映画「007」シリーズの次回作、『BOND 25』(仮題)に関する新しい断片的な情報が2019年6月に出回っていました。

 その中には、選考漏れしたプロジェクトの名前などが含まれていました。そして、私たちはこれまでに何度も話題になってきている事柄…つまり、イドリス・エルバが次のジェームズ・ボンド役に起用されるかどうかという話題も再び触れていたのです。
 
 最近エルバは、ジェームズ・ボンドを務めることにさほど惹かれておらず、黒人俳優が演じるジェームズ・ボンドなど絶対に許容できないと言う人たちからの反応に、「がっかり」しているとコメントしています。また、「必要もないの自分自身を難しい立場におくような真似」はしたくないとも述べていました。ただし、だからといって彼がボンド役にまったく魅力を感じていないわけでもないでしょう。 
 
「ジェームズ・ボンドというのは、やりたがっている俳優が非常に多く、誰でも知っており、とても愛されている役柄。観客をものすごい冒険の旅に連れて行くキャラクターです」とエルバは、『ヴァニティ・フェア』誌に語っていました。

 また、「もし、誰かから『ジェームズ・ボンドを演じてみたいか?』と尋ねられたら、『もちろん!』と答えるだろうね。ボンド役はとても魅力的さ。でも、それは私がはっきり口にしたことではない…つまり、『ああ、私は黒人のジェームズ・ボンドになりたい』ということではありません」とエルバは続けてコメントしています。 
 
 エルバはボンドについて話をするのが好きではないものの、彼は映画製作などオペレーションの観点から、「黒人のジェームズ・ボンドというのはナンセンスなものではないのでは」という意見を強調していることが、『ヴァニティ・フェア』の記事では指摘されています。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 また、「私たちが話をしていることは、あくまでもジェームズ・ボンドのことです」とエルバは言います。そして、「ボンドというキャラクターは、謎めいたほうが魅力的ではありませんか…」とエルバはコメントしています。 
 
 しかしエルバは、「黒人のジェームズ・ボンドという考えそのものへの拒否反応を示す一部の人たちの病的な反応」のせいで、彼自身ボンド役を引き受けたくなくなってしまったことも伝えています。それは物事が順調に進んでいる最中であるのに、反対している人が少しでも存在しているシナリオの中に自分を身を置くことへの不安からに違いありません。そんな状況は遠慮したくなる理由は理解できます。 
 
「世代的なものでしょうが、『そんなものはあり得ない』と言う方がいることを知るとがっかりするものです。その理由も、私の肌の色での判断なのですから…そんなときにもし私がボンド役を引き受けたとします。それが成功しても失敗しても、結局はまた肌の色が理由となるでしょう。いずれにせよ、私は必要もないのに自分自身を難しい立場に置くことになるのです」と、エルバは語りました。 
 
 今後イドリス・エルバは、ダニエル・クレイグ後任候補リストから名前が完全に外れることが予想されます。ですが、それはエルバにとって良いことに違いありません。ストレスを抱えながらボンド役を演じるのは、エルバの俳優人生に良いことなどありません。さらに、このこと自体に悩むことこそ大きなストレスになっているでしょうから...。 

 

 

From Esquire UK
Translation / Hayashi Sakawa 
※この翻訳は抄訳です。