• 中国で試験運転中の高速鉄道が、国内最速記録を超える時速385キロを叩き出しました。
  • この鉄道は2022年の北京オリンピックに向けた、超巨大鉄道プロジェクトの一環です。
  • 2019年の終わりまでに、約3200キロの線路を追設する予定です。

 中国のメディアによると、北京と張家口(ちょうかこう)を結ぶ京張高速鉄道で行われている試運転で、国内最速となる時速約385キロの記録が出たことが報道されました。これはこの鉄道のそもそもの設計速度を、およそ10%も上回っているそうです。

 この鉄道は、中国の首都である北京市と北西にある河北省の張家口市を結ぶ路線で、本線の全長は174キロ。張家口は「北京の北門」とも呼ばれている都市です。現在この都市間の移動には、約3時間かかります。ですが、この高速鉄道によって約1時間に短縮される予定となっています。

 しかし、乗客を乗せているときに、最高速度である時速385キロ出すことはまずないでしょう。そのときは、設計速度である時速350キロ程度に抑えるはずです。そして、中国が目指しているのは、速度だけではありません。
 
 中国国内の高速鉄道の運営を担う中国国家鉄路集団(CR)は、京張高速鉄道を世界初の運転監視付き自動運転鉄道にしたいと考えています。CRチームは車両整備ステーションで使用されるソフトウエアのデバッグをすでに開始しており、リアルタイムのデータ監視はこれまでのところ順調に実施できているようです。

 CRによると、路線上には人工知能をベースにした変電所が点在しており、鉄道の状態を監視。異変がないか常にチェックしているとのこと。また、ホーム上など乗客の周りでも最新技術が使われ、ロボットが列車に誘導したり、荷物を運んだりするそうです。

 京張高速鉄道は、2019年にCRが建設を予定している約3200キロ分の高速鉄道路線の一部です。CR社長の陸東福氏はメディアに対し、「国内の高速鉄道路線はもうすぐ3万キロを超える予定」だと語っています。特に北京に向けた路線の拡張は、2022年の北京冬季オリンピックに向けた計画の一つです。

 中国は高速化が進む鉄道に、熱い視線を注いでいます。

 2019年初め、CRは京張高速鉄道よりもずっと速い鉄道のプロトタイプを開発中だと発表しており、その速度は乗客を乗せた状態で時速600キロも出るように設計されているのだとか…。同じルート上を飛ぶ飛行機よりも速く、2021年までにプロトタイプの稼働を予定しています。

 オリンピック中には、観光客に北京以外の場所にも訪れて欲しいと考えており、これらの高速鉄道で中国国内の旅行もずっと楽になるでしょう…。とは言え、まだ「期待されている」という段階であることは否めません。

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From POPULAR MECAHNICS
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。