ストリートは終わるのか? ヴァージル・アブローが仕掛けたルイ・ヴィトン 2020A / Wのショーに激震
ストリートウエアの先駆者ヴァージル・アブローによる今回のショーは、ストリートウエアが減り、スーツが優勢なものとなりました。
巨大な木やハサミ、鍵や糸など(もちろんそれらには、『L.VUITTON』と刻まれた)の置物の間を練り歩くモデルたち…。このランウェイのつくりや舞台演出までは、これまでのヴァージル・アブローと何ら変わりはなく、来場者やライブ配信越しにショーを待つファンたちに、「今年はどんなスタイルが発表されるのか」と、開演まで期待で胸をふくらませていたのでした。
ですが、ショーが始まると…待てど暮らせどヴァージルお得意の斬新なストリートウエアは登場しないままショーは幕を閉じたのでした。ストリートウエア界で先駆者として名を馳せてきたヴァージルですが、「2020年秋 / 冬は、ストリートウエアほとんどなし」という、またも多くのファンを驚きと混乱の世界へと誘ったのでした。
その代わりにそこの存在していたのは、まるで小さい子どもが夢見るような雲模様のプリントが施された伝統的なテーラーリングスーツやネクタイだったのです。また、ルイ・ヴィトンの象徴的なモノグラム「LV」のプリントが施されたシンプルで無駄のないアクセサリーも戻ってきていました…。
しかし、これで一気に、サヴィル・ロウが第一線に戻ってくるというわけではなさそうです。2020年春 / 夏で登場したような、複数のバッグやポーチのついたユーティリティヴェストや特大パーカーとは対照的に、フリル付きのラペルや袖が輝きを放っていたのです。
これらはすべて、ヴァージル自身が最近のファッションシーンで感じ取っていることなのです。2019年12月に、ウェブメディア「DAZED」のインタビューでヴァージルは、「ストリートは終わりに近づきつつある」と発言しています。ストリートブームをここまでけん引してきた立案者が、このような発言をしたのです。これに対し、ファンの間では賛否両論上がっていました。が、ヴァージルワールドはいまだ健在と言えるでしょう。今回のショーも、成功に終わっているのですから…。
それでは、そんな今回のルイ・ヴィトン2020A / Wショーに登場した最高のルックスをご覧ください。