冠婚葬祭用のスーツ、オフィスに行くためのスーツ、もしくは特別な用事のために着ていくスーツなどなど…普段のライフスタイルがどうであれ、ある程度の年齢に達したとなれば、ワードローブにスーツやジャケットは必須となります。いいえ、必須でなければならないのです。
そして、どんなシーンであれ、出かける前に鏡を見ることでしょう。
そして、汚れやヨレがあることを確認すれば、「そろそろドライクリーニング出さなきゃなあ」と考えるはず。しかし、クリーニングに出す頻度はどのくらいが正解なのか? そしてこのように、汚れやシワやヨレを自らが確認してからケアする順番で本当に大丈夫なのでしょうか…。
「生地が痛むかもしれない」と言って洗わないことは、洗いすぎるのと同じくらい生地にダメージを与えることを知っておきましょう。洗わずに着続けることでスーツはリセットされることなく、その耐久年数は大幅に短縮されてしまうのです。
さらに同僚の女性にこの話がバレた場合には、あなたは「非衛生的な人間=汚い人」と認定される危険性も大ですから…。
クローゼットでの保管方法に関しても、耐久年数…つまりそのスーツをいかに長く着ることができるか、に影響してくるのです。
そこで、スーツのメーカーのドゥアルテでクリエイティブディレクターを務めるキコ・フォント氏に、ジャケットやスーツのケアについていくつかのアドバイスをもらいました。これらを守って、大切なスーツを長く着こなすよう心がけましょう。
1.ドライクリーニングに関しては、なるべくスパンを空ける
もしお近くのクリーニング店が、毎週サービスデーを設けているからといって、頻繁にドライクリーニングに出しているとしたら…今すぐ、その習慣を考え直してください。
もしお手持ちのスーツが1、2着しかないというのであれば…そして、毎日スーツを着て会社に行く必要があるのならば、スーツは最低でも3~4着は用意すべきものです。そして、それらを回転させて着こなすことをおすすめします。なぜなら…
「ドライクリーナーの場合には、化学成分を使用して洗浄します。しかしそれらは、人体に有害でありわけではありません。そして、生地への影響もほとんど与えることもないでしょう。ですが、1回のクリーニングの工程を考えると、それは1回の着用と同等のプロセスを歩んでいると考えていいでしょう」と、フォント氏は言います。
そのためドライクリーナーの乱用は、スーツやジャケットの寿命を縮めてしまう可能性が大いにあるわけです。
2.クリーニングに出すまでは、ブラッシングでケア
毎回クリーニングに出せないのであれば、クリーニングに出すまで自分でケアしなくてはいけません。そこで取るべき正しい選択肢が、「ブラッシング」です。1日着たスーツを数分かけて丁寧にブラッシングすることをおすすめします。これは、毎日のルーティーンにするべきです。
ブラッシングすることで日々、衣類についた埃(ほこり)、髪の毛やその他不純物を取り除くができるからです。
では、ブラッシングの仕方がわからないという方のために、ここで簡単に説明します。まず衣類をハンガーにかけ、縫い目にそって上から下へとゆっくりと撫でるようにブラッシングするといいでしょう。
パンツをブラッシングする場合は、全体をブラシできるようにパンツの全面が開くように広げてから行ってください。特に汚れが蓄積する肩や袖口、摩擦の多い腰回りなどの箇所に関しては、欠かさずブラッシングするようにしましょう。
また、注意点が3つあります。1つはタキシードなど、サテン素材が使用されているアイテムの場合、そのサテンの部分はブラシを当てないようにしてください。2つ目は、これから長期保管しようと思うアイテムには、必ずブラッシングを行うようにしてください。そして3つ目は、ブラシを当てたあとはすぐにクローゼットに収めずに、しばらく空気にさらしておくことが大切です。これらは覚えておくようにしてください。
3.ハンガーにもっとこだわる
クリーニング店でもらったプラスチック製のハンガーを、そのまま使用してはいけません。クローゼットでの見栄えはもちろん悪いですし、衣類にもダメージを与えてしまいます。
クリーニングから引き取ったあとは、そのハンガーはクリーニング店へ返却することをおすすめします。
スーツを掛けるハンガーは、肩に当たる部分が分厚い専用のものであるべきなのです。「薄いハンガーに掛けると肩パット部分が変形し、本来のハリを失ってしまいます。小さすぎるハンガーや大きすぎるハンガーも変形のもととなりますので、ジャケットやスーツに最適なハンガーを見つけることも大切となります」と、フォント氏は言います。
どんなものかわからないという方は、スーツやジャケットを購入した店舗で、どのようなハンガーに掛ければいいかを教えてもらうのもいいかもしれません。
4.パンツのボタンは開けて保管する
「ボタンを外したままハンガーに吊るしたり、畳むようにするのが最適です。パンツのボタンを留めるという行為は、着用するときだけにしてください」と、フォント氏は言っています。
スラックスやセンタープレスの入ったパンツは、膝の部分で2つ折りにしてハンガーに吊るすことでしょう。その際ボタンは開けて、無理なテンションを掛けないようにしてください。ボタンを留めたまま吊るすと、生地に負担がかかるだけでなく、膨らみも発生するので、クローゼットがかさばる原因にもなりますので…。
5.積極的にカバーをかける
日常的にスーツを着こなしている場合でも、「スーツにカバーをかけておくことが理想です」と、フォント氏は言います。それも、できればファスナーで密閉するタイプではなく、前開きのものがいいそうです。「たった数日でも、ほこりを被ってしまうので…」とのことです。
6.アイロンをかける場合はスチームアイロンで
「スチームアイロンであれば大丈夫です」と、フォント氏は言っています。しかし、フランネルウールとリネンでは扱い方が異なります。取り扱い表示をよく読んでから行ってください。
決して安くはないスーツやジャケットです。日々のちょっとした気遣いで長く着こなすことができるのであれば、やらない手はありません。新生活へ向けてジャケットやスーツを新調した方は、ぜひ最初からこれらの取り扱いに注意してみてください。
そして、今までできていなかったという方も、やり始めるのに遅すぎるということはありません…。ここに必要なアイテムをそろえておきました。なので、合わせてチェックしてみてください。
Source / ESQUIRE ES
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