「良いショーツに勝るものはない」と言い切ってしまうと、上司には怒られるかもしれませんが…ここで断言します。よくできたスーツは、あなた美しく見せ、印象を際立たせ、特別な気分にさせてくれるものです。とは言え、息苦しく過酷な夏には全く適しません。代わりにチノパンにしたとしても、確かにパリッとしたクラシックなデザインで、簡単にスタイルに磨きをかけてはくれますが、汗ジミやひざ裏のシワができた場合は最悪です。ジーンズとなると、午後6時以降なら問題ありません。ですが、日中は早く脱ぎたくてたまりません。その点、ショートパンツはこれらの問題を解決してくれる必需品です。特に、筋トレで鍛えたたくましい太ももをお持ちの方にはおすすめのアイテムです。
もちろんショートパンツと言っても、シチュエーション別に種類が必要です。ワードローブにあるその他のものと同様、ジム用、プール用、そしてその中間の用途に特化したものなどです。ですがパリ発のブランド「True Tribe(トゥルートライブ)」のショーツなら、それらすべてを同時にこなし、しかも見栄えよくもしてくれるのです。
パリ生まれでスウェーデン育ちのアレクサンダー・スンドベルグさんが設立したこのブランドのショーツは、多くの偉大な発明と同様に、前述の問題を解決するためにつくられました。スンドベルグさんはバックパッカーで、西オーストラリアで何カ月か過ごした後、海外で1年間に行うすべてのこと(歩く、走る、トレーニングする、泳ぐ、パーティー、またパーティー、etc…)をこなすための服が必要でした。「私は汎用性のあるショーツ、何でもできるショーツが欲しかったんです」と、快適な多目的ショーツが単なる贅沢品ではなく、「ロックダウンや緊急事態宣言で家の時間が増えたタイミングの絶対的必需品となった」と、2020年に彼は「Esquire」UK版のインタビューに語っています。「私はバックパッカーだったので、それほど服を持っていきませんでした。そこでちょっとしたサイドプロジェクトとして、ポルトガルのサプライヤーと仕分けしたスイムショーツのサンプルを持ってオーストラリアへ行ったんです」とのこと。
彼はサンローランの元スタッフであり、探索しながら「地球を助けたい」という気持ちも持っていました。そのため、彼が展開するすべてのアイテムはサステナブルで、リサイクル素材を使ってつくられています。つまり、今回紹介しているショーツも漁網のような海のゴミからつくられたナイロンが素材として使用されているのです。また、「トゥルートライブ」は、アボリジニの権利をサポートするために人権団体「サバイバル・インターナショナル」とパートナーシップを結んでいます。そして最も印象的なのは、このショーツの生産背景にいる人たちが“丸見え”と言えるほど透明性が高いことです。「トゥルートライブ」の生産者は、ブランドのウェブサイト上で名前を明かし、その仕事に対して正当な報酬を支払われていることを証明しています。
このメーカーがつくるショーツは、本当に素晴らしいものばかりです。色彩は玉虫色で荒々しくもあり、ポップというよりフィズ(発泡)しています。シンプルな白いTシャツと合わせただけでお洒落に見えるだけでなく、はき心地も抜群です。
ショートパンツの平均的な価格より少し高めですが、平均的なショーツよりも多くのシチュエーションにも対応していることを考えると、「適正価格」と言えるでしょう。異常気象や気温上昇が問題視されるこの時代、スーツやチノパン、そしてジーンズよりもずっと多くの機能を備えているこのショーツは、今夏のワードローブの必需品です。
Source / ESQUIRE UK
Edit / Mirei Uchihori