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日々の歯のケア、どうしていますか? 多くの方が歯ブラシを使っていることと思いますが、オーラルケア意識の高まりに合わせて、歯ブラシと「デンタルフロス(糸ようじ)」を併用する人が増えているようです。
歯と歯の間には、歯垢(プラーク)が残りやすい場所があります。そのわずか数ミリの間に入り込み、歯垢をごっそり取ってくれるのが「デンタルフロス」です。ここでは、オーラルケアを大切にしたいあなたに向けて、新たな習慣としておすすめしたい「デンタルフロス」についてご紹介しましょう。
デンタルフロスとは?
毎日しっかりと歯を磨いているのに、「虫歯になった」「歯周病になった」「口臭がなかなか取れない」など、皆さんそんな経験はありませんか? それは、歯ブラシで磨けているのが歯の外側ばかりで、歯間には磨き残しがあるからなんです。
歯と歯の間には、歯ブラシでは届きにくい隙間があります。そこには歯垢(プラーク)が残りやすくなり、虫歯や歯周病菌が生息しやすい環境となってしまいます。そこで活用したいのが、「デンタルフロス」です。
歯ブラシだけでは取り切れない歯と歯の間の歯垢を取り除き、口内環境を整えてくれます。オーラルケアの必需品として、特にヨーロッパでは一般的となっているアイテムです。
デンタルフロスの効果は? やらないとどうなるの?
1本の太い糸のように見えるデンタルフロスですが、実際は極細繊維を束ねて糸状にしたものです。その超極細繊維が歯の狭い隙間にも侵入し、微細な汚れや歯垢を取り除いてくれます。そんなデンタルフロスの効果は、大きく分けて次の3つあります。
- 歯間の歯垢除去
- 虫歯・歯周病の予防
- 口臭の改善
1、2に関しては、ここまでご説明してきた通りなのですが、ここで補足したいのが3にある口臭の改善です。「デンタルフロスを使ったことがあるけれど、使用した後の臭いが気になった」と言う声を耳にします。これは「歯肉溝(歯周ポケット)」に溜まったプラークをかき出せている証拠と言えます。
2、3mm程度の深さのこのポケットは、歯ブラシが届きにくく、細菌の溜まり場となっているケースがほとんどです。この溝の中にフロスを入れることで、細菌を取り除くことができます。逆に言えば、どれだけ歯ブラシを頑張っていても、とりきれない口臭の元があったと考えると少し怖いですよね…。
デンタルフロスには2つのタイプがある
- ホルダータイプ:初心者向き
- ロールタイプ:経済的
プラスチックの持ち手に糸状の繊維がセットされている「ホルダータイプ」と、裁縫用の糸のように巻かれている「ロールタイプ」の2種類があります。
「ホルダータイプ」はフロスがすでにセットされているので、初心者の方でも使いやすいのが特徴で、片手で簡単に歯の間を清掃できるところが利点です。しかし、ホルダーで固定されているため、糸だけのロールタイプと比べると、小回りが利きにくい点デメリットとして挙げられます。どうしても歯並びの悪い所や奥歯は、届きにくくなってしまいます。
一方、糸状の繊維が巻かれている「ロールタイプ」ですが、メリットとしては使う長さを自分で決められるので、コスパに優れている点が挙げられます。また、ホルダーが付いていないぶん、小回りが利くので、歯並びが悪い所でもやりにくさはないでしょう。
デメリットは、慣れるまでに時間が掛かることが挙げられます。両手の指に巻いて歯間に入れるという作業に、最初は苦戦してしまうかもしれません。
デンタルフロスの「繊維の加工」にも注目
デンタルフロスの繊維に、ワックスが加工されているタイプがあります。ワックスが付いていることで、滑りが良くなってスムーズに歯間に入れられます。特に歯間が狭い人は、ワックスつきのデンタルフロスを使うと良いでしょう。また、スムーズに歯間に入っていくので、初心者の方にもおすすめです。
反対にワックスが付いていないタイプは、繊維がすべることなく裸の状態なので歯垢に引っかかりやすくなり、歯垢を取り除く力が高くなります。デンタルフロスの使用に慣れてきた人は、ワックス付きではないタイプの使用も良いでしょう。
口の中でふくらむタイプのデンタルフロスもあります。これは、唾液や摩擦によって繊維が広がる構造です。繊維の面積が広がるので、歯と歯の間のすき間の歯周プラークを効果的に除去できます。
デンタルフロスの使い方
ここでは使用が難しいとされる、「ロールタイプ」の使い方をご説明しましょう。
1:フロスを約40cm取り出します
両手の中指に3回巻きつけてから、15cmくらいの長さにしてピンと張ります。
2:フロスを両手の親指と人差し指で挟み、2cmほどに調整
3:左右に動かしながら、歯の根元まで
歯間に入れたデンタルフロスを強く動かすと、歯ぐきを痛めてしまう恐れも…。なので、優しく動かすのがポイントです。奥まで糸を入れたら、両側の歯の歯垢を糸に付着させるように上下に動かします。
歯と歯の間だけでなく、歯肉溝の中(すっとスムーズに入るところ)までフロスを入れて、プラークを取り除きましょう。
デンタルフロス使用時の注意点
鏡を見ながら、歯ぐきを傷付けないように注意しましょう。力任せにフロスを差し込むのではなく、ゆっくりとていねいに動かすのがポイントです。
1日1回の使用が望ましい、とされています。使うタイミングは歯ブラシをした後が最適です。睡眠中は細菌が繁殖しやすいので、最も理想的なのは就寝直前の歯ブラシが終了した後となります。
使用して間もなくは出血することもありますが、長く続いたり痛みがある場合は、歯科医に診てもらうことをおすすめします。
おすすめのデンタルフロス7選
GUM(ガム) デンタルフロス(ワックス)
繊維にワックス加工がされており、スムーズに歯間に入り込んでくれます。加えて、口の中で膨らむ繊維を使用しているので、歯垢を絡め取りやすく、初心者の方でも使いやすい商品です。歯と歯の間のすき間(三角のゾーン)の歯周プラーク(歯垢)を効果的に除去できるでしょう。
ライオン DENT.e-floss(デントイーフロス)
こちらの商品も口の中で膨らむ繊維を採用していて、唾液に触れると直径は約4倍にまで拡張します。ワックス加工も施されており、歯間部にもスムーズに入ります。フロスの減り具合が見やすい半透明のケースに入っているので、とても便利です。使用後に爽快感が残るソフトなミントフレーバーとなっています。
小林製薬 小林製薬の糸ようじ
「糸ようじ」の名前で親しまれている、このロングセラー商品。6本糸のフロスがねばつく歯垢も絡め取ってくれます。繊維は特殊なつくりで丈夫、使っていても切れにくいのも人気の秘密です。保管も楽で、何より使いたいときにすぐに使用できるというのも魅力です。
ライオン クリニカ デンタルフロス Y字タイプ
クリニカデンタルフロスはY字型で使いやすく、慣れていない人でも簡単に使うことができます。フロスはたるみを持たせているので、歯にフィットして歯垢を絡め取り、口内を清潔な状態にしてくれます。洗って繰り返し使えるので、経済的なのも嬉しいところです。
REACH デンタルフロス ワックス
歯ブラシやデンタルフロスのブランド、リーチのデンタルフロスは糸巻きタイプ。フロスにはワックス加工がされているので、歯と歯の間に入りやすいのが特徴です。極細繊維でつくられているので、歯間が狭い人でも安心して使えるでしょう。長さ50mなので、これ1つで長く使えてお得です。
オーラルケア フロアフロス
指に巻き付けやすいフロスです。それでいて、こちらの商品もワックス付き繊維を採用していて、さらに唾液で膨らむタイプ。使用者によるレビューでもかなりの高評価を獲得し、「他のフロスよりも歯垢や食べかすが取れる」という声が続出しています。
GC ルシェロ フロス ミントワックス
髪の毛の約1/100の細さのマイクロファイバーを採用。豊富な繊維が歯の隅々まで行き届きプラークをかき取ります。繊維の断面はエッジのついたくさび状になっていて、歯面に付着したしつこいプラークもしっかりとかき取ります。こちらの商品は、口に入れても膨らまないタイプ。膨張した繊維は使いづらいという人にもおすすめです。ワックスコーティングはされているので、初心者の方でも使いやすいと人気。
まとめ
紳士の嗜(たしな)みとしても、デンタルフロスを活用して口内環境を整えておくことをおすすめします。今回ご紹介したグッズで、最上級のオーラルケアを試してみてください。