Netflixは、人気ドラマ『ザ・クラウン』のすべてのエピソードの冒頭に「フィクションである」との注意書きを表示すべきとの呼びかけに応じない方針を明らかにしました。2020年11月に配信が始まった同作のシーズン4は、「歴史的に正確ではない、事実に基づいていない」といった批判を受けています。

 しかし、Netflixは制作側もキャストも、この作品が「ドキュメンタリーではなくドラマである」ことは当初から明確にしてきたと主張。発表した声明では、次のように説明しています。

「私たちは常に、『ザ・クラウン』はあくまでもドラマであると述べてきました。Netflixの加入者は、この作品が歴史的な出来事におおむねもとづいたフィクションであることを理解していると確信しています」「そのため、注意書き(免責事項)を表示する予定はなく、その必要性があるとも考えません」

 イギリスのオリヴァー・ダウデン文化相は、視聴者がフィクションを事実と誤解する可能性があるとの見方を示し、このドラマは「素晴らしいフィクション作品」だが、「そのことは(エピソードの)冒頭で、明確にしておくべきだ」と述べていました。

 また、故ダイアナ元妃の弟であるスペンサー伯爵は、ファンがドラマのストーリーを「絶対的な事実として」捉えてしまうことを懸念し、「各エピソードの冒頭で、『事実ではなく、いくつかの実際の出来事にもとづいている』と明示すれば、『ザ・クラウン』にとっても非常に大きな助けになると思います」と発言していました。

ザ・クラウン netflix ロイヤルファミリー
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 『ザ・クラウン』シーズン4については英王室のメンバーの間から、チャールズ皇太子とダイアナ元妃の夫婦関係の破綻につながった出来事を“冷酷に、偏って”、描写しているとの批判の声があがっていました。

 また、王室筋にはドラマの内容が「誤りに満ちている」との見方もある一方、ダイアナ元妃の執事など一部の人たちは、「ほぼ正確である」とみているといいます。 

Source / Harper’s BAZAAR UK 

From: Harper's BAZAAR JP