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ジャック・ニコルソンからヒース・レジャーまで、歴代ジョーカー俳優をランク付け

不気味な高笑いをする悪役キャラクターと言えば、ジョーカーです。

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ジャック・ニコルソンからヒース・レジャーまで、歴代ジョーカー俳優をランク付け
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 トッド・フィリップス監督の『ジョーカー』が、2019年10月4日から世界中で公開されました。

 この映画はすでにネット上における映画ファン・コミュニティーで、激しい賛否両論を巻き起こしています。こういった評価の中には、「ホアキン・フェニックスの演技はオスカーに値する」という声もあれば、「内容が単調」という見方もあり、一部の批評家は「今日の社会や政治のもとで『ジョーカー』のような映画は、危険なものとなる可能性がある」と非難しています。 
 
 この映画は最終的には、多くのオーディエンスに受け入れられることになるでしょう。とは言え、やはりジョーカーというキャラクターは、強烈な個性であることは忘れることはできないでしょう。それだけ、映画史に残る重要な役柄なのです。

 DCコミックスで、数十年にわたって描かれてきた極悪非道な「Clown Prince of Crime」(ジョーカーのニックネーム、「犯罪界の道家王子」の意)のこの役は、過去50年間数々の有名俳優たちに演じられ、一部の俳優にとっては出世のきっかけとなったり…ジャレッド・レトの場合は、評判を大きく落とす結果となりましたが…。ジョーカーという役柄は、普通のアメコミキャラクターを演じるのとはわけが違うのです。 
 
 ジョーカーは、恐ろしくも謎めいたバットマンの引き立て役であり、1940年にDCコミックスのビル・フィンガーとボブ・ケイン、ジェリー・ロビンソンによって生み出されました。おそらく、ポップカルチャー史上最も偉大なヴィラン(悪役)と言ってもいいでしょう。陽気で反社会的、純粋で凶悪なジョーカーという存在は、ある種のその後の映画製作における伝統にもなりましたし…。

 そして、ジェームズ・ボンドあるいはバットマンと同じように、新たなジョーカー俳優の決定は常に大きなニュースとなります。そこで「エスクァイア」US版編集部では、今回これまでにジョーカーを演じてきた数々の有名俳優たちを独自にランク付けしました。

 今回のランク付けには最新のジョーカー演じるホアキン・フェニックスは含まれておりませんので、ご了承ください。

第7位: ジャレッド・レト(『スーサイド・スクワッド』)

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Suicide Squad - Joker Extended Look (2016) - Jared Leto Movie
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 メソッド・アクター(*)のジャレッド・レトは、ジョーカーになりきるために徹底的なメソッド演技を実践し、共演者に動物の死骸や使用済みのコンドームを送りつけるといった奇行にまで及んだ…と伝えられています。
 
 忌々しくも滑稽なレトのジョーカーは、とてもじゃないですが見ていられないときもあり、『スーサイド・スクワッド』の台本もあまり好ましいものでなかったのは確かです。

*メソッド・アクターとは?
ロシア革命の前後を通して活動したロシア・ソ連の俳優で演出家であるコンスタンチン・スタニスラフスキーの影響を受けた、オーストリア=ハンガリー出身のアメリカの俳優であり演出家、演技指導者であるリー・ストラスバーグらアメリカの演劇陣によって、1940年代にニューヨークの演劇界で確立・体系化された演技法・演劇理論である「メソッド演技法」を体現する俳優たちのことを言います。

第6位:ザック・ガリフィアナキス(『レゴバットマン ザ・ムービー』)

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The Lego Batman Movie Extended TV Spot - Joker (2017) - Will Arnett Movie
The Lego Batman Movie Extended TV Spot - Joker (2017) - Will Arnett Movie thumnail
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 フェイクトーク番組『Between Two Ferns』で、ドタバタ劇を演じるコメディアンのザック・ガリフィアナキスですが、彼は声優としてジョーカーを演じたことがあります。 
 
 ガリフィアナキスは、コメディドラマ『Baskets』での道化のスキルを活かし、アニメーション映画『レゴバットマン ザ・ムービー』を驚くほど愉快な作品にしてくれました。

 このランキングのほとんどのジョーカーに比べれば、恐ろしくも卑劣でもありません。が、ガリフィアナキスのジョーカーはこの俳優同様に、大げさかつ風変わりで記憶に残るキャラクターでした。

第5位:キャメロン・モナハン(『GOTHAM/ゴッサム』)

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 フォックス/ワーナーブラザーズによるドラマシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』は、ブルース・ウェインがバットマンになる以前のゴッサムシティーを描いた前日譚(事件が発生する前の時系列における出来事)でした。

 このドラマで、真のジョーカーが最終的に明らかになったのは第5シーズン前後。その過程では数多くのミスディレクション(注意を意図していない別の所に向かせる現象)が視聴者を惑わしてきました。 
 
 しかし、最終シーズンでは、ついにキャメロン・モナハン演じるジョーカーが登場しました。そんな彼の驚くほどグロテスクで傷だらけの顔は、まるでフランケンシュタインの怪物のようでした。

 このシリーズの多くの要素とは違い、『GOTHAM/ゴッサム』のジョーカー誕生のきっかけは、原作コミックにかなり忠実なものでした。モナハン演じるジェレマイア・ヴァレスカが、エース化学タワーの酸のプールに落ちて変身を遂げる部分は、ティム・バートンが手がけた『バットマン』とかなり似ています。モナハンが演じたジョーカーは、短命ながらも素晴らしいものでした。

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第4位:シーザー・ロメロ(TVドラマ『バットマン』)

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Alfred vs The Joker
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 ロメロが演じたジョーカーは、このランキングの中でも最も物議を醸すジョーカーかもしれません。

 ジャレッド・レトやヒース・レジャーのような俳優は、不快で狂気に満ちたジョーカーを演じ、最近、ちょっとした論争の対象となったロメロによるユーモラスなジョーカーです。

 1960年代のテレビシリーズ版『バットマン』と同様に、ロメロのジョーカーは愚かで間抜けなキャラクターだったのです。このTVドラマシリーズの長年のファンには、恐ろしいというより、風変わりなロメロ版ジョーカーを正統と考える人もいるでしょう。ですが、人によっては、「あまりに漫画的過ぎる」という見方もあることは否めないでしょう。

 ジョーカーについては、「よりリアルであるべき」という意見もあれば、「コミカルであるべき」という意見もあるでしょう。ですが、ロメロがこのキャラクターの不朽の遺産たる大きな特徴をもたらしたことは、誰も否定できないことは確かです。

 ちなみにロメロは、撮影にあたって口ひげを剃るのを拒否したと言い、よく見ると、白くメイクされた彼の唇の上にはヒゲが残っています

第3位:ジャック・ニコルソン(ティム・バートン版『バットマン』)

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Batman (1/5) Movie CLIP - You Can Call Me Joker (1989) HD
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 ジャック・ニコルソンのキャリアを再び活性化させたこのジョーカー役。ここでニコルソンは、史上最高の演技を見せた役柄のの1つと言ってもいいほどの当たり役でした…。

 ニコルソンはロメロ版ジョーカーの陽気さとともに、1940年のオリジナル版『ジョーカー』で表現されたルーツ的なダークさのバランスを完璧に取ってみせたのです。

 バートンによる気味の悪い世界観、プリンスやダニー・エルフマンの楽曲を含むサウンドトラックにも後押しされ、ニコルソン版ジョーカーは、映画史を代表する伝説のキャラクターとなったわけです。 
 
 結局のところ、ニコルソン版ジョーカーの素晴らしい点は、このキャラクターが100%ニコルソンから生み出されているという点にもあるでしょう。

 彼は自らのブランドを知ってのうえで、これをティム・バートンによるバットマン映画にうまく合わせたわけです。マイケル・キートンがバットマンを演じたこの映画は、アメコミ実写化の復活の手助けとなり、現在のアメコミ映画黄金時代の土台を築いたと言っても過言ではなりません。

第2位:マーク・ハミル(アニメシリーズ版『バットマン』)

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Mark Hamill: All Joker Roles
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 マーク・ハミル版のジョーカーは、一般の人にはあまり馴染みがないかもしれません。しかし、多くのバットマンファンにとって、アニメシリーズ版バットマンに登場するシャープかつ狡猾でハイエナのようなジョーカーを演じた声優と言えば、ハミルなわけです。 
 
 ハミルについては、「スター・ウォーズ」シリーズのルーク・スカイウォーカー役で覚えている人がほとんどかと思いますが、この伝説的な「スター・ウォーズ」俳優が現在の名声を得るまでの過程では、実は声優としての仕事が大きく貢献しました。バットマンの声優を務めたケヴィン・コンロイとともに、ハミルは見事にジョーカーを演じてみせていたのです。

 特に、アニメシリーズに極めて複雑で、魅力的なキャラクターであるハーレイ・クイン(ジョーカーのパートナーで悲劇的な虐待やカルト的マインドコントロールの被害者でもあります)が登場すると、彼の演技にはさらに磨きがかかりました。

 クインがそばにいるときのジョーカーは、より力強い存在となり、極端な緊張や恐怖をもたらしたものです。彼は常に自らの愛するパートナーと、犯罪の首謀者としての人生のどちらを取るか迷っていました。 
 
 将来、マーク・ハミルが演じる実写版ジョーカーを見ることはなさそうですが、この俳優の声は、永遠にジョーカーと結びつけられることでしょう。

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第1位:ヒース・レジャー(『ダークナイト』)

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Joker ( Heath Ledger ) Mob Scene
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 クリストファー・ノーランは、バットマンを現代的に再解釈しました。ノーランが手がけた『ダークナイト』3部作は、ヒーロー映画の概念を変え、バートン時代の不気味な世界観は「9.11」後のアメリカのより恐ろしくリアルなものへと変化を遂げました。

 そして、ノーランが描いた監視やテロリズムに取り憑かれたゴッサムシティーにぴったりだったのが、完璧な混沌を体現したヒース・レジャーのジョーカーだったのです。ロメロやニコルソンとは違い、レジャーのジョーカーは本当に精神障害の極みを演じていました。 
 
 レジャーはジョーカーの役づくりにおいて、トム・ウェイツや『時計じかけのオレンジ』、昔のコミックの文章などから難解かつ意外なヒントを得たと伝えられています。

 もちろん、ヒース・レジャー版ジョーカーの華麗なる遺産は、私たちが現在も嘆き続ける悲劇的な結末とも言えるでしょう。レジャーは『ダークナイト』の劇場公開さえ始まる前に亡くなり、死後にアカデミー助演男優賞を受賞。これはハリウッド最大の悲劇となりました。

 彼のキャリアの幅は、この俳優に圧倒的な演技の才能があったことを示しています。レジャーのジョーカーとしての演技は、実に衝撃的であり、このキャラクター史上最高の演技だったと言うしかありません。

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From Esquire UK 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です

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