ダイアナ妃が悲劇的な死を遂げた後も、妃の家族との緊張関係が続いていたようです。

 英国王室の歴史家で伝記作家のロバート・レイシー氏は、著書『Battle of Brothers』(原題)の中で、ダイアナ妃の葬儀を準備していた際、チャールズ皇太子が妃の弟チャールズ・スペンサーに対しある“無礼”な言葉を発していたことを明かしました。

 『ピープル』紙によると、スペンサーは姉ダイアナ妃の葬儀について、王室関係者と激しい議論を交わしていたそうです。具体的には、甥にあたるウィリアム王子(当時15歳) & ハリー王子(当時12歳)がロンドンのウェストミンスター寺院で行われた葬儀に参列する際、母親の棺の後ろについて歩くことに反対したそうなのです。

 レイシー氏は、「スペンサーは、もし自分の息子たちがそんな試練に耐えなければならないとダイアナ妃が知ったら、彼女は震え上がるに違いないと思いました」とし、スペンサーはチャールズ皇太子にその考えを伝えていたとつづっています。

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ダイアナ妃の棺の後ろを歩くチャールズ皇太子、ウィリアム王子、ヘンリー王子、妃の弟チャールズ・スペンサーたち

 しかし、皇太子は義理の弟とこうしたやりとりをするうちにダイアナ妃を侮辱するような言葉を発し、スペンサーは電話を投げつけるように切って通話を終えたそうなのです。レイシー氏は、この攻撃的なコメントの内容を明らかにはしていませんが、議論についてはこう書いています。

 「チャールズ皇太子は、息子たちと一緒に棺の後を歩くべきだと確信していましたが、スペンサーはそれに同意しなかったのです。スペンサーは、姉の葬儀が王室の行事に乗っ取られたことに家族を代表して怒りを感じていたし、特に幼い甥たちが公衆の面前で母の棺の後ろを1マイル(約1.6km)も歩くことには、断固反対していたのです」
ダイアナ妃 ウィリアム王子 ヘンリー王子 ロイヤルファミリー
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 このときのスペンサーの直感は、正しかったと言えるでしょう。2017年にハリー王子は、『ニューズウィーク』のインタビューで次のように答えています。

 「母が亡くなったばかりだというのに、私はその棺の後ろについて長い距離を歩かなければなりませんでした。何千人もの人々が私を取り囲み、テレビでは何百万人もの人々が私を見ていたのです。どんな状況であっても、子どもにこのような行為を要求するべきではないと思うし、今だったら起こり得ない話ですよね」

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From: ELLE JP