『ESQUIRE』イギリス版の秋号で表紙を飾ったトム・ハーディ。彼はかなり身だしなみにも気をつかっているタイプなので、インタビューの中で服装や衣装に関する話題が出てきてもなんら不思議はないでしょう。
今回、近日公開予定(現段階では2021年公開予定としか公表されていません)の映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』で主演を務めるハーディを『ESQUIRE』イギリス版がインタビューした際にも、この作品で着こなしたある衣装についての物語も教えてくれました。ですが何分、誌面には限度があるということで割愛。そこで、ウェブ版でその貴重な告白を紹介することになりました。
そのウェアとはNFLの
スタジアムジャンパー
それは、この最新作でハーディが演じるヴェノムへと変容する以前の人間のキャラクターであるジャーナリスト、エディ・ブロックが着ているNFL(プロアメリカンフットボールリーグ)デトロイト・ライオンズのバーシティジャケット(スタジアムジャンパー)についてです。
このアイテムは、「1984年に公開された映画『ビバリーヒルズ・コップ』でエディ・マーフィー演じるアクセル・フォーリーが着ていたものを意識したもの」ということ(すでにEtsyではこのジャケットの販売が行われているので、ソニーが商品化してくれることを期待しましょう)。
今回の『エスクァイア』のインタビューには、ハーディの長年のスタントマンを務めるジェイコブ・トムリも参加しました。そして、2015年(日本は2016年)に公開された映画『レジェンド 狂気の美学』の話へと移ります…。
細い脚をカバーするテク、
「トリプルレザーパンツ」
この作品でハーディは、主役であるギャングのリーダーとして頭角を現したクレイ家の一卵性双生児であるレジナルドとロナルド・クレイを1人2役で演じました。その際、スタントマンとしてもう一人のハーディとなったトムリは、動きのないシーンにおいても可能な限りハーディと同じ体型であることを表現するため…特に肩のラインをハーディと同様に再現するよう、スーツの下に特別に誂えたワンピースを着ていたということを、ハーディが(トムリに悔しがられながらも)明かしてくれました。
そこでトムリはその悔しさからか、会話の腰を折ろうと「自分に足りないのは、僧帽筋(そうぼうきん)なんだ。ハーディに足りないのは足の筋肉だけどね」と指摘しています。
すると、「ジェイコブ(・トムリ)は、いつも俺の脚がやけに細いって言うんだよね」と切り返すハーディ。6月下旬にカーディフ(ウェールズの首都)で行われたこのインタビュー中は、Netflix向けの格闘技映画『Havoc』(2022年公開予定)をトムリと一緒に撮影中だったそう。そのため、この独占インタビュー中に明かされたトムリとの話は、これだけではありませんでした。
「『レヴェナント: 蘇えりし者』で覚えていることと言えば、何だろうね?」と、あのハードな名作についても話してくれたハーディ。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の2016年公開(2015年12月にプレミア公開)の映画で、レオナルド・ディカプリオと共に自暴自棄な毛皮の捕獲人を演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました(このときハーディは、主演男優賞候補のディカプリオと「負けたほうがタトゥーを入れる」と賭けをして負け、今ではその賭けを果たして「LEO KNOWS ALL(=レオはすべてを知っている)」と腕にタトゥーを入れています)。
この作品でハーディいわく、「三枚革のパンツ」を着用したということ。「それは脚を太く見せるためにやったんだけどね…」と言いながら、そこでなぜ“トリプル”と名づけたかの理由も解説してくれました。
「あのトリックは今思い返しても、イリュージョンのようにしか思えないね…。どうすれば、あんなスクワットで鍛え上げたような逞しい脚を手に入れられるか?って、みんな思っただろね。でもあれは、単純にレザースーツの下にジャージのパンツを3本はけば可能になるのさ(笑)」と言います。
楽観主義者なのか? それとも単なるサディストなのか? ハーディはすべてをポジティブに捉える人物でした。「ショートパンツじゃなくてよかったよ。もしショートパンツをはくシーンだったら、ジェイコブは僕と同じくらい脚を細く見せないといけないからね」と言いながら、ニヤリと笑います。
それを聞いて陽気に応えるトムリのほうは、まるでマゾヒストのようでした。彼はこんな風な返事をしています。
「もしそうなったら君のことを恨みながら、巨大な丘を駆け上ればいいだけさ」と…。
Source / ESQUIRE US