インタビュー,原田知世

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01.
なぜ「エスクァイア」が
バズーカ岡田に
インタビューするのか?

幣サイト「Men’s Health」チャンネルの専任トレーナーでもある、フィットネスモデル望月あもんくん、その直々の師匠が日体大教授の岡田 隆氏(以降、岡田教授)。そんな氏は私のようなセミトレーニーたちからは、羨望のまなざしを浴びる筋肉賢者であり、さらに“魂のトレーニング伝道師=(大胸筋が歩いてる!!!)バズーカ岡田”として名の知れた人物です。

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そんな岡田教授が投稿するYouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」(チャンネル登録者24万8000)は、その方法に不安を抱くトレーニング愛好家ばかりでなく、既にボディビルターとして邁進するトレーニーたちからも拠り所とされ、身体づくりのコツが集結した宝庫です。世界の研究データと高次元な体験談を融合したその情報は、氏自身のコメント力・言葉の選択力も手伝って実に痛快、身体も心も芯から共鳴しまくるでしょう。ときに感動すら覚えるその内容はまさに岡田教授の持論である、「トレーニングは心と身体を鍛えるもの」であることを心地よく再確認させてくれます。

そんな岡田教授がこのたび、(私のような)まだまだ未熟なトレーニーたちの不安を一掃するために動き出してくれました。このコロナ禍、おうちでの筋トレ人口も増えたことによって筋トレ情報の需要もうなぎ上り。すると巷では、さまざまな筋トレ情報が飛び交うことに…。ですが、研究データなどのリファレンスおよびエビデンスに基づきながら、体系的にボディーメークの知識を唱えるべきトレーナーおよびパーソナルトレーナーというプロフェッショナルの世界には、実際のところ資格や免許がないのが現状。

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Takuya Sakawaki
訪れたのは、日本体育大学世田谷キャンパス内の岡田教授研究室。「大胸筋が歩いてる!!!」ポーズで、取材陣を迎えてくれた岡田教授。

つまり、正しい情報を得たいと願った際にわれわれは誰を信じ、誰をお手本にすればいいのか実際のところ迷ってしまう…そんな暗然たる世界に光を放つかのように、岡田教授は「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」を立ち上げてくれたのです。

その第1回検定(同年5月26日申込締切)は2022年7月3日(日)に開催。同時に監修者として、テキストも上梓。これに大いに興味を持った私は、その開催を前にこの検定の意義とともに、(この絶好のタイミングに乗じて)岡田教授の人となりを直接インタビューさせていただきました(笑)。

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02.
少年 岡田 隆はなぜ
カラダづくりに
こだわり続けたのか?

編集部/
高校時代から肉体系だったのですか?

岡田教授/小学校までさかのぼることになりますが、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『コマンドー』(1985年公開)がテレビで放映されていて、それを観たとき身体中に衝撃が走りまして…以来、筋トレを始めた。それがキッカケですね。当時テレビの映画番組では、アーノルド・シュワルツェネッガーに加えてシルベスター・スタローンなどが主演する肉体派の映画が頻繁に放映されていて、それに大きく影響されたわけです(笑)。

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Takuya Sakawaki
身体づくり=ボディメイクの重要性を語り始めた岡田教授。常に笑顔を絶やさず、われわれにもわかりやすい言葉で終止説明してくれました。

当時私は少年サッカークラブに所属していたのですが、ボールを蹴るよりも、体力補強のための筋トレのほうを一生懸命延々とやっていたという感じでしたね。そこからスタートして、東京都立西高等学校に入学してから筋トレを専門的にやるようになりました。そのままハマっていって、身体づくりの知識をさらに得るため日本体育大学(以降、日体大)進学を決めたという流れになります。

編集部/
小学校時代から筋トレの
知識はあったのですか?

岡田教授/いえいえ、最初は自己流でしたよ。小学生の頃はサッカーをやりつつ、そこでコーチが教えてくれた“筋トレのようなもの”を自宅でもやる…といった感じです。中学生になると、全生徒が部活に入らなくてはならない学校だったので。仕方なく一番負荷が軽いと思ったソフトテニス部に入りました。そんなわけで、もちろん部活自体にやる気は出ず、筋トレばかりをやっていましたね。

知識に伴った筋トレができたのは、西高に入ってからですね。そこには日体大卒の先生が柔道部の顧問をなさっていまして、その先生に柔道と筋トレを習っていました。加えて自分でも筋トレの本を読んでは、地元にある練馬区立総合体育館のトレーニング室で自分の限界に挑んでいましたね。

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Takuya Sakawaki

練馬区立総合体育館は区立というわけですが、設備的には都内でも有数なほうらしく、ボディビルダーもたくさんトレーニングしていました。かつては故・マッスル北村さんもそこでトレーニングしていたようです。そんな中に高校生とはいえども、まだまだ子どもだった自分はかなり圧倒されていましたね。本物の方たちも少年が筋トレやっているのを面白がって、いろいろ絡んでくるわけですよ(笑)。でも、なかなか楽しかったですし勉強にもなりました。

そうやって柔道部の先生には、柔道をさらに強くなるための筋トレを3年間みっちり教えてもらい、それに加えて地元の総合体育館では、マッチョなお兄さんたちに(雑学も含め)広義な筋トレの知識を授けてもらってきたという感じです。さらに自分でも本を買って、足りない部分を補足していきました。まさに自分にとって、それが大学受験の一教科のように…いやそれ以上に貪欲な気持ちで勉強しまくっていました。そうして志望のまま、日体大へ入学したというわけです。

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Takuya Sakawaki

いま振り返ると、当時筋トレの教本になるようなものなど、そうそうありませんでした。専門的な『月刊ボディビル』という雑誌はありましたが、それを読むのはもはやボディビルダーとして既に君臨している方々。いまの自分なら理解できますが…当時、まだまだ学ぶところが多い初心者から中級者にふさわしい教本的なものはありませんでした。なので、その頃の自分はまさに手探りでやっていたのです。

編集部/
つまり、自分も経験した不安から
皆さんを救いたいという
気持ちが今回のきっかけですか?

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Takuya Sakawaki

そんな私も、こんな検定に向けた教本がつくれるだけの筋トレ知識を真摯に学び続けてきたつもりです。とは言え、これまでお話したように(ボディビルダーとして)ステージに上る前までは、常に不安を抱きながら筋トレを行ってきた者の一人…。寄り道をすることも多々ありましたし、迷子にもなったりもしながら筋トレ人生を歩んできたようなものです。

そこで前々から募っていた、かつての私の時代とはちょっと違った「不安に苛まれている筋トレ好きの皆さんに向けて正しい道…さらに、いい意味での抜け道を案内しなければ…」という想いを具現化するひとつとして、このタイミングで日本プロパーソナルトレーニング指導者協会を創設させていただき、この「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」を開催させていただくことにしました。

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Takuya Sakawaki

YouTubeでの発信もそうなのですが、きちんとしたと筋トレの情報を世の中に伝播することで、よりその効果が実感できる筋力トレーニングを皆さんに体感して欲しいのです。筋トレやボディメイクはすばらしいものです。私自身、 「トレーニングは心と身体を鍛えるもの」、そして「身体づくりには、人生を変える力がある」ということを信じ、具(つぶさ)にそれを体感してきました。そんな筋トレをせっかく好きになってくれた方々が、間違ったトレーニングや食事法で効果が得られず、またはそれによって故障(怪我)を招き、そのまま筋トレから遠のいてしまったり嫌いになってしまったら悲しいじゃないですか…。

なので、例えば知識を得るための土台づくりとなる時期…小・中・高と学校の先生には教員免許が不可欠であるのと同様に、筋トレを教えるパーソナルトレーナーにもその人が“教える立場であるか?”“間違った知識を教える可能性はないか?”を見極める目安となりうるものをつくりたかったのです。

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03.
“筋肉少年 岡田”は
やがて“大学教授 岡田”へ
ベクトルの変化

岡田教授/これまで話してきたように私が少年だった頃(1980~90年代)は、筋トレ情報の需要も今ほどありませんでした。それが現在はかなり増えているということを、皆さんも同感してくれるかと思います。繰り返しになりますが、私たち世代は本当に筋トレ情報がない時代で、自分自身でトライ&エラーを繰り返し、その中で身体づくりを学んできました。 。

そんな現状から私は、「このままでは世界を目指す日本のトップアスリートの多くは、大成できないままになる」という不安感と「間違った筋トレを行うことで人生の浪費をしている」という悲愴感が徐々に高まります。そして、それを好転されることにひと役買えればと願ってトレーナーの仕事もするようになって、続いてYouTube配信も始めた次第です。

編集部/
自身のYouTubeでの発信と
「検定」創設との間に
思考の違いはありますか?

岡田教授/「検定」に関しては多くのパーソナルトレーナーの皆さんのために、自らの信頼度を可視化する証明にひとつになればと実現に向けて動き出しました。

かつての私は、自分の筋トレ効果を上げるためだけに筋トレ知識を積み重ねてきましたが、次第にアスリートの競技力向上のために、シニア世代の健康のために、そして現在ではボディメイクにまで対象が広がりました。また、そのベクトルはインプットだけでなく、アウトプットも積極的に行うように進化してきました。そうして進化できた自分自身の、「これも責務のひとつ」と考え、この時代にふさわしい「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」を創設させていただきました。

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コロナ禍となって「おうちトレーニング」も増えてきたということもあり、ボディメイクに関する情報が世の中に実際あふれまくっています。ですが、「まともな情報はごくわずか」といった印象で、さらにYouTubeに至っては「玉石混交になってしまっている」というところで…。そこで、「これでは一般の皆さんは、筋トレが好きになっても信頼性の高い情報にたどり着けない。」と感じたというわけです。

なので私自身、YouTubeチャンネルも開設して情報発信して、広く伝播しているわけです。が、それとは別に「ちゃんとしたパーソナルトレーナーがもっとたくさん存在することになれば、筋トレの魅力をさらに濃く伝播できるに違いない」 という考えに至ったのです。そうして私の監修する資格を得たトレーナーの皆さんが直接、エンドユーザーに指導するというカタチを取ることで、信頼性・安全性が担保された筋トレを享受する機会が増え、筋トレ愛好家の質と数がさらに拡大する…というふうに考え、このたび実現することになったというわけです。

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04.
アスリートから高齢者…
筋トレ情報の
アウトプット先も
時代によって拡大中

岡田教授/すでに、民間団体が認定するスポーツトレーナー向けの資格もいくつかあり、公益財団法人 日本スポーツ協会が認定するメディカル・コンディショニング資格である「公認アスレティックトレーナー」や、NSCAジャパンが認定するパーソナルトレーナーの資格「NSCA-CPT」や「CSCS」 などがそれです。もう20年以上も前からあるものもありますね。

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確かに、こうした資格を取得していれば、専門知識を持っている証明になります。ですが、これらの資格はどちらかと言うと、スポーツ選手=アスリートたちが対象で、そんな人たちのパフォーマンスアップを重視した上での資格とも言えるのです。そもそも筋トレ関係の研究に関しても、パフォーマンスアップをいかに効率的にできるか?の研究が先行していたので、資格に関してもまずはそんな視点からができたのだと思います。

編集部/
もはや筋トレは、
「アスリートだけのもの
ではない」ということですか?

岡田教授/はい、そのとおりです。この検定自体は、「新しい概念を打ち出す」というようなものではありません。現代の社会のニーズに対し、より高いクオリティで応えることのできる専門家を育成見することが主目的です。すなわち、時代性を加味すれば、こうした身体づくりの効率化を図る情報を発信する先、ターゲットはアスリートばかりではなくなっているということです。もちろん、「この資格を取得しても、アスリートへの指導はできない…」といったわけではありません。

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身体づくり=ボディメイクについて、社会における考え方は私の実感ではここ10年ほどでものすごく変わってきていて、10年前にはこのような資格制度を提案しても誰も反応しなかったと思いますね。私としては、2014年がその転機になった年だと思っています。

この年あたりから、RIZAP(ライザップ)の「2カ月で結果にコミット」と謳うCMが、とても印象的にテレビでバンバン流れるようになっていました。「筋トレとダイエットで身体は変えられる」ということが、日本国民に浸透したのが大きかったのではないでしょうか。 加えて、AnytimeFitness(エニタイムフィットネス)やJOY FIT24(ジョイフィット24)に代表される24時間営業の低価格会員制フィットネスクラブチェーンがブームを加速させます。また別の切り口では、2014年にはオードリー春日氏、2015年にはなかやまきんに君がボディビル大会で入賞してテレビ放映されるなど、ボディビル≒ボディメイク(筋トレとダイエット)の認知度向上に大きく貢献してくれたと思っています。

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2022年7月3日試験実施予定(2022年5月26日申込締切)の、第1回『パーソナルトレーナーBODYMAKE検定』のための公式テキスト。本書は、「Part 1 解剖学」「Part 2 栄養学」「Part 3 ボディメイク学~理論~」「Part 4 ボディメイク学~実技~」「Part 5 柔軟性の科学」の5部構成。これで試験対策はバッチリです。
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編集部/
ここ2年はコロナ禍となり、
健康&美容の観点からも
筋トレは一般化してかと思います

岡田教授/そのとおりですね。時代の流れが筋トレの地位を向上させてくれたことは確かです。そんなわけで需要が多くなったということで、ネット上ではそれに応えるカタチで筋トレ関連の情報はあふれ出しています。ですが、その中には真偽のほどが分からないものも少なくありません。

情報提供者は信じられるホストなのか? 確かな筋トレ知識の習得を重ねてきた人なのか? と余計なストレスを感じていては、効率的に筋トレに励むことなどできないでしょう。間違った人の情報を参考にして、無駄な時間を過ごすことほど悲しいことはありません。

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そして私はあるとき、私個人が正しい情報を提供することからさらに一歩二歩踏み出し、「正しい知識を積み重ねたパーソナルトレーナーを育成することこそ一番大事だ」と気づきを得ました。私がどれだけテレビに出ようが、どれだけ YouTubeでコツを話したとしても、 ネット上には無数の裏づけの取れていない情報にあふれているわけで、そんな情報に皆さんが出くわす確立のほうがはるかに大きいわけで…。

そこで少しでも皆さんが正しい情報と接する確率が上がるように、検定を創設することで私が正しいと認めるパーソナルトレーナーを数多く世に送り出したいと思ったわけです。本務である日体大では、トレーニングや怪我にまつわる研究をしてそれを元にトレーニング指導者の教育を行っていますが、そこに来ることができない人もいるし、社会人になってから改めて学びたいと思う人もいる。

この検定の創設によって学びの場を全国に開かれたものにし、優秀なトレーナーが増えることを願っています。そしてこの資格を契機に、さらに深く学ぶために大学に編入する、あるいは大学院に進学してより深く学ぶ。そんな向学心旺盛なトレーナーまで育成したいと願っていますし、そのレベルにならないとトレーナーの社会的地位は向上していかないと思っています。

編集部/
現状、岡田教授にとっての
この先に目標は何ですか?

岡田教授/まずは「筋トレを文化に、そして国民の習慣に」、それが今の僕にとってのゴールです。筋トレすることを、歯磨きなどと同じレベルの習慣にしたいですね。やらないと落ち着かない、というレベルで。そこまでいかなくても、週に2日とか3日は筋トレをやりたい、というくらいの感覚になってほしい。健康のために週に2~3日散歩をしている高齢者の方も少なくありませんが、散歩で確保できる身体へのメリットは限定的とも言えます。そこで、散歩とは違うメリットが多い筋トレも高齢者の方々に取り入れてもらえるような、そんな日常をつくりたいと思っています。

そして、筋トレを行うことが当たり前の日本にしたいのです。現在、コロナによる運動不足や、 多くの発信者の影響で徐々に筋トレ愛好家の数が増えていると思っています。そこで未だ届ききってないのが、高齢者=シニア層の方々だと思うので、そこは家族の中からアプローチをしていく事も有効なのではないかと思っています。

「日本のフィットネス参加率は3〜4%」と長年言われているのですが、それは全世代にならしているからだと思うのです。若い世代に絞ったなら、もっと高いと思います。そこに自宅トレーニングを加えると、20~30代の年齢帯は確実に上昇するというのが私自身の実感です。

さきほど「高齢者=シニア層」と触れましたが、それはここの年齢帯の方こそ筋トレをして「自分の身体は、自分でしか守れない」ということを実践していただきたいのです。

不運にも病気になってしまったとします。そこで医者にかかれば治療を医療保険で行ってくれて、回復へのサポートをすすめてくれるでしょう。でもそれは、病気に対して受け身な姿勢であり、自身の身体のケアを行う習慣はついていないので、また違う病気になる可能性もある…。あるいは病気はなくても、年齢とともに足腰が弱り、介護が必要になる。これも介護保険がありますが、家族の負担も増えます。病気も加齢による弱化も国からのお金や家族負担を増やすものなので、筋トレによって身体のケアを習慣化して、病気や介護を跳ねのけてほしい。元気な日本は筋トレから、それが日本の未来のためになるという想いです。

編集部/
でもシニア層の方の中には、
「筋トレ=マッチョ」という
呪文が残っているのでは?


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私もそこに、壁を感じています。例えば『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)に出演すると、さんまさんは私がその場で際立つように配慮してくれて、ある種のキワモノとしてイジってくれます。さんまさんにイジられると、笑いと共にかなりの影響力をもらたしてくれるのでとてもありがたいことです。

でもそこで、改めて思うわけです。「筋肉をつけること=身体づくりに注力することは、キワモノの趣味などではなく、一般の方々が日常に行うべき当たり前の健康管理法」と社会に認知してもらうよう努力しなければ…と。4月に准教授から教授に昇進することができた今年は、さらに貪欲に筋トレ文化の確立、そして幅広い年齢層への習慣化を目指していきたいと思っているのです。

そして、そんな道筋の中でも重要なフックとして、「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」の開催を行います。なので、信頼されるトレーナーを目指す皆さん、ぜひ受けてほしいですね。また、筋トレ知識をさらに深めたい筋トレ愛好家の皆さんにも受けてほしいと思います。そして家庭内では、両親や祖父母の健康管理、メタボが気になるお父さんのダイエット、部活の補強に役立ててほしい。そうやって、みんなで協力し合うことで、筋トレ文化を確立できればと願っています!

* * *

2016年の段階での話ですが、経済産業省「次世代ヘルスケア産業協議会の今後の方向性について」次世代ヘルスケア産業協議会(第7回)配布資料(2016年4月18日)によれば、2016年のフィットネスクラブおよびトレーニング関連の市場規模(推計)は7100億円とのこと。そしてこれが2025年には、1兆5900億円にまで拡大すると予想され、これに対して大和総研のレポートには、「積極的に健康づくりに取り組む高齢者は今後ますます増えそうだ」と述べられています。

しかしながら、それぞれのジムにはトレーナーが存在し、さらには個人的に筋トレを指導するパーソナルトレーナーも増えているわけですが、そこに確固たる資格や免許があるわけでもありません。「その指導は本当に正しいのか?」など、どこまでアカデミックな裏づけがあるのか不安に思う方々も少なくありません。

そうした中、昨今では筋肉で理想の身体を目指す身体づくり=ボディメイクの需要が高まりました。「痩せるだけではなくて、『ヒップアップ』『二の腕をスッキリさせたい』といった美容の面からと、『腹を割りたい』『岡田先生のように、大胸筋が歩いているように見せたい(笑)』など、部分的な身体づくり=精密なボディメイク を要望する方々が最近グッと増えています」と岡田教授。

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さらに続けて、こう言います。「筋トレは、ある程度の時間がかかるものです。皆さん貴重な人生を割いて筋トレに時間を割り当てているので、それが本当に有効のものなのか不安に抱くのも当然です。そんなわけで、『自分の筋トレ方法は大丈夫か?』という質問も昨今増えています」とのこと。

つまりは、アカデミックな知識の裏づけのない情報を参考に、自身の筋トレを実践し、あるいは情報提供している人がたくさんいるというのが現状です。そして、そんな状況を問題視した岡田教授に対し、「本当に正しいボディメイクの知識を広めてほしい」という周囲からの声に応え、テキストとともに資格取得のための「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」を立ち上げたというわけです。2022年7月には3級と2級の試験が行われ、翌2023年には準1級と1級も設定されるとのこと。解剖学や栄養学、ボディメイク学の理論や実技、柔軟性の科学などを総合的に学べるプログラムとなっています。

健康的に身体を変えたいという人が増えている中、そこで指導者側の知識が足りない場合、困るのは結局ユーザーである私たちです。この検定が広まり、きちんとした知識を有する指導者が増えれば、身体づくり=ボディメイクをきっかけに日本人の健康寿命もさらに延びることでしょう。

最後に岡田教授はこういます。

「元気な中年や高齢者が増えれば、医療費も介護費が少なくなり、家族の負担など諸問題も減っていくことと予想できます。個人的には医療費控除のように、国が制度として筋トレ推奨を促していただければと願っています。それに加えて、このような資格認定は、これまで筋トレに慣れ親しんだアスリートのセカンドキャリアにも役立つとも思っています」とのこと。

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目標は、「筋トレを文化にし、国民の習慣にまでする事」と力強く語る岡田教授。その先には「日本の健康寿命を延ばすこと」「アスリートたちのセカンドキャリアの拡張」と、ウェルネス分野におけるサステナブルな考えた方が根底にありました。

さらに、「私は2012年から2021年まで、柔道全日本男子チーム体力強化部門長を務めさせていただいていたので実感としてあるのですが、柔道の選手などは武道が必修となっている教職への道や警察など、就職先の選択も多いわけです。ですが多くの競技では、大学を卒業すると同時にその競技の継続が難しくなり、それを就職に生かすことも難しい。ある日本代表の選手たちは大学を卒業すると受け皿が少なく、日本代表を継続するのも難しくなるという現状…。ですが、アスリートとして体の知見は豊富にあり、経験や感覚を伝えることができるはずです。なので、まずはこの検定の認知に励んで、アスリートたちがこの資格を取得することで、セカンドキャリアを後押しができればとも考えています。いずれは国家資格のように!」と岡田教授。

そんな「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」を、「エスクァイア デジタル」としては応援していきたいと思います。

「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」

岡田 隆
Takashi Okada

日本体育大学 体育学部 教授/日本オリンピック委員会 科学サポート部門員/日本ボディビル・フィットネス連盟 ジュニア委員会 委員長/博士(体育科学)/理学療法士/ボディビルダー/骨格筋評論家:バズーカ岡田

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1980年、愛知県出身。東京都立西高等学校卒業後、日本体育大学 体育学部に進学。同大学大学院 体育科学研究科修了後に、東京大学大学院 総合文化研究科へ進み単位取得満期退学。トレーニングは「心と身体を鍛えるもの」をポリシーに、トップアスリートから一般の方まで、さまざまなフィールドでそれぞれに適した身体づくりを提案・指導している。究極の実践者でいる事を信条としておりボディビル競技に挑みつつ、骨格筋評論家「バズーカ岡田」として多くのメディアに出演。公式Youtubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者およそ25万人。『除脂肪メソッド』(ベースボール・マガジン社 刊)、『世界一細かすぎる筋トレ図鑑』(小学館 刊)近著『最高の除脂肪食』(ポプラ社 刊) などの著書は累計、累計100万部を突破。筋トレを社会実装することこそ最重要課題とし、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場としてパーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」や、ボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開。そして2022年7月には「プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定」(主催:日本プロパーソナルトレーニング指導者協会)を実施。さらにその公式テキストとして、『プロパーソナルトレーナーBODYMAKE検定 2級・3級対策テキスト』(主婦の友社 刊)を上梓した。ちなみに本サイト専任トレーナー、望月あもんくんの直属の師匠でもある。

バズーカ岡田公式サイト