ドナルド・トランプ米大統領と彼の締めるネクタイとは、込み入った関係にあります。
2017年1月には、トランプ氏が実はセロハンテープでネクタイをシャツに留めていたことがありました。このズル賢い小細工が見破られたのは、突風によってトランプのネクタイがたなびいたことで、チラリと見えてしまったからです。そして、そのことを嘲笑する声も上がっていました。
トランプ氏はどんな類の批判も嫌がる人間であり、そのことを考え合わせるといま彼は、「ネクタイという存在が憎くなり、いまではネクタイを『敵』とみなしているに違いない…」と、皆さんは思うことでしょう。
しかし、実際はそうではありません。
そんな話が、まもなく発売になる元ニュージャージー州知事クリス・クリスティ氏の回顧録『Let Me Finish』の中に出ています。
クリスティ氏によれば、トランプ氏は「すっきりとした体に見せるためのトリック」として、特別に長いネクタイをあえて締めているそうなのです。このトリックは素晴らしい効果を発揮していませんか⁉ 「ファーストフードをあれだけ好きなのに、そのスタイルは自分の生活…とくに健康面に関してはきちんと管理できている」というイメージを刷り込むことには成功している…。この点において、誰も異議を唱えないかと思います。
この話について、 「ガーディアン」紙は次のように伝えています。
「トランプが2016年の大統領選の最中に、クリスティに向かって『長いネクタイを締めると実際よりもスリムに見える』と言い、そうすることをすすめられたことをクリスティは記している」とのこと。
トランプ氏のネクタイ姿の写真をたくさん見るとはっきり分かることですが、彼のネクタイは望ましいとされる位置よりも、ずっと下の方まで垂れ下がっているのです。その点について私たちは以前、次のように指摘したことがあります。
「皆さんのネクタイの先がウエストラインの位置にきちんと来ていないようであれば、その場合はすべての事柄を真剣に見直すべきです」。と…。スカーフを首に巻くように、ネクタイを肩にかけてはいけませんので…。
あるいは、式典でリボンをカットするのにネクタイを使うのもでもありません(笑)。
トランプ氏の「体をスリムに見せる長いネクタイ」という“まやかし”は、彼が側面から写真を撮られるのを避けるのに使う、他の魔法のトリックと同じフォルダーに分類できそうです。
そう、こんど、「トランプの『フェイク・スタイル・ニュース』という名のフォルダーをつくり、連載でも始めようかと思っています…。
From Esquire UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。