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「007」シリーズ映画のテーマソングに起用された楽曲アルバム集

歴代のジャームズ・ボンドが活躍する映画『007 ゴールドフィンガー』から『007 ノータイム・トゥ・ダイ』まで、「007」シリーズで起用された楽曲をまとめてご紹介します。

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preview for Bond 50: James Bond celebrates 50 years in movies

ジェームズ・ボンドシリーズ映画は監督や俳優は変われど、コアとなる部分はブレることなく継承され続けています。当然映画のオープニングシーンもそのコアの主要部分であり、昔からの伝統的な演出が引き継がれています。

スクリーンを横切ろうとするボンドが真ん中まで歩いたところでいきなり拳銃(ベレッタのときもワルサーのときも)を撃ち、そして上から血が流れたかのようにスクリーンが赤に染まっていく…。これはタイトル・デザイナー界の巨匠モーリス・ビンダーがデザインしたオープニングタイトルであり、いわゆる“ガンバレル・シークエンス”として多くの人々に愛され続けています。これを毎回楽しみにしている人も少なくないはずです(そんな中、ちょっと変わったオープニングタイトルを実施した、ダニエル・クレイグ版ボンド第一弾『カジノ・ロワイヤル』もかなり素敵ですが…)。

そして、そんな高次元に様式化されたタイトルクレジットを背景に流れ出すオリジナルテーマソングも、われわれの胸の高鳴りをさらにピークへともたらしてくれます。これから始まるアクションの数々のトーンを反映したメロディとテンポで、そのエピソードに現代の息吹を吹き込んでいます。そんなわけで、ダニエル・クレイグのボンド映画ではショーン・コネリー時代のような滑らかなテーマソングを聴くことはできないというわけです。

とは言え、いつの時代のテーマ曲も、観ているわれわれの思い出の栞になったかのように、その時代に自身がどうであった?を思い起させてくれながら、このスパイ映画の深い魅力を再確認させてくれるものなのです。ここでは最新作『007 ノータイム・トゥ・ダイ』のヒットを記念して、歴代のテーマソングを公開順にご紹介します。

マット・モンロー「From Russia With Love」

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FROM RUSSIA WITH LOVE (MATT MONRO) - JAMES BOND 007 .
FROM RUSSIA WITH LOVE (MATT MONRO) - JAMES BOND 007 . thumnail
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シリーズ2作目となる1963年英公開の『007/ロシアより愛をこめて』は、オープニング用のオリジナル曲が初めてつくられた作品になりました。ただし、最終的にその曲はオープニング・タイトルでは使用されず、前述のモーリス・ビンダーがデザインした“ガンバレル・シークエンス”のみで物語は始まります。

結局、エンディングのあたりで、このマット・モンローによるボーカルが流れ出すことになりました。しかし、この作品の“ガンバレル・シークエンス”の際に映るボンドは、果たしてショーン・コネリーであるのか? 怪しいものです。ぜひ、ご確認ください!

シャーリー・バッシー「Goldfinger」

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Shirley Bassey "Goldfinger" - Live at Royal Albert Hall, 1974.
Shirley Bassey "Goldfinger" - Live at Royal Albert Hall, 1974. thumnail
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ボンドシリーズ3作目となる1964年英米公開の『007/ゴールドフィンガー』で、初めてオリジナル曲がオープニングで流れ出します。とは言え本編開始後、およそ5分あたりからになります。

これがボンドシリーズのスタンダードとなった作品と言っていいでしょう。そして、シャーリー・バッシーの声高なヴォーカルとオーケストラの組み合わせは、ボンドのように不可能を可能にしています。

トム・ジョーンズ「Thunderball」

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Thunderball Theme Song - James Bond
Thunderball Theme Song - James Bond thumnail
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『007/ゴールドフィンガー』(シャーリー・バッシーが歌っています)に続いて1965年英米日公開の『007 サンダーボール作戦』でも、ウェールズ出身の歌手がマイクを握っています。この作品は、4分44秒あたりから流れ出します。

そして、トムが「サンダーボルト」と歌うタイミングで、「Thunderball」と2つのタイトルが重なって表示されるのが中々の快感です。

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ナンシー・シナトラ「You Only Live Twice」

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Nancy Sinatra - You Only Live Twice (HQ)
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冒頭のムーディーな弦楽器の音色と、ナンシー・シナトラの陰鬱な声は見事マッチしています。印象的なサイケデリック・ナンバーであり、60年代後半にふさわしい、ダークでロマンティックな曲です。

1967年公開の『007は二度死ぬ』のテーマソングに、シナトラは最初から起用されたわけではありませんでしたが(ボンドのプロデューサーは当初アレサ・フランクリンを希望していましたが、当時『These Boots Are Made for Walkin'(にくい貴方)』をヒットさせた新進気鋭のシナトラを起用したのでした)、このテーマソングは最終的に彼女の最も有名なヒット曲のひとつとなりました。

この作品は少々気をもたせ、6分10秒あたりから流れ出します。

ルイ・アームストロング「We Have All the Time in the World」

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LOUIS ARMSTRONG - All The Time In The World
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唯一、ジョージ・レーゼンビーがボンドを演じた作品である第6作目、1969年公開の『女王陛下の007』でのオープニングそしてエンディングは、ジョン・バリーが作曲したインストルメンタルでした。

それはそれで素敵なのですが、やはり忘れることができないのはこの“サッチモ”ことルイ・アームストロングが歌うこの挿入歌です。なので、他のボンドソングの中では異彩を放っていす。もちろんこの曲は、ボンド映画の作曲家である前出のジョン・バリーが作曲したものです。

この曲は、ルイ・アームストロングの象徴的なヴォーカルのおかげで、他のどの曲よりもスタンダードさを感じることができます。この曲が流れ出すのは、本編開始後35分20秒あたりからになります。

シャーリー・バッシー「Diamonds Are Forever」

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ダイヤモンドは永遠に / シャーリー・バッシー
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1971年公開の『007 ダイヤモンドは永遠に』は、ショーン・コネリーがイーオン・プロダクションズが製作する最後の出演作であることで最もよく知られていますが(しかし、彼は1983年に『サンダーボール』のリメイクのような『ネバーセイ・ネバーアゲイン』で復帰しています。が、これはこのシリーズではありません)、シャーリー・バッシーがボンドのテーマソング歌手として2度目の出演を果たした作品でもあります。この曲は、本編開始後4分55分あたりに猫ちゃんの鳴き声とともに始まります。

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ポール・マッカートニー&ウィングス「Live and Let Die」

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Live And Let Die Theme Song - James Bond
Live And Let Die Theme Song - James Bond thumnail
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ボンド役がロジャー・ムーアに変わった1973年公開の『007 死ぬのは奴らだ』では、他のボンドのテーマソングとは異なり(というか、ほとんどの曲がそうなのですが)、それこそがこの曲が人気の理由となっています。

穏やかなバラードから始まり、ロックオペラのようなサウンドを経て、本格的なファンク・ジャムへと展開していきます。4分弱の長さにもかかわらず、大規模なオーケストレーションと自由奔放な構成により、この曲は大きく壮大なスケールを感じさせます。

1991年には、ロックバンドのガンズ・アンド・ローゼズが記憶に残るカバー曲を発表しています。これは、映画の後ろ盾によるものではなく、楽曲自体が単独で支持されていることを証明しています。

ちなみに本作では、開始後4分54秒あたりから流れ出します。

ルル「The Man With the Golden Gun」

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The Man With The Golden Gun
The Man With The Golden Gun thumnail
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ポピュラー音楽のジャンルのひとつであるブルー・アイド・ソウルのアイコンとなったルルは、ポップなスタイルが特徴で、彼女の最大のヒット曲は元気で生き生きとしています。

そしてそのスタイルを、この1974年公開の『007/黄金銃を持つ男』のテーマソングにも盛り込んでいます。本編開始後8分17秒あたりで、蝋人形のボンドが銃に撃たれたあとに小気味よく流れ出します。

カーリー・サイモン「Nobody Does It Better」

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"The Spy Who Loved Me" Opening Credit Sequence
"The Spy Who Loved Me" Opening Credit Sequence thumnail
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1977年公開の『007/私を愛したスパイ』は、タイトルを歌詞に取り入れてはいますが、映画と異なる楽曲タイトルを持つ初めての曲でした。カーリー・サイモンのラブバラード(EGOT受賞者のマーヴィン・ハムリッシュが作曲)は、このシリーズに大胆な選択を迫ったのです。

1977年の映画のために、大きなホーンやジャジーなメロディーを排除し、より現代的でフォーキーなものにしたことで、テーマソングの決まりごとをすべて回避しています。また、ロジャー・ムーアのボンド映画のように、軽快でさわやか、そして少しセクシーな曲に仕上がっています。

こちらは本編開始後8分05秒あたりから、ジョン・バリーのテーマに続いて流れ出します。

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シャーリー・バッシー「Moonraker」

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Moonraker - Shirley Bassey
Moonraker - Shirley Bassey thumnail
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ロジャー・ムーアがボンドを演じた1979年公開の『007/ムーンレイカー』では、うっとりするような弦楽器の音色が入った大編成のオーケストラ、キャッチーなテンポ、シャーリー・バッシーの大きくて大胆なヴォーカルという、ボンドの決まり文句をすべて取り入れた曲が起用されました。

この曲が流れ出すのは、本編開始後6分00秒あたりから流れ出します。

シーナ・イーストン「For Your Eyes Only」

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Sheena Easton - For Your Eyes Only + Lyrics [Bond theme song 1981, Widescreen]
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1981年公開の『007/ユア・アイズ・オンリー』のテーマソングを歌ったのはシーナ・イーストンであり、彼女の作品の中でも最も人気な曲の1つになります。

彼女はまた、ボンド映画のオープニングクレジットに登場する唯一の歌手であり、ジョン・バリーのボンドインストゥルメンタルを使用しなかった数少ない作品の1つでもあります。

こちらは本編開始後、6分39秒あたりから流れ出します。

リタ・クーリッジ「All Time High」

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Rita Coolidge 1983 All Time High James Bond
Rita Coolidge 1983 All Time High James Bond thumnail
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リタ・クーリッジが歌う、1983年公開の『007/オクトパシー』のテーマソングは、全シリーズの中で最も反ジェームズ・ボンド的なテーマソングかもしれません。

ですが、それがこの曲を特別なものに感じさせます。 流れ出すのは、本編開始後7分31秒あたりから流れ出します。

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デュラン・デュラン「A View to a Kill」

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Duran Duran - A View To A Kill
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ロジャー・ムーアがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品、1985年公開の『007/美しき獲物たち』には歌手のグレイス・ジョーンズ(メイ・デイ役)も出演していますが、テーマソングを歌ったのは当時人気絶頂のデュラン・デュランでした。

この曲は本編開始後6分15秒で流れ出します。

アーハ「The Living Daylights」

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The Living Daylights Opening Title Sequence
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デヴィッド・ボウイがジェームズ・ボンドのテーマを録音していたら、と思うことはありませんか? ボンドのプロデューサーも同じ夢を見ていたような気がします…。が、彼を起用することはできませでした。

ですが、「その代わり」と言っては何ですが、1987年公開の『007/リビング・デイライツ』ではA-ha(アーハ)を起用してういます。ちなみにボンド役も、ティモシー・ダルトンに変更された作品でもあります。

この曲が流れるのは、本編開始後7分34秒あたりになります。

グラディス・ナイト「License to Kill」

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LICENCE TO KILL HIGH DEFINITION
LICENCE TO KILL HIGH DEFINITION thumnail
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ティモシ―・ダルトンの「007」出演の2作目となる、1989年公開の『007/消されたライセンス』のテーマソングはR&Bの女王グラディス・ナイトが歌っています。

ナイトはこの曲をセクシーに仕上げ、ビデオでは彼女がボンド並みにタキシードを上手に着こなせることを証明しています。本編開始後8分46秒あたりから、オリンパスのカメラのアップとともにスタートします。

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ティナ・ターナー「GoldenEye」

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Tina Turner - Golden Eye (HD)
Tina Turner - Golden Eye (HD) thumnail
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ピアース・ブロスナンの007デビュー作、1995年公開の『ゴールデンアイ』に添えられたこの曲は、まさにボンドのテーマソングにぴったりなものでティナ・ターナーが歌っています。

本編開始後10分35秒から、シャーリー・バッシーを彷彿とさせるスリンキーでセクシーな曲が流れ出します。ターナーの歌声はバッシーほどパワフルではありませんが、彼女の楽曲は大編成のオーケストラとうまく調和しています。

シェリル・クロウ「Tomorrow Never Dies」

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Sheryl Crow - Tomorrow Never Dies (HQ)
Sheryl Crow - Tomorrow Never Dies (HQ) thumnail
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1997年公開の『トゥモロー・ネバー・ダイ』では、ボンドのテーマソングにシェリル・クロウが、異例の抜てきを受けます。彼女は90年代特有のアンニュイな雰囲気を漂わせながら、スイートな歌声を聴かせてくれます。

本編開始後、9分39秒あたりから流れ出します。

ガービッジ「The World Is Not Enough」

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The World Is Not Enough Theme Song - James Bond
The World Is Not Enough Theme Song - James Bond thumnail
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1999年英米公開の『ワールド・イズ・ノット・イナフ』のテーマソングを歌ったのは、Garbage(ガービッジ)のリードシンガーのシャーリー・マンソンです。典型的なボンドの雰囲気とロックバンドを融合させるという意味で、良いケースの1つとなりました。

こちらは本編開始後、14分18秒あたりから流れ出します。

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マドンナ「Die Another Day」

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Madonna - Die Another Day (Official Video)
Madonna - Die Another Day (Official Video) thumnail
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マドンナは、80年代の新進気鋭のポップスターだったころに、ジェームズ・ボンドの曲を歌うべきだった…という意見もありますが。彼女はピアース・ブロスナンの最後のボンド映画、2002年英米公開の『007/ダイ・アナザー・デイ』のために、このダンストラックを制作しました。

本編開始後、13分23秒あたりから流れ出しこの曲は、歌声や声の音程を強制的に補正できるエフェクターがかけられており、実際にシンガーは不可解にも「Sigmund Freud: Analyse this.(ジークムント・フロイトさん、これを分析してみてちょうだい)」と歌っています。※ジークムント・フロイトは精神分析学の創始者です。

クリス・コーネル「You Know My Name」

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ダニエル・クレイグが007を演じた最初の作品、2006年公開の『007 / カジノ・ロワイヤル』は、シリーズの中でも難しいリブート作品でした。

そんな同作のテーマソングを手掛けたのは、クリス・コーネルです。90年代後半のグランジ・ロックのコンピレーション・アルバムに収録されているような楽曲とも言えます。そして唯一、冒頭の“ガンバレル・シークエンス”がない作品であり、その代わりとも言える本編開始後3分41秒あたりでクールな短縮版“ガンバレル・シークエンス”がいきなり登場。そのままこのテーマ曲「You Know My Name」が流れ出すという、好き嫌いが大きく分かれる仕上がりになっています。

ちなみに日本版編集長は、「この作品が最も好きでカッコいい!」と豪語しています(笑)。

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