご覧ください、とにかく素敵なのですから…。
Source / Road & Track
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。