2019年1月3日、中国の宇宙船が月の暗い側(裏側)への着陸に成功しました。今回の着陸成功によって、人類はこれまで謎に包まれてきた月の裏側を初めて目にすることになったのです。とは言っても、ほとんど表側と同じようにも見えますが...。 
 
 AP通信によれば、中国国家航天局の探査機「嫦娥(じょうが)4号」は1月3日午前、月の裏側への着陸に成功したとのこと。

 この探査機から送信された写真によれば、そこには「ピンク・フロイドの『狂気 / The Dark Side Of The Moon』を流すレコードプレイヤー」の一群などありませんでした。ですが、月で最も古く最も大きなクレーターで、くぼんだ荒涼とした岩石質の表土が捉えられています。

 月の暗い側といっても、厳密には常に暗いわけではありません。この裏側は研究者たちにとってもほぼ未知の部分であり、表側とは組成が異なっているということ。嫦娥4号は、この地形を研究する予定となっています。

China's Chang'e-4 Probe Soft-lands On Moon's Far Side
China News Service//Getty Images

 人類が初めて月面着陸に成功したのは、1969年。今年2019年はあれからちょうど50年目ということで、この史上最も危険なミッションをアポロ11号で成し遂げた船長ニール・アームストロング(ライアン・ゴズリング)を主役に、彼の視点で描かれた映画『ファースト・マン』も2019年2月に公開されます。

 その後は米国や旧ソ連そして中国が、それぞれ月面への探査機の着陸に成功してきました。そして今回、中国は月の裏側に着陸した「初めての国」になったわけです。

 もし、ここで地球で有用な鉱物などが見つかった場合には、宇宙開発をすすめる他の大国も、躍起となることでしょう。

 「ニューヨーク・タイムズ」紙によれば、宇宙探索にますます関心を強めている中国は、3つ目の宇宙ステーションの運営や月への有人ミッション、火星探査なども構想していると言います。一方米国では、NASAが月に宇宙飛行士を送る計画や、今後数十年で火星に植民する計画を発表していますので、21世紀の宇宙開発競争は今後さらに激化することが予想できるでしょう。
 

 
 
 ちなみにNASAの探査機「ニュー・ホライズンズ」は、月から40億マイル(約64億キロメートル)離れた人類の宇宙探査史上最も遠い天体である「ウルティマ・トゥーレ(Ultima Thule)」の撮影に成功しました。 
 
 2019年は、たくさんの「人類初」が生まれる1年になりそうです。 
 
 
FromEsquire US 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。


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