ワコールが展開するメンズアンダーウエアブランド「BROS by WACOAL MEN(ブロス バイ ワコールメン)」が、2019年12月に全国の20~50 代の男性5万人を対象に行った調査によれば、男性の約3.5人に1人がパンツにこだわりを持っているそうです。そして、パンツに求める最大要素のトップ3は、「はきごこち」「通気性」「サイズ」でした。
さらに深堀りすると、「こだわりのパンツをはくことで仕事がはかどると思うか?」と尋ねたところ、17.6%の男性が「仕事がはかどる」と回答。つまり約6人に1人が、パンツによって仕事のパフォーマンスが左右されると思っていることが判明しました。その中でも会社の代表である経営者・会社役員クラスは、その他の方たちと比べて「こだわりのパンツをはくことで、とても仕事がはかどる」と思っている方の割合が非常に高いことも判明しています。
これは、「自分にぴったりのサイズを知る男ほど、デキる男」ということを指し示しているのでしょうか。その真相までは調査で知ることはできませんが、少なくとも下着が与えてくれる安心感は、仕事にも影響するということは明確と言えるでしょう。かの有名なアームストロング(宇宙飛行士)やウィンストン・チャーチル(政治家)など、歴史上の偉人たちも「勝負のときは必ずといっていいほど、こだわりの下着を身につけていた」と言っていますので…。
ここではそんな調査結果を踏まえて、あなたにぴったりのパンツを探すためのガイドを作成しました。勝負下着も大切ですが、まずは日々の過ごしやすさを向上させてくれるような、ぴったりのパンツを見つけてください。
下着を買い替える頻度は?
ニューヨーク大学ランゴン医療センターの臨床微生物・免疫学長であるフィリップ・ティエルノ氏によると、「どれだけ高価で上質な下着であっても、長持ちするようにはできていない」と言います。そして、あなたのクローゼットの中で一番の働き者なのが、その下着なのです。私たちは洗濯して綺麗になったそれらを、毎日順繰りにはいているのですから…。
そこで大切なのが、「どのブランドの下着買うか?」ということよりも、もっと大きな問題に目を向ける必要があるということです。
下着は最低でも、1年に1度は買い替える必要があります。そして、下着の寿命を可能な限る引き延ばすためにも、品質にこだわることが大切となります。選ぶべきは通気性のあるコットンです。持続可能な方法で生産されたオーガニックコットンであれば、より良いでしょう。逆を言えば、快適さと通気性を保つことができないナイロン素材のものはおすすめできません。
正しい下着の洗濯方法
改めて言う必要もないかもしれませんが、定期的な洗濯は欠かせません。しかし、洗濯により衣類はダメージを受けます。下着や衣類におけるメインテナンスは、堂々巡りなものです。
とは言え、下着を長持ちさせるためにはいくつかの対策もあります。まずタオル、デニム、そして素敵なオーガニックコットンのボクサーは、他のものと洗うことは避けましょう。他の生地の摩擦で、余計に傷んでしまう可能性が高まります。そして、もし乾燥機を使用している方は、それをやめるべきでしょう。熱は生地の密度を低下させますし、付着した汚れを定着させてしまう傾向にあります。下着は、自然乾燥のほうがはるかにダメージを受けにくいのです。最後に、着こなし人は適度に体型を維持すること…それも下着へのダメージを軽減させるのに役立ちます。
下着を選ぶ基準
先ほど、オーガニックコットンの下着が良いことについて簡単に説明しましたが、もちろん選択肢はそれだけではありません。生地によっては、さまざまな場面で活用できるものもあります。
「テンセルのような天然で持続可能な繊維は長持ちしますし、水分管理、速乾性、軽さなど、他の機能も備えています」と、スイス発祥のアンダーウェアブランド「Hanro(ハンロ)」のプロダクトマネジメント部門のクラウディア・ブルガー氏は言います。「ハンロ」は、20世紀初頭からクラシックに焦点を当てた本当に素晴らしいナイトウェアやルームウェアをつくってきたブランドです。「『長持ちする』という言葉は、デザインにも当てはまります。私たちの哲学は、『少ないことは多いこと 』なのです」とも続けて話します。
しかし、ブルガー氏は何よりも、特定のスタイルやカタチよりも、「自分自身の快適さを優先すべきだ」とアドバイスします。「男性は実用的な買い物をする方が多いので、下着は身体にフィットしていることに加えて、着心地がよく、手入れが簡単でなければなりません。下着の着心地や肌触りを優先して選ぶことが何よりも大切となります」とのこと。
「高くて上質な下着」の代名詞と言える、シルクはどうでしょうか? 着心地の良さという点では、これに勝るものはないでしょう。多くの下着ブランドは、より安価な(そしてときに環境に優しい)生地を使って、ある程度のレベルの着心地を提供することができます。ですが、シルクの場合はより多くの費用と手入れが必要となります。そして熱によるダメージはもちろん、一般的な摩耗にも弱い傾向にあります。
つまり下着に関して、「高いものを一度買って長く着用する」という謳(うた)い文句は、基本的に通用しないと言えるのです。
それから改めて言わせていただきますが、ナイロン素材のものは避けてください。通気性が全くなく、このような合成繊維は本質的にバクテリアや感染症の温床になりやすいでしょう。
選択肢 #1
ブリーフパンツ
向いている人:太ももがしっかりしている方、ラグピー選手系の体格、男性器が大きい方、フランスのファッションブランド「ジャックムス(JACQUEMUS)」のモデル
ブリーフパンツにも、2種類あります。90年代後半に大ヒットした海外ドラマ『SATC(セックス・アンド・ザ・シティ)』でキャリーがはいていたような、ウエストバンドにブランド名が書かれ、パイピングのないクラシックなもの。そして、アメリカンアパレルなどで販売されている、70年代風スタイルのパイピングが施されているものの2つです。
どちらも、はき心地にそう大差はありません。それは、好みによるところでしょう。ブリーフは太ももを完全に露出するクロップドスタイルで、太ももがしっかりしている人ほど圧迫されずにはくことができるので、「向いている」と言えるでしょう。また男性器が大きい方は、ブリーフパンツでしっかりとホールド感を得ることができます。対照的に男性器が小さい場合でも、コンパクトなパンツの中に納まっていると大きく見せることもできますので、ぜひお試しください。
選択肢 #2
トランクス
向いている人:太ももが細い方、スリムな方
ゆったりしていて開放的で、夏には蒸れ対策として選ぶ方も多いと思われるトランクスは、セクシーなイメージは少ないかもしれません。ですが、何十年も支持されてきました。
前述したように、ゆったりしたつくりで通気性もよく、下から空気が入ってくることに開放感を感じられます。しかしそこには、明らかな構造的欠如も見つけることができるでしょう。スリムカットのボトムスとの相性が悪く、男性器が安定しないので、つい触ってしまう癖ができてしまうかもしれない…といことです。公共の場で触ってしまうと眉をひそめられ、会社でやってしまった場合にはセクハラ行為と判断される可能性もあるので、ぜひとも気をつけてください。
しかし、在宅勤務や一日家でゆっくりすごす日などには、涼しくて開放的なトランクスはぴったりと言えます。
選択肢 #3
ボクサーブリーフ
向いている人:すべての体格の方
トランクスほどゆるくもなく、ブリーフパンツほどコンパクトではありません。トランクスとは対照的に生地に伸縮性があるのが特徴で、ブリーフパンツも伸縮性はあるものの覆われる生地量が異なります。ボクサーブリーフは名前の通り、2つの良いとこどりをしたパンツなのです。
体格に関係なく頼りになる存在であり、現代ではほとんど多くの男性に選ばれているタイプかと思われます。ですが、ボクサーブリーフにも注意すべき点があります。ハイカットではボトムをはいたときの快適さが損なわれる可能性があり、男性器が長い場合、ボトムの中に竿がぶら下がっていることが主張されてしまいます。
このタイプを選ぶ場合はミッドレングスのものを選び、さまざまな動作をしてもパンツの中で男性器が動いてしまわないサイズを選びましょう。
Source / ESQUIRE UK