免疫力向上!「ビタミンD」を豊富に含んだ食べ物&飲み物11選
免疫力の向上に活躍する「ビタミンD」。この栄養素をより多く摂取するための食品です。
ビタミンDの働きを、決して侮ってはいけません。あなたの骨を丈夫にすることをサポートし、免疫システムを強化や抗炎症作用も期待できます。
「呼吸器の感染症、自己免疫疾患を予防し、さらには癌(がん)による死亡リスクさえ低下させる可能性が、ビタミンDには秘められています」と、ハーバード大学で栄養学の教授を務めるエドワード・ジョバンヌッチ博士は話します。
ビタミンDは脂溶性ビタミンで、いくつかの食品に含まれており、サプリメントでも簡単に摂取できます。ですが、実はビタミンDを効率よく摂取するための最善の方法とは、「日光を浴びる」ことということも忘れずに。
◇ビタミンDは、日光に当たることによって皮膚で生成されます。
肌に含まれる酵素が紫外線に当たることで、ビタミンDは生成されるとこと。しかし、生成される量については、あなたの肌の質や住んでいる土地、または季節によって異なるということです。
日照に恵まれている日本では、健常人が適度な日光のもとで通常の生活をしている場合、ビタミンDが不足することは少ないと考えられています。
しかし高齢者では、皮膚におけるビタミンD産生能力が低下することに加え、屋外での活動量減少により日光照射を受ける機会が減少することもあり、「通常よりも多くのビタミンDを、食事から摂取する必要がある」と指摘されています。
新型コロナウイルス感染症の影響により、外出自粛をしている人も多いことでしょう。巣ごもりする日々が続き日ごろ、日光に当たる機会が少ないと感じている人は、意識して食事からビタミンDを摂取することすることを意識するようにしましょう。おすすめ記事:帯状疱疹が20~40代の「子育て世代」で急増している意外な理由
◇「ビタミンD」とは? その作用は?【基礎知識】
ビタミンDはいくつかの食品に含まれ、強い骨を維持するためや健康のために必要な栄養素です。
身体が食料品やサプリメントからカルシウム(骨の主要成分のひとつ)を吸収するのを助けることによって、強い骨の維持をサポートします。
◇「ビタミンD」が不足するとどうなる?
ビタミンDの摂取が少なすぎる人は骨が軟化し、細くなり、もろくなる病気を発症する恐れが高まるということ。この病気は、小児の場合は「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」と呼ばれています。
ビタミンDはその他、筋肉を動かすため…、神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達するために、さらに免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するためには不可欠な栄養素です。
また、カルシウムとともにビタミンDも、高齢者を骨粗鬆症から守るための重要な栄養とされています。ビタミンDは全身の細胞内に存在すべきなのです。
◇日本人の必要な「ビタミンD」1日の摂取基準量は?
厚生労働省が公開している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、「1日の摂取の目安量が18歳以上の男女ともにおよそ220IU=5.5mcg(マイクログラム=100万分の1)」とされています。
しかし、人体に最適なビタミンDの摂取量という点については、未だ結論が出ていないようです。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)によれば、およそ600IU(IUとは「International Unit」=「国際単位」の略で、主に薬理学で用いられる単位。生体に対する効力でその量を表す)ほどが理想とされています。が、アメリカ内分泌学会(Endocrine Society)など、1日あたり2000IUの摂取をすすめる組織も存在します。
ジョバンヌッチ博士によれば、「600IUのビタミンDを摂っていれば欠乏症に陥ることはない」とのことですが、疾患予防の効果を高めようと思えば、もう少しばかり多くのビタミンDを血中に送り込んでも良さそうです。
それでは、ビタミンDを有する優れた食材・飲み物に注目しましょう。(※以下、国際単位:40IU=1mcgで表示)
【1】脂の乗った魚(サーモン・マグロ)|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物
食事からビタミンDを補給するのに最高なのは、サーモンやマグロのような脂質の抱負な魚です。
米国立衛生研究所(NIH)のデータによれば、サーモンおよそ85gの中にはおよそ447IUのビタミンDが、また同量のマグロにはおよそ154IUが含まれているとのこと。
いずれの魚も、脳と心臓の健康に寄与する優れたオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。また、魚類は良質なタンパク質の宝庫としても知られていますので、チキンや肉料理に飽きてしまったら魚料理に切り替えるのもおすすめです。
【2】メカジキ|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物(魚)
脂の乗った魚の代表格として、サーモンと同じようにおすすめなのが「メカジキ」です。
およそ85gにつき、ビタミンDの含有量はおよそ566IUです。しかもカロリーはおよそ146kcalと低いので、ダイエットを意識している方にはうれしい食材です。
【3】卵|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物
卵…、特に卵黄(らんおう)部分にビタミンDが多く含まれています。「大きめのサイズなら1個あたりおよそ41IUが期待できる」と言うのは、『スモール・チェンジ・ダイエット』の著者であるケリ・ガンズ博士です。
卵が優れているのは、ビタミンDの含有量ばかりではありません。免疫系を強化するビタミンA、そして脳を健康に保つのに不可欠な水溶性の栄養素コリンも豊富に含んでいます。
「卵黄にはさらに、健康な目の味方であるカロテノイド(特にルテインとゼアキサンチン)という色素も含まれており、その利点も見過ごす訳にはいきませんよ」と言うのは、栄養士のミーガン・キャスパー先生です。
【4】オレンジジュース|ビタミンDを豊富に含んだ飲み物
オレンジジュースには、ビタミンDが大量に含まれています。240ミリリットルあたり、なんとおよそ137IUです。
さらには、1日に必要とされる分量のビタミンCが摂れることもうれしいところ。ですが、240ミリリットル程度に留めておかないと、糖分の摂りすぎとなってしまいますので、くれぐれもご注意ください。
【5】牛のレバー|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物
苦手だからと、この食材を避けている方も少なくないでしょう。逆に、大好物という方には朗報です。
牛レバーは財布に優しい上、タンパク質など栄養価の高い最高の食材と言えるのですから。
およそ85gあたり、およそ42IUのビタミンDが含まれているばかりでなく、ビタミンB12、ビタミンAなどの必須ビタミン、さらにリボフラビンや銅などについても、1日の推奨摂取量を完全に満たすだけの栄養素を備えた素敵な食材なのです。
【6】ミルク(牛乳)|ビタミンDを豊富に含んだ飲み物
朝、昼、晩と無理なく続けられる飲み物が牛乳です。なので一日中、これなら何度でもビタミンDの補給できます。240ミリリットルあたり、およそ115IU~124IUという優れものです。
カルシウムの宝庫としても知られる牛乳ですが、吸収しやすいタンパク質もまた豊富に含まれています。つまり、健康な骨をつくるのに最適な食材と言えるのです。
その上、血圧を適性に保つために必要とされるカリウムも含んでいるところも注目です。これは私たちにとって、ついつい不足しがちなミネラルだからです。
乳製品を避けているという人は、おなじく豊富なビタミンDを含んでいる豆乳、もしくはアーモンドミルクで代用してもいいでしょう。関連記事:タンパク質豊富!牛乳の代わりに試すべき植物性の「代替ミルク」4選
【7】朝食用シリアル(+牛乳)|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物
手軽に食べられる朝食メニューとして大人気のシリアルは、ビタミンやミネラルが強化されている種類の場合、およそ237mlにつきおよそ41IUのビタミンDを含んでいる目安になります。
特にオススメなのが全粒タイプのシリアルで、ビタミンDの含有量も豊富です。1人分の牛乳を加えると、ビタミンDの摂取量を2倍(または3倍)にすることができるというわけです。
【8】マッシュルーム|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物
スーパーマーケットの野菜コーナーで入手可能なビタミンD食材…と言えば、それはマッシュルームです。
含まれるビタミンDは、中サイズでおよそ1IUと、決して多いとは言えませんが、しかしながらマッシュルームには、免疫システム強化に役立つ他の栄養素が豊富に備わっているので、軽視できない食材です。
【9】サーディン|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物(魚)
小さくて油漬けにされた缶入りのこの魚…「サーディン」とは、マイワシ類など数属の小魚の総称です。
これは安価で、健康にも数多くのメリットをたらしてくれる優秀な食材です。免疫システムをアップしてくれるビタミンB12、抗炎症作用のあるセレン、骨の健康に良いリン、そしてビタミンD(油を捨てた2匹分のサーディンにつきおよそ46IU)を豊富に含んでいます。
【10】ツナ|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物(魚)
こちらも私たち日本人にはおなじみの食材で、いつでも手軽に購入できるツナ缶です。
低脂肪のタンパク質とビタミンDの理想的な供給源で、ビタミンDの含有量は1缶当たりおよそ85gにつきおよそ154IUも…。
さらにはオメガ3脂肪酸やカリウム、リン、ビタミンAなどもたっぷり含まれている優秀な食べ物なのです。
【11】ヨーグルト|ビタミンDを豊富に含んだ食べ物
たんぱく質が豊富で、胃腸の調子を整えてくれることが大いに期待できるヨーグルト。
多くのメーカーから、たくさんの種類のヨーグルトが販売されていますが、ビタミンDを強化したヨーグルトには1人分およそ170gにつき、およそ80IUのビタミンDが含まれているとのこと。
《注意点》
ちなみに風味が加えられているものや、多量の糖分が加えられていることもありますので、原材料ラベルを確認して、よりヘルシーなものを選ぶといいでしょう。
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