Netflix、HBO、Amazonが、エミー賞を総なめするような番組を制作している現在、多くの映画スターがテレビの世界に参入し、そのキャリアの中でも最高の仕事を見せている者もいます。
そこで、大画面から小さな画面へと転向した俳優たちをご紹介しましょう。
ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)
キッドマンはデビュー当時、オーストラリアのテレビのミニシリーズ『A Country Practice』(1981年)、『陽のあたる街角』(1987年)、『Bankok Hilton』(1989年)などに出演していました。アメリカでは大物映画スターとして知られていますが、HBOシリーズ『トップ・オブ・ザ・レイク 〜チャイナガール』(2013-2017年)でジュリア役を演じ、この期間はテレビへと転向しました。もちろん、HBOの『ビッグ・リトル・ライズ』(2017-2019年)の出演も有名です。
ダコタ・ファニング(Dakota Fanning)
ファニングは、ショーン・ペンやミシェル・ファイファーと共演した『アイ・アム・サム』(2001年)でルーシー・ドーソンを演じ、7歳でデビューしました。
2018年に放送されたクライムドラマ『エイリアニスト』(TNT)では、街で女性初の刑事になることを目指す秘書のサラ・ハワードを演じています。
ジュード・ロウ(Jude Law)
『クローサー』(2004年)、『ハッカビーズ』(2004年)、『オール・ザ・キングスメン』(2006年)など、大作を中心にキャリアを積んできたロウですが、HBOの『ヤング・ポープ 美しき異端児』(2016年)でテレビにも軸足を伸ばしました。このドラマでは主人公の役を演じ、続編となる『ニュー・ポープ 悩める新教皇』(2020年)にも登場します。
また、HBOの新シリーズ『サード・デイ 〜祝祭の孤島〜』(2019年)では、サム役を演じています。
エマ・ストーン(Emma Stone)
ストーンは、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007年)のジュールズ役でブレイクし、過去10年間にわたって映画界でのキャリアを築き上げてきました。
すると2018年には、Netflixの『マニアック』でテレビ番組での主演をつかみ、アニー・ランズバーグ役としてジョナ・ヒルと共演しました。これは、『ラ・ラ・ランド』で初のアカデミー賞主演女優賞を獲得した1年後のことです。
クリスティーナ・リッチ(Christina Ricci)
リッチは『アダムス・ファミリー』のウェンズデー・アダムス役でおなじみですが、『Z: The Beginning of Everything』シリーズでは、主役のゼルダ・フィッツジェラルド役で実在する風変わりなキャラクターに挑戦しています。
アンジェラ・バセット(Angela Bassett)
『マルコムX』(1992年)や『ステラが恋に落ちて』(1998年)などの映画で知られていますが、近年はテレビでも活躍しています。
『アメリカン・ホラー・ストーリー』のシーズン8ではマリー・ラボーを演じ、Netflixの『マスター・オブ・ゼロ』ではエミー賞を受賞した「サンクスギビング」のエピソードで、リナ・ウェイスの役柄の母親として娘のセクシュアリティに悩むキャサリンを演じています。
ブレイク・ライヴリー(Blake Lively)
ライヴリーは、映画『旅するジーンズと16歳の夏』(2005年)で顔を知られるようになりましたが、テレビドラマシリーズ『ゴシップガール』(2007-2012年)のセリーナ・ヴァンダーウッドセン役で有名になりました。
エイミー・アダムス(Amy Adams)
アダムスは『ザ・オフィス』の初期のエピソードなど、テレビ出演したことは以前にありました。ですが、そのキャリアが本格的になってからは、主に映画に専念し、『Junebug(原題)』(2005年)、『アメリカン・ハッスル』(2012年)、『スーパーマン』2作(2013年、2016年)などに出演しています。
そして2018年には、HBOの『KIZU -傷-』でミステリアスなカミール・プリーカー役を演じ、再びテレビ出演もするようになりました。
ドン・チードル(Don Cheadle)
チードルは何十年もの間、映画でおなじみの顔でした。『ブギーナイツ』(1997年)や『アイアンマン』、『オーシャンズ』シリーズなど数多くの映画に登場しています。
米Showtimeのドラマ『House of Lies(原題)』(2012-2016年)では、経営コンサルタントのマーティ・カーン役を演じ、テレビに本格デビューして大きな話題となりました。
メリル・ストリープ(Meryl Streep)
アカデミー賞を3度受賞しているストリープは、HBOの『ビッグ・リトル・ライズ』シーズン2(2019年)で、かつて『めぐりあう時間たち』(2002年)で共演したニコール・キッドマンの義理の母である、やや悪役のメアリー・ルイーズを演じてテレビ進出しました。
また2003年には、HBOのミニシリーズ『エンジェルズ・イン・アメリカ』に出演し、エミー賞を獲得しています。
ジョナ・ヒル(Jonah Hill)
エマ・ストーンと同様に、ヒルも2007年の『スーパーバッド』のような中期のコメディ映画で大ブレイクしました。その後、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013年)などの本格的なオスカー候補作に出演しています。
ですが最近では、2018年のNetflix作品『マニアック』で、統合失調症から立ち直ろうとする悲しいニューヨーカー、オーウェン・ミルグリム役を演じ、初めてテレビの主役を務めました。
ジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)
ロバーツは、映画『マグノリアの花たち』(1989年)や『プリティ・ウーマン』(1990年)などの名作で、まさに「アメリカの恋人」としてそのキャリアをスタートさせました。
現在、そのレッテルとは決別したとも言える彼女は、Amazonのスリラーシリーズ『ホームカミング』(2018年)で、帰還兵士が市民生活に移行するのを支援する施設で働くケースワーカー、ハイディ・バーグマン役に挑んでいます。
マシュー・マコノヒー(Matthew McConaughey)
マコノヒーは、2014年の映画『ダラス・バイヤーズクラブ』でついにアカデミー賞主演男優賞を手にしていますが、同年のHBO作品『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』でも、ラスト・コール刑事役でテレビ出演しています。
ナオミ・ワッツ(Naomi Watts)
映画『マルホランド・ドライブ』(2001年)と『キング・コング』(2005年)で有名なワッツは、最近多くのテレビ番組に出演するようになりました。
2018年にはNetflix作品『ジプシー』で、問題を抱えたセラピスト役で出演。2019年にはShowtimeのミニシリーズ『ザ・ラウデスト・ボイス-アメリカを分断した男-』で、FOXニュースのキャスターであるグレッチェン・カールソン役を演じています。
ペネロペ・クルス(Penélope Cruz)
クルスは映画『それでも恋するバルセロナ』(2008年)でアカデミー賞を受賞しており、そのキャリアを大画面のスクリーン上築き上げてきました。
すると2018年には、ライアン・マーフィー監督のFXドラマ『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』で、ファッションアイコンのドナテラ・ヴェルサーチ役を金髪で演じ、エミー賞にノミネートされました。
ウィノナ・ライダー(Winona Ryder)
ライダーは、映画『ヘザース/ベロニカの熱い日』(1988年)、『ビートルジュース』(1988年)、『17歳のカルテ』(1999年)など、カルト的な名作に出演してキャリアを築いてきました。
そうして2016年にが、Netflixのドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で、モンスターと戦う献身的な母親ジョイス・バイヤーズ役を演じています。
ウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)
シチュエーション・コメディであるテレビドラマ『チアーズ』(1985-1993)のウッディ・ボイド役を演じながら、『デビルアイランド』(1987年)や『Killer Instinct(原題)』(1988年)などのテレビ映画にも出演していました。
ヘレン・ミレン(Helen Mirren)
ヘレン・ミレンは、2006年の映画『クィーン』でエリザベス女王を演じてアカデミー主演女優賞を受賞し、ブロードウェイの経験もあります。
そんな彼女は、テレビドラマ『第一容疑者 希望のかけら』(1991年~2006年)のジェーン・テニスン刑事役でも知られています。HBOの『Catherine the Great』(2019年)ではロシア皇帝を演じるなど、ますますテレビに進出するようになっています。
リース・ウィザースプーン(Reese Witherspoon)
リース・ウィザースプーンは、映画『マン・イン・ザ・ムーン/あこがれの人』(1991年)で主人公のダニー・トラント役を演じて以来、映画に出演してきました。また、テレビドラマ『フレンズ』(1994-2004年)でレイチェル・グリーンの妹ジル役を演じるなど、テレビのゲスト出演もしています。
しかし、自身の制作会社「Hello Sunshine」を立ち上げてからは、HBOの『ビッグ・リトル・ライズ』(2017年)やApple TV+の『ザ・モーニングショー』(2019年)などの人気テレビ番組の制作や出演を始めています。
Netflixのトークショー『Shine On with Reese』(2018年)では、各業界で目覚ましい活躍をする女性を取り上げています。
ジョン・トラボルタ(John Travolta)
トラボルタは映画『グリース』(1978年)で大ブレイクし、その後も映画で素晴らしいキャリアを積んできました。
多くの映画俳優と同様に彼も、2016年にFXのトゥルー・クライム・アンソロジーテレビシリーズ『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』で、敏腕プロデューサーであるライアン・マーフィーがつくるテレビの世界へと引き込まれました。
この番組では、1995年の悪名高い裁判におけるシンプソンの弁護人ロバート・シャピロを演じ、エミー賞に初ノミネートされました。