新型コロナウイルス感染症が世界中でまん延し始めたころから時が経ち、マスクが手放せないまま、うだるような暑さの夏がやってこようとしています。例年よりも、マスクによる熱中症患者の増加が懸念され、水分補給などが例年以上に呼びかけられています。しかし、外出時に水分補給をしようと思っても、マスクをその都度外したりしなければなりません。その煩わしさが、水分不足を促進させてしまう可能性もあります…。

 そこでその問題を解消するためのアイテムが、ニューヨークのセレクトショップ「Maison 10」より発売されました。それは、ストローが通せる穴がついたマスク「FACE GLOVE 3.0 WITH STRAW BY M10 X WING + WEFT (HOME OF LACRASIA GLOVES)」。マスクの素材は、ダイビング用のウェットスーツとしても使われているポリエステル×スパンデックスからなる合成ゴム…ライトウェイトな「ネオプレン(Neoprene)」。この素材は抜群のストレッチ性をもち、太いゲージの糸を使用することによって通気性を高めています。

maison 10のストローが通せるマスク
Maison 10

 そのお手入れ方法は、温かい石鹸水で軽くもみ洗いした後、吊るし干しするだけ。「マスクにハッカ油やエッセンシャルオイルをスプレーすることもできる」と言います。そしてマスクには、金属製の再利用可能なストローとパイプクリーナー、ストローの口につけるキャップがついて、お値段は20ドル(約2100円)とのこと。

 このマスクで注目すべき点は、他に2つあります。

 1つ目は、マスクを1つ購入するごとに、新型コロナウイルス感染症により大きな打撃を受けているレストランを支援する団体City Harvestへ、5ドルの寄付がなされるということ。

 この活動は今回のマスクだけでなく、「Maison 10」のポリシーでもあります。このショップでは10週間ごとにコンセプトを変え、才能ある革新的なデザイナーやアーティストによる高品質の製品を10の異なるカテゴリーから厳選し、10のアイテムを販売します。顧客は購入時に10%の寄付を受け取る10の慈善団体のうちの1つを選択し、買い物をするたびに人々のサポートに貢献することができるというわけです。

 また10週間ごとに、10人の新しいアーティストが参加する展示会を設けることによって、多くのデザイナーにビジネスチャンスを与えるきっかけもつくっています(※現在は新型コロナウイルス感染症の対策のため、ショップは一時的に閉鎖していますが、SNSや公式サイトを通じて発信し続けています)。

 そして2つ目は、この商品はNYを拠点にするグローブショップ「Lacrasia Gloves」とのコラボという点です。「Lacrasia Gloves」は1973年に、Jay RuckelとLacrasia Ducheinによって設立されたショップで、ジャクリーン・ケネディやマイケル・ジャクソンを始めとした数々のセレブに愛されてきました。

 しかし2017年に、「Lacrasia Gloves」は海外製造やファストファッションが主流となった現代のニーズに対応することが難しくなり、ニューヨークで唯一生き残ったグローブメーカー「WING + WEFT」の傘下に入っています。

instagramView full post on Instagram

 「Maison 10」が発売したストローが通せるマスク「FACE GLOVE 3.0 」は、ひとつずつ手づくりでつくられているため大量につくることが難しいとのこと。しかし、一度完売してしまいましたが、このたび再入荷しています。(2020年6月25日時点)公式サイトでは販売しており、海外へも100ドル以上であれば送料無料で対応しています。

Maison 10公式サイト